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本来無一物

 本来無一物。 

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店・1985年4月20日刊)から。
 『本来無一物』(ほんらいむいちぶつ)は、仏教で、全ての現象はもともと空(くう)で、絶対の存在はひとつもないこと。一切を空と悟って、ものに執着しない自由自在の心境。

 今回の短歌は、『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月30日刊)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 冬なれば毛深くなりしわが犬と外套を着し我と歩めり (高安国世・55)
 
 s-裸木20200116
 いつもの農道散歩。裸木が清々しい。

 付きて来し犬の姿が忽然と消えたるあたり青き空間 (大野誠夫・65)

 s-鳶20200116
 鳶の若鳥らしい。成鳥の尾羽は三味線のばち型になるが、そこまでは成長していない。何か気配を感じたのか振り返った瞬間。

 尾を追ひてまはる仔犬よ音符の輪きらきらしくて島の日だまり (大西民子・71)

 s-鳶②20200116
 アップにしてみたら、親鳥とはぐれてしまったかのような寂しげな眼差し。

 日のくれに帰れる犬の身顫ひて遠き砂漠の砂撒き散らす (大西民子・71)

 s-田人路②20200117
 これと次の写真は阿武隈山系の田人路。私が住むアパートの3階のベランダから西方に見える阿武隈山系を朝に夕に眺めているが、雨の日は白く煙って見えることが多く、山は雪かなと思う。どんな状態かな、何処まで行けるかなと出掛けて見たら、雪はこんな状態。「はだら雪」という言葉が浮かんできたが、念のため辞書をひくと、「まだらに降り積もった春の雪」の由。1月の雪には使わないようだ。1/19、ボランティア活動で一緒のグループになった新潟の方も、極端な雪不足とおっしゃっていた。

 曲がり角知り合いの犬と出会いたり間のわるき顔を一瞬したり (高安国世・78)

 s-田人路20200117
 ブナやコナラの原生林も1月の様相ではない。

 思ひつくといふこと犬の身にもあらむ雨の中来て戻りゆきたり (高栁サダエ・83)

 s-日だまり②20200117
 ここから6葉は@勿来の関。

 犬はいつもはつらつとしてよろこびにからだふるわす凄き生きもの (奥村晃作・88)

 s-日だまり20200117

 ゆうぐれは犬にも愁あるごとく傍らに来て焚火をみつむ (王紅花・95)

 s-裸木②20200117

 ぐずりし犬もいつしか眠りたり泣き寝入りするは人間(ひと)のみならず (石田比呂志・95)

 s-なにかな20200117

 犬の仔の耳やはらかく幾度(いくたび)も形を変へて風を聞きをり (渡辺幸一・97)

 s-アカゲラ②20200117
 アカゲラ2葉。木の枝が邪魔して、アカゲラの眼に光が届かず、置物のように見えてしまう。

 あたし犬あたしの仲間は人間で犬の友達おりませんの (梅澤鳳舞・99)

 s-アカゲラ20200117
 コゲラは何度も撮ったことがあるが、アカゲラは珍しい。

 さざんくわは空(くう)を切るはなほろほろと切らるる一切空の世界よ (水原紫苑・99年)

 s-山茶花20200120
 ここから以下は1/20の還太植物園。赤花の山茶花。
 
 山茶花はゆふべの雲にしろたへの花まぎれんとして咲きゐたり (佐藤佐太郎・75)

 s-山茶花②2020120
 白花の山茶花。

 心耐へてこの幾日をありにしか犬にもの言ふ今朝の子のこゑ (大河原マス美・00)

 s-ツワブキ20200120
 石蕗(つわぶき)。バックは赤花の山茶花。

 キュッと鳴る玩具を咬みてみずからをしずむるすべを仔犬は覚ゆ (上野久雄・01)

 s-水仙20200120
  水仙。

 花の奥にさらに花在り私の奥にわれ無く白犬棲むを (水原紫苑・04) 
 
 s-母子草20200120
 母子草。

 あのやうな人になりたかった私を人間になりたかった犬が見てをり (稲葉京子・05)

 s-なにかな20200120
 調査中。

 わが犬はぢっと目を見て話聞く留守を頼むにまなこ逸らせり (土屋亮・06)

 s-なにかな③20200120
 調査中。葉は肉厚に見えるが、実際に触ってみるとそれほどではない。たくさん見かける。松吉さんからご教示あり。金盞花(キンセンカ)とのこと。但し、Wikipediaでは「花径10cmほど」と記載され、『季節の花図鑑』(日本文芸社)では「花径1~5cm」との記載。でも、葉の形からしても「キンセンカ」のようだ。

 メロンパン犬と分けあふ昼さがりお前も私も微塵のいのち (渡辺茂子・07)

 s-オオイヌノフグリ20200120
 オオイヌノフグリ。庭のあちこちに咲いている。

 今回はここまで。皆さま、お体を大切になさってください。

 追記

 冬といへ春思はせる暖かさ照る陽のどかに空澄みわたる (小澤知江子・08)

 s-八重の梅20200121
 今日(1/21)、勿来の関へ行ったら梅が咲いていてびっくり。その一角だけ華やいだ光景が広がっていた。
 
梅の香の甦す微かな痛みあり春は来るより返さるるもの (高村典子・08)

 s-八重の梅②20200121

 「勿来関文学歴史館」の海側の傾斜地に咲いていた。花びらの先端が割れているのが桜、尖っているのが桃なので、丸い花びらのこれは梅だと思う。

 以上です。

 

五風十雨(ごふうじゅうう)

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店・1985年4月20日刊)から。

 「五風十雨」とは、五日めに一たび風が吹き、十日めに一度雨が降ることで、農作物の生育に都合がよく、豊年の兆しであるとされた。「十日の雨土くれを動かさず、五日の風枝を鳴らさず」とも。

 今回の短歌は、『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月30日刊)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 あらためていま一度とも言ひがたき一点鐘に似るいのちかな (中原綾子・60)

 s-タンポポ20200109
 お正月で鈍った体を鍛えるべく連日1万歩超の農道散歩をしている。冬枯れで写真の材料は乏しい。さて、これは蒲公英(タンポポ)と思うのだが、花は地面に張り付くように咲いている。タンポポではないのかな。漢字表記の「蒲公英」は中国植物名の「ほこうえい)から。

 おのずからいのちのともしび消えゆくを待つごとくにも深く瞳を閉ず (渡辺順三・66)

 s-タンポポ②20200109

 かりそめの感と思はず今日を在る我の命の頂点なるを (窪田空穂・67)

 s-何かな20200109
 
 無灯火の峡の夜ふけて月ながら降る雪吾の命きよめむ (三浦武・75) 

 s-ホトケノザ20200109
 仏の座(ホトケノザ)。

 植えざれば耕さざれば生まざれば見つくすのみの命もつなり (馬場あき子・77)

 s-ナズナ2200109
 薺(ナズナ)。

 さしのぞく深井の底に映れるはいづこより来し小さき顔ぞ (伊藤雅子・88)

 s-オオイヌノフグリ20200109
  大犬の陰嚢(オオイヌノフグリ)。

 魂の最も深きところより滲み出る部位を顔とし寫す (佐々木六戈・03)

 s-セイタカアワダチソウ20200109
 背高泡立ち草(セイタカアワダチソウ)。

 年が明けて、いわきのボランティアセンターの活動は土日のみとなった。1/11・12、両日とも7名のグループで同じお宅の室内清掃作業。通常は浸水被害の部分掃除をする。ただ、高齢独居女性かつ闘病中(左手も麻痺)とのことで、床上浸水レベルより高い部分も掃除。蛍光灯の交換も。 
 
 11日は還太郎が勤務していた会社のOBと一緒になった。フルマラソン・坂道のぼりのサイクリングが趣味とのことで体力充分。キッチンの引き出しを全部徹底掃除してくれた。

 12日は7名中3名が南会津の方(うち一人は、お父さんと一緒に参加した小学校5年生のお嬢さん)。「雪深いところから大変ですね」と声を掛けると、「雪祭りの開催が危ぶまれるほど降雪が少ない」とのこと。あとは埼玉・大阪・福島市の方と還太郎。2日がかりの掃除で室内は大分きれいになり、Before・Afterの写真を並べてみたいところ。参加者全員が達成感を味わいつつ、終了。 

 さて、いわきの日の出時刻は1月6,7日の6時50分10秒を境に早くなり、今朝(1/13)は6時49分27秒。この間に日没時間は6分ほど遅くなっており、日に日に春が近づいている。

 今回はここまで。皆さま、お元気にお過ごし下さい。

沈魚落雁、閉月羞花

 明けましておめでとうございます。皆さまのご多幸とご健勝を祈念いたします。

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店・1985年4月20日刊)から。

 「沈魚落雁、閉月羞花(ちんぎょらくがん、へいげつしゅうか」)は、美人を最大級に形容することば。美人に会うと、その非常な美に圧倒され、魚は深いところ沈み隠れ(沈魚)、雁は見とれて列を乱して落ち(落雁)、月は雲間に姿を隠し(閉月)、花は恥ずかしがってしぼんでしまう(羞花)ということ。
 『荘子』の中のことばをもじったもの。荘子本来の意味は、美人の形容ではなく、人間には美人に見えるものも、魚はこれを見るとおびえて水底に沈み、鳥は驚いて空高く飛び上がるというもの。

 今回の短歌は『現代短歌集成』角川学芸出版・2009年11月30日刊)tから。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。テーマは『雪』。 

 この冬も粥のやしない蹌踉たりあかとき路地はうつくき雪 (坪野哲久・71)

 *「粥の養い」とは1/7に食べる七草粥かと思った。ただ、「蹌踉」(そうろう)とは足もとのおぼつかないさまをいうので、米の蓄えが充分ではなく粥飯でしのいでいるということかな。

 s-サザンカ20191231
 @還太植物園。山茶花2葉。

 暗を來て家洩るる燈を横切ればわれにしきりに降る雪が見ゆ (早川幾忠・74)

 s-サザンカ220191231

 倒れぎわを鮮烈に匂いし椴松(とどまつ)によもすがらなる雪となりたり (坂田博義・74)
 
 s-ハクチョウ②20200105
 @鮫川、沼部大橋付近。白鳥、鴨、百合鴎などなど。

 きしきしと雪ふみかへるわれはいま優柔の果ての科(とが)負ふらしも (上田三四二・75)

 s-ハクチョウ20200105
 息、ピッタリ。 

 閑寂が音となりゐるごとくにてしんしんと雪いちにち止まぬ (植田多喜子・76)

 s-ユリカモメ20200105
 給餌する人が現れると、ユリカモメはホバリング開始。

 積雪遠屋根にひらめくことありて鶴などのわらふごとくあかるき (葛原妙子・77)

 s-カシラダカ20200107
 頭高。

 音たてぬ川に音なく降る雪をわが身のうちにひびかせて聴く (大塚陽子・82)

 s-アオジ20200107
 青(アオジ)。「鵐」の訓読みは「しとど」(古くは「しとと」)。アオジ、ノジコ、ホオジロ、ホオアカなどの小鳥の古名。

 皆さま、今年もよろしお願いします。

十二月尓者 沫雪雫跡 不知可毛 梅花開 含不有而 (紀少鹿女郎)

十二月(しはす)には、淡雪降ると、知らねかも、梅の花咲く、ふふめらずして (きのをしかのいらつめ)

 今年のタイトルは万葉集。「十二月には淡雪が降るということを知らないのでしょうか。梅の花が咲いています。つぼみのままではいないで」の意。

 今回の短歌は「日経歌壇 19年の秀作〈下〉」(12/29)から。

 羽根は腕よりも苦しみを見えやすくする地面を何度も打つ羽根 (東京・田中有芽子)
 
 s-日だまり20191227
 日だまり@勿来の関。以下、野鳥の写真は近くの水田の耕作放棄地で。それ以外は勿来の関で。

 12/24、私の年内のボランティア活動は終了。年明け以降、ボランティアセンターの設置は土日のみの由。10月下旬から生活の中心がボランティア活動だったので、拍子抜けの感あり。年明け以降の活動は事前予約が必要とのことで、1/11,12を予約した。

 太陽を機窓船窓車窓にと嵌めて見にけり今日一日に (横須賀・丹羽利一)

 s-赤い実20191227
 男ようぞめ(オトコヨウゾメ)かな。図鑑には「秋には葉が美しく紅葉するが、乾燥すると黒くなるという特徴というを持っている」と。
 名前の由来はガマズミ類をさす木曽・下伊那地方の方言が「ヨウゾメ」で、他の果実は生食できるが、この果実は赤くて大変きれいだが苦くて食べられないので、「男」をつけたとのこと。
  
 そう言えば伝わりますとあずかった伝言を抱き渡る桟橋 (小牧・戸田響子)
 
 s-正面像20191227
 頭高(カシラダカ)かな。

 棄てられるドールハウスの中に眠る私を早く起こさなければ (仙台・山上秋恵)

 s-なにかな320191227
 こちらの方がカシラダカの特徴が出ている。名前の由来は、興奮すると頭頂部の羽を立たせることによる。

 「カマドウマ」名前があれば怖くない名前を知らぬ虫に囲まれ (インド・須田覚)

 s-なにかな20191227
 ルリビタキの♀かな? 尾が見えないのが残念。 

 鐘の数で0時を表す術がなく振り子時計が12回打つ (札幌・清信かんな)

 s-松ぼっくり20191227

 青空を折りたたみ式にリュック詰め戦争おこれば逃げる覚悟だ (つくば・潮田清)

 s-山茶花かな20191227
 サザンカ。 

 銀行の前で空見るガードマン空飛ぶ強盗まだ現れず (守口・小杉なんぎん) 

 s-なにかな220191227
 権萃(ゴンズイ)かな。名前は材がもろくて役に立たないので、利用価値のない魚のゴンズイの名を当てたといわれるが、真偽は不明の由。

 因みに、魚のゴンズイはこれ。ナマズの仲間で、成魚となるとナマズによく似た姿となる。背びれと胸びれの第一棘条には毒がある。毒針さえ取り除けば、白身の美味な魚で、味噌汁や煮物、天婦羅なとで食されるとのこと。
 s-ゴンズイ

 今日(12/30)、いわきは雨。本棚の整理をしていて、今年最も啓発された本は「ホモ・デウス」(ユヴァル・ノア・ハラリ著・河出書房新社)だなと思った。カズオ・イシグロは「優れた作品である前作の『サピエンス全史』よりも面白く読める、より重要な作品である」と、ビル・ゲイツは「人類にとって何が待ち受けているのか、思慮深い考察を著している」と評価。

 s-img053.jpg

 それでは皆さま、良いお年をお迎えください。 

霜干 冬柳者 見人之 蘰可為 目生来鴨

 霜枯れの冬の柳は見る人のかづらにすべく萌えにけるかも (詠み人知らず)

 今年のタイトルは万葉集。「霜で枯れた冬の柳は、見る人の髪飾りになるくらいに芽がでています」の意。

 今回の短歌は12/7の日経歌壇から。

 兜太なき秩父は寂と秋深しをりふし遍路の鈴の音ひびく (町田・谷川治)

 「兜太」は俳人・金子兜太のこと。2018年2月20日没。埼玉県出身。現代俳句協会名誉会長、日本芸術院会員、文化功労者。 

 s-芙蓉20191201
 今回の写真は全て@還太植物園・還太池。芙蓉の花殻。
 
 約一ヶ月振りのブログ更新となった。この間、雨の日と土日以外は殆どボランティア活動に参加。16時頃には帰宅し、シャワーを浴びてハイボール缶をプシュ・・・。その後は焼酎のロック(今晩からお湯割りに変更)をチビチビと飲み、早い時は21時頃に就寝。ブログ用の写真を撮る時間もないし、前に撮った写真でブログを作製したいと思う頃は既に酔眼朦朧。そんなわけでちょっと用事があってボランティアに参加しなかった今日、一ヶ月振りの更新となった次第。

 スカイツリーが成長期だったあの頃は窓から眺める楽しみがあった (横浜・森秀人)

 s-冬枯れのビオトープ20191201
 冬枯れの様相を呈し始めた還太池。金魚やメダカは水生植物の下に潜ったままで姿を見せない。コイは時折姿を見せるが、エサは殆ど食べない。

 生きながら死んでいるような目をしても生きているから酒を呑む人 (守口・小杉なんぎん)
 
 s-石垣菊20191201
 
 ボランティア活動では、全国各地からの参加者と数名~十数名のグループで作業をする。車中泊できるように軽自動車を改造し、1ヶ月間活動された北海道の方。12/1に帰ると言うので、地元の人間としてお礼をしたい、居酒屋で御馳走させてほしいと言ったら、あまり乗ってこない。では割り勘でどうと聞くと、それならどこでもお供しますと快諾。一次会の焼鳥屋はきっちり割り勘したが、酔余の勢いで乗り込んだショットバーは持たせてもらった。床下の泥だしの作業になると、彼は合羽を着用して床板の下に潜り込んで泥を掻き出すなど脱帽もの。 

 プロローグとエピローグだけ書いてある物語として冬蝶の翅 (和泉・小野田裕)

 s-還太植物園⑥20191201
 
 なにわナンバーの乗用車でボランティアによく参加される女性(たぶん先輩)は、毎回参加者が活動現場を往復するため交通手段として車を提供。トランクには何も入っておらず、スコップその他の用具を運ぶことも厭わない。いわきに家を借りて参加している由。

 われ死なば妻は絶対泣くだろうそれから笑う十日ほどして (仙台・岩間啓二)

 s-還太植物園⑤20191201

 雨が降らない限り毎日参加しているS君は地元の方。足に障害があるのに、泥出し等のハードな作業に好んで参加。

 滝のごときビル壁面の電飾の一箇所欠けてさらに際立つ (横浜・石塚令子) 

 s-還太植物園③20191201
 
 東京から来たという20代の青年は、「寄付は嫌いです、どんな使われ方をするのか分からないから。自分で参加すれば、間違いなくお役にたてていると実感できます」とのこと。
 
 二十年使い続ける一分の遅れ毎朝合わせる時計 (横浜・橘高なつめ)

 s-還太植物園②20191201

 これまでに地元以外では北海道、岩手、宮城、茨城、千葉、埼玉、群馬、東京、神奈川、愛知、大阪、奈良、岡山、広島、山口、愛媛、大分、熊本の方と同じグループで活動した。「どうしていわきに来てくれたのですか、なにかいわきにご縁がおありですか」と伺うと、「いわきはボランティアが足りないとネットで知ったから」との返事が最も多い。他には、以前3年ほどいわきに勤務していたことがあるとか、妻の実家がいわきなのでとか。全国の被災地に赴いているという方も多い。
 ボランティアセンターのスタッフも北海道、青森、秋田、岡山等の社会福祉協議会から派遣されている。

 のんびりと動く重機がマンモスの骨掘り当てそうな小春日 (千葉・深海泰史)

 s-還太植物園20191201

 ボランティアは老若男女を問わず、とにかくよく働く。手当をもらって作業すると、同じ手当なのにあいつは動きが悪いとか、自分ばかりが大変な作業を割り当てられるという不満も出るが、ボランティアは作業する気満々の方が参加していることは皆が承知しているので、他の参加者への不満はまず出ない。作業時間内にこの現場を完了しようという思いは一つ。
 
 枝を伐るあなたの下で枝集め運動会のような冬支度 (福島・横山ひろこ)

 s-コケの培養20191201
 実家のあちこちで舗装の割れ目から清水が沁み出すので、コケが元気に成長。

 台風19号とその後の大雨で、いわきでは1万戸弱が床上浸水の被害。まだまだボランティアの活動が必要。床下の泥出しなどの重作業ばかりでは無く、災害ゴミの分別、住宅内の掃除といった軽作業もあるので、ぜひご参加を。

 荒む世に生くる子の無事を祈りをり澄みわたる空に満天の星 (青森・安田渓子)

 s-コケの試し植え20191201
 こちらは砂地(土砂)に試植したコケ。雨が降るたびに生気を取り戻す。来年は100平米ほどに広げようかな。

 それではまた。気温が乱高下してます。ご自愛ください。

秋風に置く白露の飽かずのみ相見るものを月をし待たむ (大伴家持)

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月刊)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 山茶花はゆふべの雲にしろたへの花まぎれんとして咲きゐたり (佐藤佐太郎・75)

 s-サザンカ20191031
 今年の春に赤白各50本植えた山茶花(サザンカ)のうち、10月下旬、先ず八重の白花が咲き始めた。思っていたよりも花が大きい。
 「山茶花」は中国語でツバキ類一般を指す「山茶」に由来し、その名は本来の読みである「サンサカ」が訛ったものと言われる。もとは「さんざか」と言ったが、音位転換した現在の読みが定着した。(Wikipedia)

 秋の土しづかに菊を咲かしめよ天地(あめつち)澄むと思ふ朝なり (馬場あき子・85)

 s-キク20191107
 この写真から9枚目の柿まではご近所の畑で撮った。畑の一角で花々を育てている方が多い。

 菊畑に鋏の音のいつまでも鳴り夕靄は谷田(やつだ)を埋めぬ (大野誠夫・65)
 
 s-キク③20191107
 菊の写真が4葉続く。キク科の植物は被子植物のなかでは最も繁栄しているものの一つで、世界中に2万種以上が自生している。日本には350種ほどが自生し、帰化植物150種がある。漢字「菊」の下部は、手の中に米を丸めて握った様を表し、それに草冠を加えて多くの花を丸めて握ったような花(球状花序)を示す。(Wikipedia他)

 朽ちかけし垣根にすがる嵯峨菊のさび色重く冬の影帯ぶ (児玉喜子・04)
 
 s-キク②20191107
  
 10月11日以来のブログ更新となった。12日の台風19号、その後の大雨でいわき市内各所で被災。還太郎も数回ボランティア活動に参加。市内・県内はもちろん、大分、岡山、大阪、千葉、茨城から来てくださった皆さんと一緒に作業する機会があった。

 道の駅の駐車場で車中泊しながら長期で活動している方もおられるし、茨城県最南部の取手市から毎日往復しているという方もおられる。岡山から来たという青年は、「現在失業中で暇なんです。郡山に行こうかと思ったけど、いわきは人手不足が深刻とネットで知ったので来ました。何日か活動したら次は南相馬かなと思っています。」とのこと。
 
 ボランティアに参加された皆さんは、老若男女を問わずとにかく熱心に働く。うまい冗談を連発するおじさんは、「笑いながらやっていると疲れないんだよ」と。高齢独居の被災者は自分では何もできずに途方にくれていたと言い、作業が終了すると涙を流して何度もお礼を言われた。これが見捨てておかりょうか。 いずれは我が身。引き続き活動しようと思っている。

 逝く秋の夜長の独り菊の香に誘はれて舞ふひとりの舞を (佐佐木由幾・89)
  
 s-キク④20191107
 そんななか10/28から3日がかりで、何も作っていない畑3枚に銀杏15本、すもも2種17本、梅4種30本を植えた(正確に言うと、植えたのは植木屋の松吉さん、私は補助作業)。雑草退治ばかりではつまらないし、野菜は手間がかかるので果樹にした次第。

 強風に雲はらわれてふかぶかと立冬の空ひかりを蔵す (後藤美子・09)

 s-何かな②20191107
 調査中。因みに今年の立冬は11/8。

 根岸鍵屋に熱燗舐(ねぶ)りそののち男おみなや今日一の酉 (久々湊盈子・96)
 
 s-なにかな20191107
 クレオメ。南アメリカ原産の宿根草。蝶が飛んでいる姿を連想させることから、和名は「西洋風蝶草」。今年の「一の酉」は11/8。

 末法の世のその終りなどと言ひながら立冬の日の午後あたたかかりき (長沢美津・85)

 s-朝顔類20191107
 西洋朝顔のへブンリーブルーかな。

 水薬の表面張力ゆれやまず空に電線鳴る十一月 (穂村弘・90)
 
 s-朝顔類②20191107
 花芯にLEDライトが仕込まれているかのよう。

 そののちを撃たれたる熊が映りをり柿の木に実をもぎゐるところ (花山多佳子・06)

 s-大きな甘柿20191107
 柿。

 黄なる柚今年も多(さは)に実りしや亡き母の里いまもまぼろし (鈴木英夫・88)

 s-ユズ20191107
 ここからは@還太植物園。今年もユズがたわわに実った。

 つはぶきの丸葉の光沢(つや)よ人生はただ死体への道には非ず (高野公彦・03)

 s-ツワブキ②20191107
 石蕗(ツワブキ)。名前の由来は艶葉蕗(ツヤハブキ)、つまり「艶のある葉」から転じたという説がある。兵庫県の津和野の地名は「石蕗の野(ツワブキが多く生えるところ)」が由来となっているという。 (Wikipedia)

 ピロリ菌除去のための服薬で、10/31から7日間断酒。1週間も酒抜きなんて何十年振りだろう。スタート前は、初日の晩から挫折するのではと案じていたが、なんなく完遂できた。イライラすることもなく、眠れないということもなし。ウイスキーのハイボール1缶+夏は焼酎のロック、冬は同お湯割りを何杯かという生活を何年も続けているのにどうして❓ とにかく \(^o^)/。

 潮入りの川音(かはと)高きに生い立ちて石蕗(つは)の花咲くひとり濡れつつ (中嶋みさと・00)  

 s-ツワブキ20191031

 旧居のあとさまよふわれの外套にとどまれよ山茶花のはなのひと片(ひら) (木俣修・64) 
 
 s-サザンカ②20191107
 サザンカ再登場。蕾の外側は赤いが、開くと白花。

 紅療治(べにりょうじ)の看板古りてこのあたり早や山茶花の散りそむるころ (吉田正俊・75)

 *「紅療治」=大正期に流行した民間療法。中国渡来の古法と称して、紅花の絞り汁を錫の容器に蓄えて飲用し、もしくは頭部その他の患部へすこんで治療した。(知恵袋)

 s-サザンカ③20191107
 100本のサザンカが咲き揃ったら、さぞかし美しかろうと期待している。

 今回のブログは昨日(11/7)から作成しているのだが、今日もボランティアに行ったら、4人のグループで活動ということになった。自己紹介しあってビックリ。北海道(稚内)、愛媛県、大分県、そして私が福島県。北海道、本州、四国、九州が勢揃い。事務局が出身地を確認してグループを作っているわけではない。全くの偶然。皆さん、ネットなどでいわき市がボランティア不足と知って来てくださったとのこと。感謝、感謝。 

十月 之具礼能常可 吾世古河 屋戸乃黄葉 可落所見 (大伴家持)

 十月(かむなづき) 時雨の常か 我が背子が 宿の黄葉(もみちば) 散りぬべく見ゆ (大伴家持)

 今年のタイトルは万葉集から。「十月の時雨の常なのでしょう。あなたのお宅の黄葉が散りそうですね」の意。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月刊)第3巻『自然詠』から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 われよりも肌あたたかき鳥類をねむらせて夜の森を吹く風 (荻本清子・66) 

 s-イヌガラシ20191009
 今回の写真は、10/9の朝の農道散歩で撮ったもの。犬芥子(イヌガラシ)。芥子菜(カラシナ)に似ているが食べられないので、イヌガラシ。役に立たない雑草には「犬・・・」という名が付けられているものが40種ほどある。愛犬家、激怒もの。

 撃たれたる小鳥かへりてくるための草地ありわが頭蓋のなかに (寺山修司・71)

 s-エノコログサ20191009
 エノコログサ。花穂が犬の尾に似ていることから、犬っころ草が転じてエノコログサという呼称になった由。(植物名の由来は殆どWikipediaによる。)

 赤き実を残らず食(は)みて小鳥らの楽しく山に帰り行きしや (高安国世・84)
 
 s-カントウヨメナ20191009 (1)
 関東嫁菜(カントウヨメナ)。優しげな花を咲かせるため「嫁」の名がつく由。ただ「夜目菜」という説もある。関東嫁菜があるなら、関西嫁菜があるのかと問われれば、それはない。ただ、中部・東海以西~四国・九州に咲く「ヨメナ」はある。カントウヨメナは「葉は比較的薄く光沢なし」、ヨメナは「葉が厚ぼったくて光沢がある」由。

 とりつく樹定めし鳥が空中に羽根の力を抜くかたち見ゆ (花山多佳子・85)

 s-キクイモ20191009
 菊芋(キクイモ)。菊に似た花をつけ、地中に塊茎(芋状の塊)を作る。

 いにしへは鳥なりし空 胸あをく昼月つひに孵(かへ)らぬを抱く (水原紫苑・89)

 s-サクラタデ20191009
 桜蓼(サクラタデ)。

 病むひとの逝きてうつそ身くるうまで音に鳴く禽を胸に棲ましむ (濱田陽子・91)

 s-セイタカアワダチソウ20191009
 背高泡立草(セイタカアワダチソウ)。ブタクサと混同され、花粉症の原因だと言われるが濡れ衣。

 夕空を一羽截(き)りゆく鳥つぶてくきやかにみどりの稜線はあり (武川忠一・92)

 s-チカラシバ20191009
 力芝(チカラシバ)。非常しっかりした草で、引き抜くにも刈り取るにもやっかい。ひきちぎるのに力がいることから「力芝」。

 水銀灯ひとつひとつに一羽ずつ鳥が眠っている夜明け前 (穂村弘・92)

 s-ノボロギク20191009
 野襤褸菊(ノボロギク)。野に生えるボロギクの意。見たまま。

 鳥栖(す)まぬ巣箱の夜明け鳥栖まぬ巣箱の日ぐれ冬至のひと日 (柏崎驍二・94)

 s-ハキダメギク20191009
 掃溜菊(ハキダメギク)。牧野富太郎が世田谷の掃き溜めで発見したので、この名がついた。

 鳥の目はまどかなれどもものいはずくいくいと見て見ぬふりをする (今野寿美・95)

 s-ハハコグサ20191009
 母子草(ハハコグサ)。春の七草のひとつである「御形」(ごぎょう)がこれ。花期は4~6月であるが、冬の水田にもよく出現する。新芽がやや這うことから「這う子」から訛ったのではという説もある。

 しののめの薄くれなゐにほのぼのと鳥が鳥呼ぶこゑ柔らかし (武下奈々子・95)

 s-ヒメジョオン20191009
 姫女菀(ヒメジョオン)。「姫」は「小さい」、「女菀」は「中国産の野草」を示す。

 暮れあしを早める鳥の影は増しいちもくさんの森のふところ (村山美恵子・98)

 s-ミゾソバ20191009
 溝蕎麦(ミゾソバ)。溝や用水路、小川などの縁に生えていて、その見た目が蕎麦に似ているから。

 ゆふぐれの鳥さけびつつ生きてゆく途上の孤独まぎれもあらず (柴英美子・02)

 s-ミゾソバ②20191009
 同。

 私を見ながらたつぷり歌ふ四十雀ありがたう奥さんによろしく (石川不二子・08)

 s-葭の穂20191009
 葭の穂。

 前々回のブログ(9/26号)で、芙蓉の花に付いている虫の一つを「カメムシかな? 調査中」とした。その後、ネットや下の2冊で調べるも不明。かくなる上は『日本原色カメムシ図鑑』(全3巻)を買うしかないかと思ったが、Amazonで見ると全巻で3万円以上・・・。断念。市内で一番大きい「いわき総合図書館」に問い合わせると蔵書しているとのことで、片道25kmのドライブ。3巻を2回眺めたが、見当たらない。「もしかして新種 ? 」 (*_*; ・・・。そんなわけないか。引き続き調査。

 s-くらべてわかる甲虫  s-カメムシ博士入門

 台風19号でどんなことになるのか、最近の天候は凶暴化しているので、今日(10/11)の上京の予定はキャンセル。

 皆さまも、くれぐれもご注意願います。 
 

十月 鍾礼乃雨丹 沾乍哉 君之行疑 宿可借疑 (作者不明)

 十月(かむなづき) しぐれの雨に 濡れつつか 君が行くらむ 宿か借(か)るるらむ

 今年のタイトルは万葉集。「十月のしぐれの雨に濡れながらあなたは旅をしているのでしょうか。宿を借りているのでしょうか」の意。

 今回の短歌は、『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月刊)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で、作品の発表年を示す。

 草むらに落ちゆく秋の夜の月はこおろぎの顔にしばしば照りにき (小西久二郎・56)

 s-マツムシソウ20190927
 松虫草(マツムシソウ)。名前は、マツムシ(スズムシ)が鳴く頃に咲くからという説がある。
 
 なお、今回の写真は全て9月下旬、箱根の山道で撮ったもの。芦ノ湖から箱根湯本まで、水平移動距離14km。後半はバテバテ・・・。下り坂がきつかった。

 石垣に沿ひてゆくときこほろぎのかすかなる声石より聞こゆ (下村とし・76)

 s-ヒヨドリバナ2019027
 鵯花(ヒヨドリバナ)。こちらはヒヨドリが鳴く頃に咲くからとされる。

 つねに何処かに火の匂ひするこの星に水打つごときこほろぎの声 (斎藤史・03) 

 s-イタドリ20190927
 虎杖(イタドリ)。中国では、若い茎の紅紫斑を虎の皮の模様にたとえ、虎杖という。世界の侵略的外来種ワースト100選定種。

 夜の底を流るる刻(とき)の河ありてこの夜鈴虫の声澄みわたる (大下一真・96)

 s-ミゾソバ20190927
 溝蕎麦(ミゾソバ)。農業用水路脇などに自生しており、花の見た目が蕎麦に似ているから。還太郎の朝の農道散歩で、いま最も目立っている花。

 夜の籠にまなこ凝らせば一心に薄翅(うすば)ひろげて鳴けり鈴虫 (来嶋靖生・03)

 s-アケボノソウ20190927
 曙草(アケボノソウ)。花名は花冠の斑点を夜明けの星空に見立てたことに由来する。老眼鏡を掛けないとただの小さい白い花だが、掛けて見てびっくり。

 ひぐらしの昇りつめたる声とだえあれはとだえし声のまぼろし (平井弘・76)

 s-ホトトギス20190927
 杜鵑(ホトトギス)。鳥類の杜鵑が「霊鳥」とされていたことに因んで、花のホトトギスもまた格調高い花として茶花や生け花に古くから用いられてきたとのこと。

 ひとの世に混り来てなほうつくしき無紋の蝶が路地に入りゆく (安永蕗子・77)

 s-ツリガネニンジン20190927
 釣鐘人参(ツリガネンジン)。キキョウ科ツリガネニンジン属。花名はその形から。

 今回から植物名を漢字表記とした。名前の由来が分かる場合が多いから。読者の皆様へのサービスではなく、なかなか植物名を覚えない還太郎対策。

 伯母(母の姉)が93歳で逝去。10/1、2は納棺式、火葬、通夜、葬儀、納骨式。91歳の母も全てに参列したので、相当疲れた筈。そして、10/3は末の妹のところ(車で35kmほど)へ出掛けたが、同行した母は到着後すぐに草むしり開始。約2時間も。91歳、恐るべし。
 
 皆さま、ご健勝にお過ごし願います。

虚蝉之 代者無常跡 知物乎 秋風寒 思努妣都流可聞(大伴家持)

 うつせみの世は常なしとしるものを秋風寒(さむ)み偲(おも)ひつるかも

 今年のタイトルは『万葉集』から。 「この世ははかないものだと知ってはいますが、秋風が寒く、(妻のことを)思い出します」の意。この歌は天平11年(西暦739年)の作。ひと月前に奥様を亡くしている。 

 今回の写真は全て還太植物園。(これから出かけるので短歌はお休み。)

 s-ヒガンバナ20190924
 ヒガンバナ。

 s-トキワハゼ20190924
 トキワハゼ。

 s-トキワハゼ群落20190924
 同群落。

 s-スミレ20190924
 スミレ。もう花期の終盤かな。

 s-アオシソ20190924
 青シソ。
 
 s-フヨウ②20190924
 フヨウ。

 s-フヨウ20190924
 フヨウ。フヨウの花には来客が多い。 

 s-コフキコガネムシかな20190924
 コフキコガネムシかな。 コアオハナムグリかな。(9/30訂正)

 s-コハナグモ20190924
 コハナグモ。もしかして「人面蜘蛛」 ?

 s-カメムシ20190924
 カメムシだと思うが、調査中。 植木屋の松吉さんとS先輩から、「クロウリハムシ」とご教示あり。
 
 s-ケムシ20190924
 こんな来客も。種名は調査中。(ケムシ・イモムシ図鑑を発注済み)
 『イモムシとケムシ・チョウ・ガの幼虫図鑑』(小学館・2019年5月第2刷発行)で調べたが、フタトガリアオイガかな。生息地は関東以西となっている。ただ、食草の葉の表で見られること、フヨウやオクラなどを好むこと、そして体の模様などから推定した。
 
 この図鑑は約1,100種を掲載。75分のDVDも付いている。(9/28、追記)

 s-img050 (2)

 s-イチモンジセセリ20190924
 イチモンジセセリ。

 s-ベニシジミチョウかな20190924
 こちらはマルバハッカへの来客。ベニシジミチョウ。

 s-ベニシジミチョウ②20190924
 同蝶の側面。

 s-ナツメ20190924
 ナツメ。数十個も実をつけたのでナツメ酒を作ろうかなと。

 s-スダチ20190924
 スダチ。植木屋の松吉さんが「還太郎さんの焼酎用に」と2本植えてくれた。

 s-ザクロ20190924
 ザクロ。今年実がついたのは1個だけ。

 s-エゴの実20190924
 エゴ。実は有毒。但し、小鳥たちには人気の実で、特にヤマガラ、シジュウカラなどの大好物とのこと。

 家の前の畑の「雑木林化」を始めて約半年。段々と雰囲気が良くなってきた。先行きが楽しみ。

 気温の変動が激しいですね。皆さま、ご自愛願います。

 

庭草尓 村雨落而 蟋蟀之 鳴音聞者 秋付尓家里 (作者不明)

 庭草に村雨降りてこほろぎの鳴く声聞けば秋づきにけり

 今年のタイトルは万葉集から。「庭の草に村雨が降って、こほろぎの鳴く声を聞くと、秋の訪れを感じます」の意。
 
 今回の短歌は、『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月刊)の第3巻「自然詠」の中の「故郷」から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で、発表年を示す。

 ふるさとのつがの根本にたまりたる落葉の下に帰ろうべしや (山崎方代・55)

 s-紫の花②20190923
 今朝も朝露しとどの農道散歩。キツネノマゴ。

 古国に築地崩れてのこれるをわれはひそけきをとめにてゆく (清原令子・57)

 s-紫の花20190923
 ヨメナ・・・、 カントウヨメナ。以下、朱字はS先輩からのご教示。

 帰りきてこころにぞ沁む『ふるさとは遠きにありておもふもの』とか (筏井嘉一・65)

 s-黄色の花②20190923
 季節外れの花をつけているけどナズナに見える。 イヌガラシ。

 石臼のずれてかさなりゐし不安よみがへりつつ遠きふるさと (大西民子・66)

 s-黄色の花20190923
 同上。

 故里に憑かれしわれと人嗤(わら)へ郷土は恋し亡き親のごと (窪田空穂・67)

 s-ヤブマメ20190923
 ヤブマメ。

 ものみなの青きふるさと老いてなほ親いまゆゑかなしふるさと (岡野弘彦・72)

 s-ヤブツルアズキかな20190223
 ヤブツルアズキ。 

 ふるさとの檜山の闇の匂ふ夜ぞ身の疼くほど恋ほしきちちはは (岡野弘彦・78)

 s-なにかな20190923
 調査中。 ヒナタイノコズチ。

 ここに 生命果ててもいいと思う 故郷の海の青さだ。 (井伊文子・80)

 s-チカラシバ20190923
 チカラシバ。

 ふるさとの信濃を遠み秋草の竜胆の花は摘むによしなし (若山喜志子・81) 

 s-センニンソウ20190923
 センニンソウ。

 あしひきの山又山のふるさとの問答無用の秋の日没 (狩野一男・87)
 
 s-ケツユクサの後ろ姿20190923
 ケツユクサの後ろ姿。

 柿の木の向こうの山は澄みに澄み故郷信濃の空につながる (堀江玲子・87)
 
 s-キク科②20190923
 ヒメジョオン。

 来し方を思ひて独り故郷の人住まぬ家に囲炉裏火を焚く (北原由夫・90)

 s-キク科20190923
 調査中。 ヒメムカシヨモギ。

 生まれきてひめかたつむり角にふる露のひかりのあをき故郷 (小池光・95)

 s-キクイモ20190923
 キクイモ。

 生地こそ聖地なるとの講演に古里遠き潮鳴り聞こゆ (高尾由己・96)

 s-イネ科②20190923
 セイバンモロコシかな

 席ゆづらんと青年が立ちて微笑せりわれは故郷に畑打つ母か (山本かね子)

 s-イヌタデ20190923
 ハナタデかな。 サクラタデ。

 (しゅ)は土に落ちて育ちしそのところ杳(とほ)き記憶を故郷という (岡部桂一郎・02)

 s-アレチウリ20190923
 アレチウリ。

 s-img001 (3)

 吉川英治の『忘れ残りの記』を読んだ。裏表紙の惹句は次の通り。

 厳父の家業失敗により、著者は11歳で実社会に抛り出された。以来、印章店の小僧、印刷工、給仕、小間物の行商、港の船具工など幾多の職業を経験し、浮世の辛酸をなめ尽す。幼いながら一家の大黒柱としての自覚、また逆境に芽生える思慕の情、隆盛期の横浜が著者に投げかけた強い色彩----その波乱に富んだ少年期を回想した四半自叙伝であり、吉川文学の原点でもある。

 この本は『吉川英治歴史時代文庫』(講談社刊・全80巻・補巻5、計85巻)の中の一冊。
 
 朝晩はめっきり涼しくなりました。夏の疲れが出る頃です。皆さま、ご自愛願います。 

秋野尓 開流秋芽子 秋風尓 靡流上尓 秋露置有  (大伴家持)

 秋の野に 咲ける秋萩秋風に 靡(なび)ける上に 秋の露置けり
 
 今年のタイトルは万葉集。「秋の野に咲いている秋萩が、秋の風になびいている上に、秋の露がのっています」の意。天平15年(西暦743年)の作品。

 今回の短歌は、『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月刊)から。作者名の後の数字は西暦下2桁で発表年を示す。

 ひそひそと海が囁くむかしむかしお前を産んだ記憶があるよ (井川京子・92)

 s-アクアマリンふくしま20190907
 9/7、東京から3名のお客さんが還太植物園・還太池を来訪。80代、70代、50代の皆さん。「畑の雑草取りをしたい」とのことだったが、熱中症の恐れがあるので、いわき小名浜の水族館「アクアマリンふくしま」へご案内。

 潮満ちて海がおしかへすやはらきちから河口にあふるるゆうべ (小見山輝・79)

 s-アクアマリンふくしま②20190907

 海埋める泥の堆積きらきらと水のたまりに風紋はたつ (武川忠一・71)

 s-アクアマリンふくしま③2019907

 ここからは9/15朝の農道散歩で撮ったもの。夜来の雨が上がり、花々が朝日を浴びてきらきらと輝く。

 うつくしく咲き散る花よ大方はその実を結ぶためにはあらず (窪田空穂・64)
 
 s-五重塔20190915
 ちょっとダンギク(段菊)に似ているけど、葉が菊らしくない・・・。もしかしてだけど、ハッカかな・・・。

 ゆらぎつつ咲ききはまりし白妙か花のいのちは短かりとも (吉田正俊・70)

 s-白い花20190915
 ガウラ。ヤマモモソウ、ハクチョウソウとも。農道に面したお宅の庭から顔をのぞかせていた。

 わが知らぬ死後の世界もかくのごと微風のまにまに花匂ひ来る (大野誠夫・65) 

 s-五弁の花2010915

 s-何かな20190918
 色々と調べているのだが。この花の名が分からない。扇状に5弁の花びらが開いている。花径は約2cm。今朝また農道に行き、手帳を後ろに立てて、茎も含めて撮ってみた。どうやらミゾカクシらしい。

 草叢にあまたの光ちりばめてしづかに雨は朝を離れつ (横山未来子・03)  
 
 s-白い花の群落20190915
 シロバナサクラタデ。 以下朱字はS先輩からのご教示。

 すぎゆきのかなしきことは言はねども壺に描かれてなびく秋草 (轟太市・75) 

 s-花にピントはあってないけど20190915
 アメリカアゼナ。

 一涯(ひとつはて)なる感じ、草むらのひとつところに陽は差してゐて (宮柊二・75)

 s-黄色の花20190915
 コセンダングサ? 

 先の世ものちの世もなき身ひとつのとどまるときに花ありにけり (上田三四二・82)

 s-ピンクの花②20190915
 イヌゴマかな。図鑑の写真と比較すると、花のトゲトゲが目立つのだけど、夜来の雨のなごりで繊毛に水分がついていからかな・・・。

 韻律のそよぎとどめし草の上ほろびはじめし光に対(むか) (志垣澄幸・83)

 s-ピンクの花20190915
 ハナトラノオ。

 散り敷けるひとひら吹かれ花弁の万の片々流れ移ろふ (千代國一・87)

 s-ピンアマ20190915
 タカサブロウ。 かアメリカタカサブロウかな?

 歩みゆくひと足ごとに盛りかえす草の勢い原に漲る (井口世津子・94)

 s-なにかな②20190915
 ヒナタノイノコズチ。
 
 あるこおるらんぷのやうなさびしさを点して咲けり露草の花 (影山一男・06)

 s-ツユクサ20190915
 ツユクサ。

きんゑのころ・ねずみの尾・露草・蓼・十役、そのほかあまたわが庭の草 (石川不二子・00)

 s-なにかな20190915
 ハゼランの花後かな。 チゴザサ。

曳かれつつ横切りてゆく花びらの白ひかりたり蟻の穴まで (小宮山久子・01)

 s-きく20190915
 カントウヨメナ。

 日本人は日本の花をみな好む木花草花花ならぬ花 (窪田空穂・68) 
 
s-ガマ20190915
 写真でははっきりと見えないが、雌花(穂)の上に緑色の部分があるので、ヒメガマかな。

 茫々と背後に草の揺るるのみかかる景いつ懐古にあらん (秋葉静枝・03)

 s-カタツムリ20190915
 ツユクサの葉の上に、小さなカタツムリ。オカモノアラガイ。

 降ちゆくかたちは見せずひと夜さに花は はらりさん 一切合財 (山埜井喜美枝・03)

 s-あさつゆまみれ20190915
 カントウヨメナ。

 今日(9/16)は一日雨の予報。それではブログを仕上げてしまおうと朝から作業をしているのだが・・・。昨日の散歩でたくさんの草花を撮れたものの、名前がなかなか特定できない。もうお昼。取り敢えずUPして、花名の調査は継続することにした。

 皆さまのご健勝を祈念しています。
 

夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものを (大伴坂上郎女)

 夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものを

 今年のタイトルは万葉集。夏の野の草が茂っているなかに咲く姫百合のように、思う人に知られることなく恋焦がれているのは辛いものです、の意。作者は大伴旅人の異母妹であり、大伴家持の叔母・姑でもある。恋多き万葉女流歌人。

 今回の短歌も『現代短歌集成』 (角川学芸出版・2009.11.30刊)から。やはり8月は鎮魂の月。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 餓ゑ逝くは多くをさな児草木を喰ひつくしたる砂漠まなかに (永平緑・93)

 s-ビオトープ化してきた還太池20190822
 @還太池。池の水の浄化が進み、池底の小石まで見えるようになった。黄色のスイレンから右方向に視線を動かしていただくと、池底を泳ぐ3匹の稚鯉が見える。スイレンを8株追加したので、来年の夏は水面は殆ど緑の葉に覆われるのでは。

 敗戦の前後のわが飢餓まざまざと難民キャンプの給食の列 (古玉従子・97)

 s-スイレン20190817

 飢ゑに死にし兵の瞳にたちまちに蟻は這ひゆくを我は見てをり (大木平・00)
 
 s-スイレン20190822

 戦はず飢ゑに逝きたる叔父なるかレイテ戦記読みつつおもふ (前田充・07)
 
 s-サルスベリ20190822
 池のほとりのサルスベリ。
 
 沖縄戦かく戦えりと世の人の知るまで真白なる丘に木よ生えるな草よ繁るな (仲宗根政善・88)

 s-田人路にて20190829
 ここから8枚(オニユリまで)は田人路の林道で撮影。 シラヤマギク。 以下、朱字はS先輩からのご教示。

 後の世に打電されたる電文か沖縄県民斯戦えり (大平勇次・04) 

 s-紫の花20190829
 ツリフネソウ。

 草も木も人も絶ゆると怖れたる声々の果〈核〉ふえゆけり (苔口萬壽子・83)

 s-白い花20190829
 イワシャジンかな? 図鑑には中部地方、関東地方西北部に咲くとあるので、違うかな。 ツリガネニンジン(以下、青字ははっぴーさんからのご教示)。

 硫気吹く島のいくさに手も足も焼けうせてなほ子は生きてゐよ (岡野弘彦・78)

 s-黄色の花②20190829
 キンミズヒキ。

 戦いに沈みし船の幾千の死者らが夜の船底たたく (井口世津子・94)

 s-黄色の花20190829
 キツネノボタンかな。

 ふるさとの戦の惨を呑みほして喜屋武の海面の青き鎮もり (與那覇久美子・04)

 s-ホトケノザ20190829
 ホトケノザ。 クルマバナ。

 妻枕(ま)かず戦の野に曝(さらさ)れゆきし兄よふるさとの野の花を見よ (青木ゆかり・06)

 s-ゲンノショウコ20190829
 ゲンノショウコ。

 はるかなる記憶といえどあざやかに戦を知ればわれは譲らず (影山美智子・07) 

 s-オニユリ20190829
 コオニユリ。

 ものしづかに暮れてゆく春ふたたびをいくさはあるな地平は緑 (伝田幸子・08)

 s-ミント20190829
 以下2枚は@還太植物園。カーリーミントかな。 マルバハッカ。

 唐黍の焼くる匂ひに顕つ亡母(はは)も戦も遠き記憶となれり (神辺園子・01)

 s-タカサゴユリ20190829
 タカサゴユリ。

 戦争は始まってしまえばもう止め様がなくなるというのは歴史の示す通り、始まってしまえば阿鼻叫喚の地獄。歴史に学びたい。

 7月は連日の雨、月末の台風が去ったら、8月は猛暑。夕方になると雷は鳴るのだが結局雨は降らない。それがこのところ夕方になるとスコール級の雨。ここはハワイか? まあ、着実に涼しくなっていることは間違いない。

 『あふれでたのは やさしさだった・奈良少年刑務所・絵本と詩の教室』(寮美千子・西日本出版社)をお勧めします。

前書きを転載する。

 刑務所に入るような人は、がさつで凶暴な人だろう。
 何を考えているかわからない恐ろしい人に違いない。
 漠然とそう思っていた。
 ところが奈良少年刑務所で出会った少年たちは、まったく違っていた。
 想像を絶する貧困の中で育ったり、親から激しい虐待を受けたり、
 学校でいじめられたり・・・・・・。みんな、福祉や支援の網の目からこぼれつづけ、
 加害者になる前に被害者であったような子たちだった。
 それぞれが、自分を守ろうとして、自分なりの鎧を身につけている。
 いつも無意味に笑っている、わざとふんぞりかえる、
 殻に閉じこもる、くだらない冗談を連発する、妙に姿勢がいい・・・・・・。
 千差万別のその鎧は、たいがい出来がよくなくて、
 自分を守るよりも、自身をさらなる窮地に追い込んでしまう悲しい代物だった。
 それも仕方ない。周囲に助けてくれるおとなもいないなか、
 幼い彼らが必死で考案し、身につけてきたものなのだから。
 そんな彼らは、心の扉を固く閉ざしていた。自分自身の感情もわからないほどに。
 けれども、その鎧を脱ぎ捨て、心の扉を開けたとたん、
 あふれでてきたのは、やさしさだった。
 重い罪を犯した人間でも、心の底に眠っているのはやさしさなんだ。
 ほんとうはだれでもが、愛されたいし、愛したい。人間って、いい生きものなんだ。
 彼らに出会って、わたしはそう確信するようになった。
 心の扉を開いた鍵は「詩」。そして受けとめてくれる「仲間」の存在。
 「自己表現」+「受けとめ」は、傷ついた彼らの心を確実に癒していった。 
 2007年から足掛け十年、「社会性涵養プログラム」の一環として、
 奈良少年刑務所で行ってきた「物語の教室」の軌跡を記した。
 奇跡だと思ったけれど、違った。百八十六名、一人として変わらない子はいなかった。
 彼らの本当の姿を、この記録を通じて、知っていただければ、幸いです。
  

 皆さま、夏の暑さの疲れが出る頃です。ご自愛専一に願います。

大海尓 荒莫吹 四長鳥 居名之湖尓 舟泊左右手 (作者不明)

大海に あらしな吹きそ しなが鳥 猪名(ゐな)の港に 舟泊(ふねは)つるまで

 今年のタイトルは万葉集。意味は、大海に嵐よ吹かないで、猪名の港に舟が着くまでは。「しなが鳥」は「猪名」の「ゐ」を導く枕詞とのこと。「猪名の港」は兵庫県の猪名川のどこかとかと推定されているらしい。

 今回の短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009.11.30)刊から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で、発表年を示す。

 八月は千万の死のたましずめ夾竹桃重し満開の花 (山田あき・77)
 
 s-スイレン20190806
 @還太池。スイレンが次々と咲く。交差する黄色の糸は、コイやキンギョを狙うシラサギ対策。

 騒然と明るき街や八月を負の月とする意志の混濁 (野村久雄・08)

 s-スイレン②20190807

 夏空のむなしき青さよみがえる原爆忌または八月十五日 (葛原繁・80)

 s-スイレン③20190807

 原爆忌穏やかに過ぎ列島に鮮血のごとく湧く百日紅 (富小路禎子・93)

 s-スイレン④20190807
 池のアオコ大発生の原因は日当たりが良すぎることらしいので、8/15、更に8株追加してもっと水面を覆うことにした。

 原爆忌ふた持つ国、椒(はじかみ)の口ひびくがに蝉鳴きしきる (杜澤光一郎・08)

 s-フヨウ20190809
 フヨウ。
 
 亡びたる夏の記憶に灯のともる燈籠の群(むれ)水の上ゆく (大野誠夫・65)

 s-アカウミガメ20190810
 こちらはKennyさん(高校の同級生)からのメールに添付されていたウミガメの写真。撮影場所はいわき市の薄磯海岸。8/10、お孫さんとの散歩中に見つけた、翌日には姿を消したとのこと。アカウミガメのようだ。いわき市はアカウミガメの産卵地の北限と言われている。2007年には宮城県山元町でも確認されたが、その後観測されていない由。8月はまだ産卵の時期。無事に産卵して海に戻ったのかな。

 つゆの世はつゆの世ながら存(ながら)へて万灯流すこの濁り川 (蒔田さくら子・86)

 s-アカウミガメ②20190810
 10月19日の夜、いわき市の新舞子海岸では、アカウミガメの赤ちゃん70匹が海に放たれた。同年8月、新舞子海岸で産卵の跡があることに地元の人が気づいた。連絡を受けた同市の海洋科学館「アクアマリンふくしま」の職員が、アカウミガメの卵を確認。津波の影響もあって砂浜の浸食が激しいため、「満潮時に水没す恐れがある」と、同館が卵を取り出し保護していた。(朝日新聞、2012.10.20から抜粋)

 今回はここまで。皆さま、残暑お見舞い申し上げます。 
 

天(あめ)の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ (柿本人麻呂)

 (あめ)の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ (柿本人麻呂)

 今年のタイトルは万葉集。天を海に、雲をその海に立つ波にたとえ、月の船がそこを滑るように進み、やがて輝く星の中に隠れていくさまを詠んだ歌。「月の船」とは三日月のことらしい。

 今回の短歌は、『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月刊)から。作者名の後の数字は西暦の末尾2桁で、発表年を示す。

 百段(ももきだ)の田をつぎつぎにひたしゆく水の下降に涙湧きくる (前登志夫・64)

 s-メダカは浅瀬が好き20190722
 @還太池。メダカは浅いところが好き。木箱に池底の土砂を入れて水生植物を植えた。池底がデコボコなので箱が傾いており、メダカも入り込む。
 
 青田中真日照るのみの道を来て白き蝶に遭ひ黄の蝶に逢ふ (田谷鋭・73)

 s-アオコ対策20190716
 池の工事のため周りの木をすべて切らざるを得なかった。日当たりが良すぎる池ではアオコが大発生。池の水は緑の絵の具を大量に解かしたような状態に。この木箱の中には収納ケースが2段重ねてあり、軽石、砂利、砂、炭、濾過マット、濾過材などが入っていて、アオコや土砂が回収された水は、収納ケースの底にあけた数十個の穴から池に流れ込む。
 今日現在、この濾過装置は順調に稼働しているが、水の吸い上げ量(小型水中ポンプ使用)と濾過装置からの排水量のバランスをとるのが難しく、30回近くの改良を重ねた。今は母屋から水中ポンプへ電気を供給しているが、近いうちに太陽光発電をするつもり。

 眼窩数多もてるおどろの実を結び月夜風の夜蓮田(はちすだ)冷ゆる (富小路禎子・93)

 s-泰山木②20190722
 @還太植物園。泰山木はまだ幼木なのに、ソフトボール大の見事な花を咲かせてくれた。

 青さざ波湧きつぐ稻田に對ひゐて確かにわれは農民の裔 (太田青丘・96)

 s-いい感じの野原風に②20190722
 感じのいい野原になってきた。

 山峡の棚田は四角も眉形もありて夕ぐれを黒く光れる (大塚洋子・00)

 s-いい感じの野原風に20190722

 さやさやの青田のなかに杭ひとつ鴉の去ればまた杭ひとつ (砂田暁子・00)

 s-田人路20190728
 7/27~28、東京・渋谷在住の友人(実家はいわき)が遊びにきてくれた。27日はビッキさんの山荘で22時まで酒盛り。翌28日はいつもの田人路を徘徊。ブナやコナラ、モミジ等々の林は涼しくて快適。

 青き海ひろき砂丘の内灘をわがものとして幾たびの夏 (芦田高子・54)

s-オカトラノオ20190728
 オカトラノオかな。

 やがて海へ出る夏の川のあかるくてわれは映されながら沿いゆく (寺山修司・58)

 s-ダイコンソウかな20190728
 ダイコンソウかな。

 記憶には星のごとくに咲きてゐし山百合もかの夏ほどは咲きゐず (吉野昌夫・75)

 s-ヤマユリ20190730
 ここからは7/30の写真。あまりに暑いので野良仕事を中断し、田人路をドライブ。道路沿いの雑草は刈り込まれているのだが、ヤマユリは残されており、そこここに見られる。

 百合の蕊かすかにふるふこのあしたわれを悲しみたまふ神あり (雨宮雅子・80)

 s-ヤマユリ②20190730

 合歓ゆれて涼しき夕べ聖ドミニコ修道院の窓少し開く (柏崎驍二・83)

 s-ネム20190730
 ネム。

 野のみちのほたるぶくろに蛍火のともると思う長き夕映え (武川忠一・81)
 
 s-ホタルブクロかな2019730
 ヤマホタルブクロかな。 ホタルブクロ。(S先輩からのご教示。)

 青蚊帳に寝(いね)し夜思へばそのかみの夏はさまざまな匂ひしており (花山多佳子・98)

 s-アカハラの幼鳥かな20190730
 @還太植物園。アカハラの幼鳥かな。

 茄子の棘オクラの棘にくらくらと目眩おぼえしまま夏を越ゆ (足立昭子・02)

 s-アカハラの幼鳥かな②20190730

 ただいま8/3 の13時過ぎ。「NHKニュース防災」アプリから「熱中症・厳重注意」とか「熱中症・危険・運動禁止」が伝えられてくる。ベランダで温度を測ったら(直射日光下に温度計を5分ほど置いた)、38.5℃ (◎_◎;) 。八ヶ岳のishichanさんにメールしたら、同所は25℃ほどとのこと。あ~あ、八ヶ岳に行きたいよーーー。

 皆さま、ご自愛専一に願います。

天漢 霧立渡 且今日々々々 吾待君之 船出為等霜 (藤原房前)

 天の川、霧立ちわたる、今日今日と、我が待つ君し、船出すらしも 
 
 今年のタイトルは万葉集。天の川に霧が立ち込めています。今日か今日かと、私が待っていたあなたが、船出をされたでしょう、の意。彦星は、天の川を船で渡って来るらしい。

 今回の短歌は、『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月30日刊)から。雨の歌を選んでみた。作者名のあとの数字は、発表された年を西暦の末尾で示す。

 いつまでも明けておく窓に雨匂ふもしや帰るかと思ふも寂し (大西民子・56)

 s-赤いスイレン20190713
 @還太池。スイレンの花は、朝開き、夕には閉じてしまうが、それも3、4日の命。たまたま13日から16日にかけて3つ同時期に開花した。

 あれは確かに降り出でし雨のしぶきにて草は濡れわれも濡れなほ眠りゐし (小野茂樹・68)

 s-白いスイレン20190716

 感情の起伏の如く来ては去る雨といいえども暖かき雨 (高安国世・72)

 s-黄色のスイレン20190716

 雨の水光となりてくだる坂ありこころ響(な)りつつ仰ぐ (山本かね子・81)

 s-メダカ20190716
 スイレンの葉の周りを泳ぐ小さな魚は、メダカの稚魚。

 雨はれて山の中腹にいる雲のしろじろとして湖に影ひく (高安国世・81)

 s-鯉20190714
 餌を投げ入れてもなかなか反応しなかったコイの稚魚も、最近は爆食。 

 雨の日の雨の色など書きよこす短き手紙にこころ揺れおり (大塚陽子・82)

 s-黄色の花20190713

 昼冷えて雨通りゆく図書館に這ふ蔦の葉はあまねく青し (篠弘・84)

 s-白い植物②20190716
 シロバナサクラタデ。以下、朱字は先輩からのご教示。
 
 雨ながらかすかに虹の浮く空と知りて歩みのあかるむ如し (大西民子・86)

 s-白い植物20190713
 シロサギガヤ。

 花にふるあかつきがたの細き雨ともしびは届くその花のへに (吉田正俊・95)

 s-アジサイ20190716
 これ以下は@還太植物園。 アジサイ。

 雨のむかうに透けて見えゐるその町は何とさびしく雨が降りゐる (河野裕子・00)

 s-オレンジの花20190716
 マリーゴールド。

 木末(こぬれ)よりしたたるみどり一滴に世界をすべて閉ぢこめて雨 (寺井淳・01)

 s-赤い花2010716
 ハマナデシコ。

 花ふたつ全くひらき暁の雨をたたへし浄きしづまり (小暮政次・03)

 s-ヤマボウシ20190716
 ヤマボウシ。

 帰らざる時の彼方を漆黒の雨はたばしり居るのであろう (福島泰樹・04)

 s-ザクロ20190716
 ザクロ。

 7/19、農業簿記3級の合格通知が来た\(^o^)/。 25問中22問正解。今回の合格率は約60%とのこと。

 今回のテストで最も心配したのは、自分の電卓計算力。過去の出題を見ると、決算のための「精算表」には7~8桁の数字が40行ほども並んでいる。それに期末決算用の修正処理をするのだが、私が電卓を叩くと、表の左右の合計が一致しない。

 講習を受けていた時期には、決算書作成の宿題は自宅のパソコンでExcel (表計算ソフト)を使っていた。そうしないと、いつまでも左右の合計が合わない。

 7/7の受験日の数日前に、18年度のテスト問題と解答が郵送されてきたので、本番に備えてパソコンは使わずに電卓で解こうとしたら、テスト時間の90分を過ぎても40%程度しか進まない。これには焦った。

 それから数日間、過去数年間のテスト問題に取り組むも、電卓能力なんて、そんなに急には上がらない。ため息つきつつ計算に取り組んでいると、頭が痛くなってくる。そういう時は、車で10分ほどの実家に行き、還太池のほとりに佇み、コイ、キンギョ、メダカに餌を与えて暫しクールダウン。受験することは家族や友人にも言っているし、ブログにも書いた。逃げられない・・・(T_T)。

 そんな憂鬱な日を送っているうちにひらめいた( ^o^)。 決算表の最終行の年間損益額は当然出題されるが、他の行の数値は修正欄に転記すればいい (資産や経費の、どの項目に転記すべきかは理解している必要がある) 問題もある。そういう欄を先に埋めて、時間に余裕があったら最終行の年間損益額を計算すればいいではないか。 一問当たりの点数はどれも同じ。 窮すれば通ずだ o(^▽^)o 。

 皆さま、そんなことで還太郎は、車の運転免許以外の初めての「資格」を取得できました。何か新しいことに挑戦するのも、いいのかも。

 7/21、追記。そもそも農業簿記の勉強をしようと思ったきっかけは、無料で3時間×6回の講習を受けられること。講習は主催・福島県いわき農林事務所、共催は福島県農業共済組合いわき支所。費用はテキストと問題集の代金1,728円のみ。会場はいわき農林事務所が提供し、毎回ペットボトルのお茶も出してくれた。また、農業簿記の受験手続等は農業共済が代行するとともに試験会場も提供。農業に携わる皆さんが経営の現状を正確に把握することで、福島の農業をより一層強いものにしたいという両者の熱意を感じた。大変お世話になった。
 因みに、いわき市の新規就農者は10人/年ほどとのこと。広大な面積のいわき市(全国12位。1,232㎢、但し可住地面積3割・森林面積7割)で、「新入社員」が毎年10名では大変 (´・_・`) 。

野良仕事と飲み会と旅行の日々

 今回は短歌はお休み。

 s-退職20190624
 まだ会社に籍は残っていたのだが、6/24、退職。社内外の多くの人に支えていただき、非常に恵まれたサラリーマン人生を歩むことができた。このひと月の間に、「慰労会」、「激励会」、ただの「飲み会」等8回・・・。感謝、感謝。

 s-トンボ20190626
 以下、還太植物園の近況。水草も順調に育ち、トンボの来訪しきり。

 s-スイレン20190626
 6株植えたスイレン。最初に咲いたのがこれ。池にはメダカ100匹、金魚50匹、鯉の稚魚10匹を放ったが、一番元気なのはメダカ。最近、1cm程度の子メダカも多数見られる。

 s-シャラ20190626
 シャラ。

 s-ザクロ20190626
 ザクロ。
 
 6/28、4泊5日の旅に出掛けた。6/28は高崎で代理店の社長さん(96dさん、同い年)と会食。6/29,30は八ヶ岳高原にある友人(ishichanさん、元総合商社勤務、同い年、約35年のお付き合い)の山荘泊。7/1は北八ヶ岳の白駒池を経て、栃木市でグループ会社勤務の後輩たちと会食。7/2、帰宅。約800kmのドライブとなった。

 s-シカ20190630
 八ヶ岳の別荘地で遭遇したシカ。友人(ishichanさんの後輩・nao君)に車を運転してもらい、助手席から撮影。

 s-小顔のシカ20190626
 あごの下に指でVサインを作ると、頬のふくらみが隠れて「小顔」になるというけど、手前の木の枝がVサインを作っている。

 s-小鹿20190630
 母シカを追って道路を横断する子ジカ。

 6/30は天候が良くなく、家事に勤しむishichanさんを置いて、nao君と『平山郁夫シルクロード美術館』へ。同館の館長は平山氏の令夫人。
 
 s-img001.jpg
 
 s-平山郁夫20190630
 特に撮影禁止の表示がないものは撮影可。

 s-平山郁夫②20190630
 シルクロード各地の美術品も多数。

 7/1、ishichanさん、nao君と別れて、北八ヶ岳中腹の「白駒池」(しらこまのいけ・標高2115m・周囲1.8km)へ。同池の周辺は苔と原生林(コメツガ、シラビソ、トウヒなど)で有名。

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 これはパンフレットをスキャンしたもの。

 s-白駒の池20190701
 
 s-白駒の池②20190701
 駐車所から池までは約700m。池の周回用も含めて、しっかりとした木道が整備されている。

 s-白駒の池③20190701
 
 7/2、帰宅。実家に軽トラが届いている(退職記念として買うことにした中古車)と弟から連絡をもらっていたので、実家に直行して試乗。畑の畦道を走ってみたら、連日の雨でできた泥濘にはまり立ち往生。4駆なのにどうしてと思いつつ車内を見渡すと、2駆モードになっていること気づく。4駆モードに変更したらすんなり脱出\(^o^)/・・・。また遊び道具が増えた。
 5日間出掛けていたので、庭も畑も雑草が伸び放題。これから草刈。農業簿記3級のテストも7/7に迫っている。

 皆さま、お健やかにお過ごし願います。

春者毛要 夏者緑丹 紅之 綵色尓所見 秋山可聞 (詠み人知らず)

 今年のタイトルは万葉集。「春は萌え、夏は緑に、紅のまだらに見える秋の山かも」。

 今回の短歌は『現代の短歌』(篠弘編著・東京堂出版)から、小島ゆかりの作品。小島は昭和31年、名古屋市生まれ。日常をモチーフとし、詩的に展開される家族詠。

 おほぞらに鋏を入れし者ありやこよひ半弧の月鮮しき

 s-ヨシキリ20190619
 ヨシキリ。
 
 春、ことに無用の物らなつかしきたとへば耳付花瓶の耳など

 s-黄色の花20190619
 黄色の花はクサノオウ(ケシ科)。万葉集にも「夏は緑に」とうたわれているように、濃淡色々な「緑」の宴。
 
 一本の木を見てゐしが目薬を差せばひそかにその木溺れつ

 s-モズ20190619
 モズ。

 新しきインクをおろす風の朝 青桔梗あをききやうと声す

 s-ピンクの花20190619

 アメリカで聴くジョン・レノン海のごとし民族はさびしい船である

 s-チョウ20190619
 
 死を囲むやうにランプの火を囲みヘブライ暦は秋にはじまる

 s-ヨシキリ20190622
 毎朝恒例のヨシキリ観察。

 月ひと夜ふた夜満ちつつ厨房にむりッむりッとたまねぎ芽吹く

 s-農道で20190622
 ミゾカクシ(キキョウ科)。

 浅漬けの茄子しくしくと二杯目のごはんおいしき夕立のあと

 s-モズ20190622
 巣作りの材料にするのか、枯れた植物を咥えたモズ。

 寄せ鍋の泡ぶく立つた煮え立つた この世のことはごちやごちとする 

 s-キジ20190622
 キジも元気。

 なめこ汁どろりとすすり霧の夜のふかいふかあい暗愚のこころ

 s-スミレ20190622
 @還太植物園。既報の通り、スミレ満開。

 しろじろと繃帯ながれゐるごとき霧の朝なり手足より覚む

 s-シャラの蕾20190622
 シャラの蕾。

 干草のにほひするかなパトリシアが踊るアルゼンチンのポルカは

 s-シャラ20190622
 シャラの花。シャラは別名「夏椿」。朝咲いて、夕方にはポトリと落ちてしまう一日花。

 上階に深夜のわらひ ひとたびは大笑ひするイエスを見たし

 s-ウグイスかな②20190623
 以下2葉は6/23撮影。鳴き声は響くものの姿はほとんど見せてくれないウグイス。今朝は曇天なのでカメラを持たずに農道散歩に出かけようかと思ったが、何があるか分からないからと自分に言い聞かせてカメラを携行。良かった・・・。これで陽がさしていれば、ウグイスの眼にポチッと光が入ったのになあ・・・。

 希望ありかつては虹を待つ空にいまその虹消えたる空に

 s-ウグイスかな①20190623

 農家のベンツといわれている「軽トラ」(中古)を買うことにした。これで、私の車が土まみれにもならないし、草刈り機や刈り払い機、管理機などを実家より高い位置にある畑で使用するのも億劫ではなくなる。また、池のビオトープ化の一環で、流木を拾ってきたり、水草を採集したいと思っているが、4輪駆動の軽トラは少々の荒れ地・砂地・湿地でも大丈夫。楽しみ、楽しみ・・・。


 
 

夏草乃 露別衣 不著尓 我衣手乃 干時毛名寸 (よみびと知らず)

 夏草の、露別(わ)け、衣着けなくに、我が衣手(ころもで)の、干(ふ)る時もなし。「夏草の露を衣につけたわけでもないのに、私の衣の袖は乾くときがありません。恋が苦しくて、涙がかわくことがありません。」の意。今年のタイトルは万葉集から。

 今回の短歌は『現代の短歌』(篠弘編著・東京堂出版)から、土屋文明の作品。土屋は明治23年、群馬県高崎生まれ。東大卒、万葉学者。明治42年「アララギ」入会。戦後はその指導者として、批評眼をもった、逞しい生活詠を展開。平成2年、100歳で没。

 ひねもすに響く筧(かけひ)の水清(きよ)み稀なる人の飲みて帰るなり 

 (以下7首は昭和23年刊の『山下水』から。疎開した郷土の群馬県吾妻郡川戸の作品。)

 s-農道徘徊用長靴20190613
 私の「夏草の露」対策は長靴。早朝の農道散歩用。農道の草々は朝露しとど。耐水性の運動靴でもびっしょりと濡れ、やがて靴下まで沁みてくる。ということで、田植えにも使えるという長靴を購入。軽くて耐水性抜群。靴底はちょっと薄いが、農道を歩くには問題なし。この写真から12枚目のクロネコまでは、朝の農道で撮った。

 はしばみの青き角(つの)より出づる実を嚙みつつ帰る今日の山行き

 s-シラサギ20190613
 シラサギ。

 この谷や幾代(いくよ)の飢えに痩せ痩せて道に小さなる媼(おうな)行かしむ

 s-ゴイサギ♂20190613
 ゴイサギ♂。繁殖期には後頭に白い冠羽が3本伸びる。足の長い小型ペンギンみたいに見えるけど、首を伸ばせばサギ科というのも頷ける。

 少数にて常に少数にてありしかばひとつ心を保ちて来にけり

 s-ゴイサギ♀20190613
 こちらはゴイサギ♀。

 今日もかも春日(はるひ)に歩む父を見る南遠く子を戦死せしめたり

 s-アオサギ20190613
 アオサギ。

 (もも)どりの競へる中にひびきとほる斑鳩(いかるが)の声に村は静まる

 s-ヨシキリ20190613
 以下、ヨシキリ3葉。

 にんじんは明日蒔けばよし帰らむよ東一華(あずまいちげ)の花も閉ざしぬ 

 *「東一華」はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。

 s-ヨシキリ②20190613

 結局は小さなるこ国土(くにつち)と谷をゆき来の汽車の笛きこゆ

 s-ヨシキリ③20190613

 六年耕すくぬぎが下の菜畑にかれ葉のこして移り来にけり

 *以下、昭和42年刊の『青南集』から。収録された作品は、東京の青山に帰住した27年から、約10年間のもの。

 s-キジ20190613

 そこと思ふ海も海の上の島山も月の光はただほのかにて

 s-ワタゲ20190613

 月にゆく船の来たらば君等乗れ我は地上に年を数へむ

 s-夏草20190613

 栗をめでまつたけめでつつ此の夕べ老の二人の眼は涙なり

 *以下、昭和59年刊の『青南後集』から。近しい人々の死を悼んだ歌が多い。

 s-なんだよ20190613
 朝の農道徘徊の途中で、クロネコに遭遇。私の前を歩いていく。私が「ミャー」と言うと、振り返って「なんだよ」と言わんばかりに一睨みして、スタスタと歩いて行った。

 この夕べ澄みたる空に手をのばす藤の蔓には行く方もなく

 s-ヒメイワダレソウ20190613
 以下の写真は還太郎植物園の近況。ヒメイワダレソウ。これは200ポット植え付けた。

 頑の老はいづくぞ白き額(ぬか)やはらかく七十年前の手の下に似て

 *以下は昭和57年に92歳で亡くなった妻テル子を悲しむ挽歌。

 s-ユウゲショウ20190613
 ユウゲショウ。2輪だけ咲いている。

 黒髪の少しまじりて白髪のなびくが上に永久のしづまり

 s-スミレ20190613
 先日までのホトケノザに代わり、いまはスミレが全盛。ユウゲショウの写真に写っている黄色や紫はスミレ。

 さまざまの七十年すごし今は見る最もうつくしき汝を柩に
 
 s-アジサイ②20190613
 アジサイも咲き出した。

 袷には下着重ねよとうるさく言ふ者もなくなりぬ素直に着よう

 s-山桜桃目の実20190613
 山桜桃梅(ゆすらうめ)の実。いずれ赤く色づく。植木屋さんからは、「サクランボみたいになります。鳥除けの用のネットを張った方がいいですよ」とのアドバイスがあった。果樹を植えた目的は野鳥を呼び寄せるためであったのだが、「結構おいしいですよ」と言われて、Amazonでネットを買ってしまった・・・。
 6/23、いつも植物名を教えていただいているS先輩から「ユスラウメには白実種もあるよ」とのコメントを頂いた。ネットで調べたら、「6月には実は赤く色づく」と書かれており、もう少し実の色の変化を観察しようと思っていた。そうしてたら、今朝6時過ぎに植木屋の松吉さんから電話。「シロミノユスラウメでした。もう食べられます。」とのこと。さすがS先輩 \(^o^)/ 。

 今日、某所で会社の大先輩と偶然会った。先方は、「あの・・・、もしかして還太郎さんですか?」とおっしゃる。「そうです」と返事すると、「似ているとは思ったけれど、顎のあたりがシャープになって別人かと思ったよ」とのこと。その先輩と一緒に仕事をしたのは10数年前。ということは、私の顎はそのころ既にかなりふくよかだったのか・・・。 朝は農道散歩、昼は野良仕事の毎日がいいみたい。晩酌の焼酎の量は減っていないのだけれど。

 連日のヨシキリ撮影に満足している還太郎です。皆さまも、お健やかにお過ごし願います。今日はこれから飲み会で~す。


 

夏山之 木末乃繁尓 霍公鳥 鳴響奈流 聲之遥佐 (大伴家持)

 夏山の 木末(こぬれ)の茂(しげ)に 霍公鳥(ほととぎす) 鳴き響(とよ)むなる声の遥(はる)けさ

 夏山の、梢の茂みで霍公鳥があたりに響くように鳴いています。その声がはるか遠くまで聞こえています、の意。今年のタイトルは万葉集から。

 今回の短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名の次の数字は西暦の下2桁で、発表年を示す。

 川ふたつ注げるところ豊里の葦の入江によしきりの鳴く (江畑耕作・85)

 s-ヨシキリ20190604
 ヨシキリ。多分、オオヨシキリ。還太郎のアパートの西側は水田地帯。そこの休耕田の藪が、野鳥の住処。ヨシキリ、ウグイス、カモ、スズメ、ツバメ、キジ、カラス等々。結構賑やか。一度だけだが、カッコーの鳴き声を聞いたこともある。

 身に近く大葦切の一つ啼く潟の面しきり風渡るとき (溝淵英子・96)

 s-ヨシキリ②20190604
 とりわけヨシキリの鳴き声は喧しいほど。カメラを持たずに散歩しているときは近くまで寄れるのだが、カメラを持っていると早々に隠れてしまうので、なかなか撮れない。この日は、目立ちたがり屋さんなのか、撮れと言わんばかりに鳴き続けていた。

 午前二時川原葦原暗くして葦切鳴けり 神は人の影 (高野公彦・00)

 s-ヨシキリ③20190604
 ヨシキリは本当に午前2時には鳴いている。深夜に目覚めてしまったとき、思わず自分の耳を疑った。

 六月のもの思(も)うも憂き雨の日は胸のあたりに古墳が眠る (渡辺松男・97)

 s-黄色の花20190604
 キショウブ(アヤメ科)。

 ピンはずしとびたたむとする青き蝶みなづき若葉の光の大地 (木造美智子・02)
 
 s-つる性植物20190604
 クズ(葛)かな。 ボタンヅル(キンポウゲ科)。

 欠け朽ちて鰧(おこぜ)のやうになりませる飛鳥仏の顔おもひ出づ (前川佐美雄・71)

 s-四方仏②2019064
 以下は還太郎植物園にて。野鳥の水場にしようと、庭に据え付けた四方仏の蹲踞(つくばい)。四方仏は「しほうぶつ」とも「よほうぶつ」とも言うらしい。石の各側面に仏像が彫られている。

 普賢菩薩祈りてゐます合掌の中に小さき闇のありぬべき (稲葉京子・06)

 s-四方仏とエサ台20190606
 竹を二つに割った餌台も作成。楽して野鳥を撮ろうという魂胆。庭にあるトイレの窓、或いは弟の部屋の縁側から写真が撮れる位置に蹲踞と餌台を設置。

 会者定離愛別離苦とみ仏はほんとのことを告(の)らして術(すべ)なし (中原綾子・60)
 
 s-新顔20190602
 庭に一輪だけ咲いている。意図的に植えたものではない。なんだろう? 黒い実?も怪しい。6/25、追記。「クロホオズキ」らしい。ホオズキはナス科ホオズキ属。こちらはナス科オオセンナリ属。

 (よし)と言ひ葦(あし)と呼ばれて湖岸の水無月直く雨期に入りゆく (安永蕗子・03) 

 s-黄色の花20190606
 オトギリソウかな。 コボウズオトギリ(オトギリソウ科)。

 水無月のあはきゆふぐれ机(き)の上にひんやりひかるあれは爪切り (落合けい子・02)

 s-観葉植物20190607
 これは観葉植物と思っていたが、今年は見事な花を咲かせたのでビックリ。コバノギボウシ。

 父の日の父を見にきて帰りたる長子、坂東太郎を越ゆらむ (今野寿美・04)

 s-観葉植物③20190607
 
 最近の出来事。①何年振りか分からないが、体重が80kgを切った。私の顔を見て、ある人は貧相になったと言い、ある人は精悍になったと言う。②一週間ほど前、池に鯉の稚魚(10~12cm)を10匹放した。餌を食べず、餓死してしまうのではないかと危惧していた。それが、昨日から餌を食べるようになった。 ③築60年の実家の土台や柱の防腐剤塗布を開始。3日目ともなると、防腐剤を壁に垂らすことも少なくなり、なかなかの出来栄えと自画自賛。母屋はほぼ終了したが、母屋と同程度のサイズの物置はこれから。

 皆さま。梅雨入りしましたね。ピチピチチャプチャプランランランと元気に過ごしましょう。

不時 玉乎曽連有 宇能花乃 五月乎侍者 可久有 

 時ならず、玉をぞ貫(ぬ)ける、卯の花の、五月を待たば、久しくあるべみ (詠み人知らず)

 今年のタイトルは万葉集から。「まだその時期ではないのに、卯の花が咲く五月を待っていたら、とても待ち遠しくなってしまいます」の意。五月に花の実を糸に通して薬玉(くすだま)を作って、健康を祈る風習があったとのこと。薬玉は五月玉とも言われていた。

 今回は短歌は休み。以下、朱字で記載したのは、森下典子著『好日日記』からの抜粋。全編、ゆっくりと味わいながら読んだ。

  どこかへ行こうとしなくても、日本は季節をめぐっているのだ。(中略) 私たちは、季節を追い抜いて先へ進むことも、逆らって同じ季節にとどまることもできない。いつも季節とともに変化して、一瞬の光や、樹々を吹きすぎる風に心を立て直し、降りしきる雨音に身を任せて自分を癒したりしているのだ。(中略) 私たちは季節のめぐりの外ではなく、元々、その中にいる。だから、疲れたら流れの中にすべてをあずけていいのだ・・・・・。

 s-紫の花20190512
 マツバウンラン。 

 5月も最終日となってしまい、慌ててブログを作製。
 昨日は、機械と一緒に歩いて操作する草刈り機で、初めて作業。乗用の草刈り機は高価だし、足腰の鍛錬のためにはと思って購入。耕作していない畑は、雑草がある程度伸びたらトラクターで耕耘していたが、雨が降るたびに土が流される、特に冬季は土埃が舞うことから、雑草を根元から数cm残して刈れる草刈り機とした。うまいこと刈れたのではあるが、結構疲れる。今回の写真は実家の周りの光景。

 花も見ずに、なんのために生きる。(中見出し)
目黒川は、一瞬、雪かと見紛う景色だった。土手の黒土が、降る花びらでどこまでも真っ白に埋まっていた。花盛りの枝は、どっさりと雪をかぶったように重たげで、幾重にも重なる枝々の下をゆっくりと人波が移動していく。見上げれば、空を埋め尽くすような花の天井。行けども行けども桜だった。橋の上から見下ろすと、川面は花びらで白く、切れ切れの花筏となって流れていく。


 s-ボタン②20190512
 ボタン。

 春になれば、至る所で草が芽吹き、いっせいに花が咲く。そんなこと、誰もが幼い頃から当たり前だと思って暮らしている。だけど、ある日、まぶしい若葉を見て、卒然として気づくのだ。私たちはものすごく不思議なことに囲まれ、それを不思議とも思わず暮らしているのだということに・・・・・。
 
 s-ボタン20190512
 ボタン。
 
 梅花薫徹三千界(ばいか、くんてつ、ざんぜんかい・禅語)         
 禅語は色々な解釈があるので、ご興味のある方はお調べ願う。

 s-ハルジオン20190512

 清流無間断(せいりゅう むかんだん・禅語)

 s-ホトケノザ群落②20190530
 家の前の畑の果樹・花樹園はホトケノザの群生地に。まるで意図的に植えたみたい。スズメ、ヒヨドリ、ムクドリ、カラスに加えてキジも来訪。

 池の上を、初夏の風が撫でるにようにサーッと渡っていった。柳の枝が大きくそよぎ、水面でさざ波がキラキラ光り、睡蓮の葉が風にめくれた。その葉の間を、親に引率されたカルガモの雛の黄色い艦隊がスイスイ泳ぐ。青鷺が飛んできて、池の中の棒杭にとまった。ウシガエルの声が「ブー、ブー」と聞こえる。命の盛んな季節だ。
 
 s-紫の花20190530
 バーベナの一種。
 
 青梅はかわいく滑稽で、なんとなくエロチックだ。ふっくら丸くて、お尻みたいに割れている。産毛に覆われ、靄って見える。手のひらにころんと載せて眺めていると、なんだか指先がムズムズしてきて、ギューッと握りしめたい衝動に駆られる・・・・。

 s-エゴ20190529
 いまはエゴの花が咲いている。
 
 ふと目を上げると、庭が明るい。いつの間にか雨があがって、庭の木立の間に、鋭い光がさしていた。水やりの後のように、木々の葉が輝いている。椿の葉は玉のように照り、ドウダンツツジや土佐水木の青葉の先で、雫が光っている。庭の飛び石に、少し水が溜まって光が反射していた。水屋に立った時、ざわざわーっと、庭の柿の葉が揺れ、水引のか細い茎がいっせいにお辞儀した。襟足を風が通り過ぎ、スーッと汗が引いた。

 s-スイレン20190530
 こちらはビオトープを目指している約24㎡の池。スイレンが順調に育っている。6株植えた。

 気持ちよく晴れた日の午後、近所に住む友人と二人で、公園の池のまわりを散歩した。民家の庭に白いタチアオイが咲き、塀を這うノウゼンカズラの蔦に、明るいオレンジ色の花が咲いていた。カルガモの子は、すっかり大きくなって、親と同じ羽の色になり、睡蓮の花の間や橋の下を、我が家の庭のように泳ぎまわっていた。一家が通った水面には泳跡が広がり、風が吹くと水草がたなびいた。

 s-金魚20190530
 金魚も50匹放流。

 翌日、小荷物を受け取りに、郵便局に行った。途中、土手の上にある古いお屋敷の庭から、萩の枝が滝のように枝垂れているのを見た。道沿いに、散りこぼれた赤紫色の小さな花々がピンクのたまりを作っていた。崖をこんもりと覆う葛(くず)の大きな葉も、風にヒラヒラとめくれ、そのたびに陰に咲いている赤紫の花穂がちらりと見えた。今の自分が、季節のめぐりのどこにいるかを明確に感じた。それはカレンダーや時計が刻む数字ではない。心の時間だ。

 s-メダカ20190530
 メダカは100匹。金魚もメダカもペットショップで買うと高い。ネットで「餌用金魚・メダカ」を入手。

 水掬月在手(みずをすくえば、つき、てにあり・禅語)

 s-メダカ②20190530
 ホテイアオイなど、水草も10種ほど揃えてみたが、割と高価。あとは自然に繁殖するのを待つことに。それなりになるには3年ほどかかるかな。

 5月にして、真夏日や猛暑日とは・・・。皆さま、ご自愛専一に願います。
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kantarou + 7

Author:kantarou + 7
畑や庭での作業を楽しんで、晩酌・早寝・早起きの毎日です。読書やドライブも好きです。

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