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還太郎は元気です

 前回のブログ更新から1ヶ月も過ぎてしまった。体調を崩したというようなことは全くなく、元気に過ごしている。実は、9/2から妻の実家裏の篠竹藪の伐採を開始。その後、天候や他の用事で何日かはお休みしたが、作業が殆ど終了したのが昨日(9/20)。直径3~4cm、高さ10m前後の篠竹を、結果的には約1千本切り、破砕機にかけ、私の実家の畑に軽トラで運んだ(荷台に満載し、約15回)。

 すぐ近くにお住いのO野さん(元宮大工・69歳)が、2日目から昨日までボランティア参加して下さり大助かり。一人ならギブアップするか、疲労で倒れるかというところだった。

 そんなことでブログの更新が遅れた次第。今回は、今年のタイトル中国故事成語も短歌もお休み。 

 s-シャラ20200921
 8月初旬の梅雨明け以降晴天・高温が続き、8/10頃、シャラの葉が黒ずんでいることに気付く。それから毎朝の水まき30分。

 s-シャラ②20200921
 2、3日前から新葉が出てきていることが分かり、一安心。

 s-仙台紅枝垂れ桜20200921
 仙台紅枝垂れ桜も葉が殆どなくなったが、復活。
 
 s-スイレン20200921
 @還太池。スイレン。まだまだ花芽が一杯残っている。

 s-ガマ20200921
 ガマは1.5mほどに成長。

 s-ケイトウ20200921
 @妻実家。ケイトウ。

 s-オクラ20200921
 オクラ。

 ということで、今回は元気にしていますという報告でした。皆さまもどうぞお元気にお過ごし願います。

 

母望の人

 母望の人(むぼうのひと・ぼぼうのひと)。急場の時に求めなくても救いに来てくれる人。急場にかけつけて救ってくれる人。「母望」、望まない・思いがけない・不慮の意。

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。今回の短歌は水原紫苑歌集『うたうら【決定版】』(深夜叢書社)から。

 歌びとをふるき寺院とおもへればオリーヴの香は双の窓より

 s-タカサゴユリ20200819
 @還太植物園。年々増えるタカサゴユリ。

 炎昼はたれも眺めぬコニャックの古りたる瓶に雪の精ゐる

 s-フヨウ20200819
 フヨウ。

 コンソメはかなしきもの夕顔の笑みのごときを掬(すく)はむとしつ

 s-フヨウ②20200819
 同じくフヨウ。

 さみどりの鹿、目に見ゆと突き立てしフォークはさびし宙にとどまる

 s-サルスベリ20200819
 サルスベリ。 

 夏草に斃れしわれが眠るらむ鹿王院か訪はで過ぎにき

 孤塁

 『孤塁・双葉郡消防士たちの3.11』、吉田千亜著・岩波書店・2020年1月29日刊を読んだ。双葉消防本部は、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村の6町2村の消防業務を担当。福島第一原発、同第2原発はこの地域に立地。

 本のカバーの惹句は次の通り。 われわれは生きて戻れるのか? 原発が爆発・暴走するなか、地震・津波被災者の救助や避難誘導、さらに原発構内での給水活動や火災対応にもあたった福島県双葉消防本部の消防士たち。(原発事故があったために)他県消防の応援も得られず、不眠不休で続けられた地元消防の苦難と葛藤が初めて語られた。 一人一人への丹念な取材にもとづく渾身のノンフィクション。

 この本を読んで私が最も吐き気を催したのは、3月16日の4号機火災の際の東電内のテレビ会議の記録。消防は、東電からの火災発生の連絡を受けて消火活動に向かうことになった。

  以下は、東電内のテレビ会議の記録。

 東電現場の保安班から、「当該エリアについては400ミリシーベルト/時のところの瓦礫はまだ片付いていないので、線量的にはかなり消火活動として大変なところかと思います。また構内についてはすべて汚染してますから、公設の消防(双葉消防本部)が入った場合、出れないということでご了承願いたいのですが」。

 本店から、「入ったら出られないという程のところに公設の方に来ていただくというのは、どこか事前にお話ししておいた方が良いんじゃないですか?」。

 本店総務から、「えっと、それは正門とかで誘導する時にお伝えできるかどうかだと思いますけど」。

 本店から、「いや、本人たちだけじゃなくて、いやその県、県というのかな・・・」。

 本店総務から、「それは伝えた方がよいに決まっているのだけど、努力を続けるだけで良いでしょう」。

 (以下、本文から)
 外部応援が受けられなかった双葉消防本部では、限られた人員・資器材でいかに活動を継続していくかは重要な課題の一つだった。消防士の活動の被ばく線量限度は緊急時100ミリシーベルト。それを超える職員が出ないよう、人員配置の調整もしていた。使命である住民の救助・救急活動ができなくなることを怖れていたのだ。

 結局、双葉消防本部は東電から線量が400ミリシーベルトに達しているという情報がないまま21名の隊員が現地に赴いた。しかし、現地到着の2時間から2.5時間前には東電は既に火は消えていることを確認していたにも拘わらず、双葉消防本部には連絡なし。


 (以下、還太郎の独り言)
 何をか言わんや。まるで虫けらのような扱い。消防士たちが帰れなくなる、それは地域の消防活動にとって壊滅的な打撃になる。東電の担当者は、正門での誘導時に伝えられるかどうかだとか、県などに事前に説明することも努力すればいいのではないかとほざいている。

 双葉消防本部では配属されると、原発の勉強会を受ける。東電の説明者の口癖は「事故は起きませんから・・・」。事故は起きないという建前があるので、事故が起きた時にどうするかということを検討するのは自己否定になる。

 この事故の後にベトナムに原発の売り込みに行った総理がいる国だからね・・・。幸いにして商談は不成立だったけど。

 ぜひ皆さまにもご一読願いたい一冊 !
  
 コロナ禍に加えて猛暑。皆さまくれぐれもご自愛願います。  

  

日月に私照なし

 日月に私照なし(にちげつにししょうなし)。恩恵を施すのに公平なこと。太陽や月は、すべてのものを平等に照らし、私情で片寄り照らすということはない。(礼記・孔子間居)。

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。また、短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 原爆の孤児の哀しき告白に嗚咽は波のごとくひろがる (木俣修・58)
    
 s-スイレン2200810 
 還太池のスイレン。2葉。
 
 〈石段に影となりたる人間〉と聞きしより絶対考えまいとす (花山多佳子・91)

 s-スイレン②20200810
 

 原爆を落としし国に随ひて安らぐ空かかすみたなびく (斎藤祥郎・97)

 s-タデかな20200810
 
 サクラタデかな。

 第七艦隊泊つる港の夕凪ぎよ恥じおそれなく原爆を積む (山田あき・68)

 s-サルスベリ20200810 
 サルスベリ。還太植物園で2葉。

 とばされしその日の記憶いつの日までとどめ得む瓦礫となりし天主堂 (吉野昌夫・75)

 s-ミント20200810
 
 ミント。

 記憶には星のごとくに咲きてゐし山百合もかの夏ほどは咲きゐず (吉野昌夫・75)

 s-ユリ20200810

 ヤマユリ。以下は阿武隈山系の林道沿い・或いは集落で見かけた花。

 実験だったといふ原爆に数多死せり二十世紀の罪に首垂れる (山本かね子・02)

 s-ムクゲ20200810
 
 ムクゲ。

 胸内を深く突き刺し抜きあへぬ棘の痛みよ原爆ドーム (宮坂和子・94)

 s-ハンゴンソウかな20200810
 
 オオハンゴンソウかな。

 炭化せる遺体は宙に手をのべて原爆資料館の壁に動かず (桑山則子・08)

 s-シシウド20200810
 
 シシウド。

 終戦といひ敗戦と呼びいづれともわれに百余の友 原爆死す (草野源一郎・01)

 s-ヒマワリ20200810

 ミニヒマワリ。

 八月は千万の死のたましずめ夾竹桃重し満開の花 (山田あき・77)

  コロナ禍は収束の兆しを見せず、加えて梅雨明け後の酷暑。現役の皆さまのご苦労は如何ばかりかと・・・。そんな中、5日、6日と連続で実家の不用品整理。5日は弟と妹が参加、6日は再度妹が参加。布団をはじめとする寝具類は約100kg(清掃センターで重量計測)、陶製・ガラス製の食器、製品プラなどは30Lのゴミ袋で約30袋。加えて食器戸棚も一つ廃棄し、代わりにラックを購入して「見える化」。軽トラが大活躍。

 私が「不用品を整理したい」と言うと、お袋(92歳)の反応は「そんなもったいないことをなぜするんだ」とか、「そんなことは私がいなくなってからにして」が通例。それが、今回は賛同はしないが反対もせず。2日目の夕方には、まだタンスの中に残っている亡父の衣類も整理するかとまで言い出した。

 昨年11,12月のボランティア活動で、高齢独居者のお宅の災害ゴミの運び出しをした際、10年前から一度も片付けをしていないのではないかと思わざるを得ないこともあった。とにかく、自分が元気なうちに片付けようと強く思った次第。お金はあるところに集まるというけど、不用品もあるところに集まるようで、皆さまもご用心、ご用心。
 

随処に主と為る

 随処に主と為る。どこでも境遇に左右されず、自己の主体性を失わないで独立自在すること。

 ことしのタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。また、短歌は水原紫苑歌集「うたうら【決定版】」(深夜叢書社)から。


 ばれいしよは不可思議の音(おん) さいはてに玉帇(たまははき)もつ童子のごとく 
                            *ほうきの美称                  


 s-ムシトリナデシコ20200709
 ムシトリナデシコ。今回の写真は全て還太植物園と還太池にて。


 白鳥の飛来地近きここにして夜(よ)のサキソフォンひとごゑに似る


 s-調査中20200709
 こちらは黄色のムシトリナデシコかと思って、前掲の写真と並べてみた。どちらも花弁は5枚、葉は対生で形も同じ。だが、蕊(シベ)の数が全然違う。ということで、調査中。


 アイヌ名の山をはさみて虹の脚やすらかにひらく出発の刻


 s-ヒメイワダレソウと日本ミツバチ20200709
 ヒメイワダレソウの花には二ホンミツバチが多数参集。


 火中(ほなか)より抱きあげられしをみなにてクレープうすくうすく焼きつぐ


 s-エゴの実20200709
 エゴの実。


 鏡壁に樹の貌(かほ)映すビル街のいづこに匿(かく)すトロイアの子を


 s-オニタビラコかな20200709
 オニタビラコかな。


 たましひの落下をかくも喜びて君いつの世の椿なりしや


 s-コケ20200718
 還太池の脇のコケ畑で。ゼニゴケかな。ちょっと分りづらいが「破れ傘」の下部の膨らんでいるのが胞子体。


 ミルクティ熱きを注ぎかうかうと未来語るは人ならぬわざ


 s-コケ②20200718 
 日本では約700種のコケが確認されているとのこと。こちらは調査中。

 
 星さへも眼もつゆゑ争ふと石かたるなりとはに盲(めし)ひよ


 s-セダムかな20200709 
 さて、そのコケ畑の中に特に元気なコケがいて、他を圧倒する勢いで増殖中。ある日、こんな花が咲いた(◎_◎;)。コケには花が咲くはずがないと調べてみると、どうやらセダムらしい。花径は6~7mmほど。


 あづさゆみ春たたかひに果てにしは十六敦盛そのきよき馬

 
 s-せた゜むかな②20200709
 こちらの写真の方が分かりやすいが、セダムは多肉植物で、どんどん増えるそうな。コケ類滅亡の危機。移植しなければ・・・。 


 脚長きグラス並べつ囚はれのいのちといへどいのち生みつぐ


 s-リュウノヒゲの救出20200717
 還太植物園の東・南・西の最外周部には、土留めのためにリュウノヒゲを1000株ほど植えた。それが、ちょっと油断するとこのありさま。雑草に覆われてリュウノヒゲが見えない。次の写真が雑草引き後。


 白鳥はおのれが白き墓ならむ空ゆく群れに生者死者あり


 s-リュウノヒゲの救出②20200717
 場所によってはリュウノヒゲが成長・密植状態になって、雑草が殆どないところもあるのだが、あと1年ほどは定期的な除草が必要。砂利を入れて防草シートを敷けば手間はかからないのは分かっているが、せっかく成長してきたリュウノヒゲを引き抜きたくないので、頑張るしかない。まあ、時間はたっぷりあるしね。


 薔薇の名の祈りにちかき夕まぐれおのれ恋ふなき東洋のみづ


 s-ベコニア20200718
 ベコニア。 


 ヴェネツィアに遊ぶと告げて途切れたる留守番電話の空白の喩や


 s-スイレン20200718
 スイレン。


 湖のとびらを想ふ一日の卓にかがやきやまぬクレッソン


 s-バラ20200718
 バラ。


 見あぐれば公妃のごときゴリラゐてわがいつはりの歌を諳(そら)んず


 s-ギボウシ②20200718
 ギボウシ。


 父と子は駱駝を見ずて夢に入り地軸のかたへ銀砂とびゆく


 s-庭園管理士


 さて、還太郎が「庭園技能講座」の通信教育を受けることにしたのは既報の通り。今般、6回の課題提出を終え、オール100点満点で修了。 \(^o^)/  テキストや資料を丹念に読み、それでも分からないことはネットで調べて解答すればいいので、誰でも修了できるけどね。
 修了の連絡と共に、上の写真のような看板を掲げてはどうかとの案内。アルミ鋳造、横20cm、縦50cm、厚2cm。税抜き価格は数万円。さらに、庭園技能の指導員養成講座の案内も。因みに、上の看板は印刷サンプルで、私は「金子好三」さんでもない。

 閑話休題。いわき市小名浜測候所の7月月初から昨日(7/18)までの日照時間は累計で18.3時間。過去10年間の7月1ヶ月間の平均値と比較すると、まだ10日強残っているが1割程度。雨も強弱はあるがほぼ連日。そんなことで写真を撮るチャンスが少なく、ブログ更新も半月ぶりとなった。

 この間の暇つぶし対策。
 
 ①ノートブックパソコンで観ていたDVDを49型のテレビで見るべくDVDプレーヤーを購入。最初に観たのは『マンデラの名もなき看守』。マンデラは南アフリカの反アパルトヘイト運動の指導者。1964年に国家反逆罪の判決を受け、27年間の獄中生活の後、1990年に釈放された。後に南アフリカの黒人初の大統領に。マンデラは弁護士であり、収監中に多くの看守を訴えたが、ただ一人だけ一度も訴えなかった看守との「交流」を描いた作品。
 「交流」と書いたが、マンデラの長男も、黒人びいきと噂された看守の長男も不審な交通事故で死亡するなど、それぞれの家族も右翼から迫害を受ける。
 ②去年の農業簿記3級に引き続き今年は「庭園技能講座」にトライした。暇つぶしにはうってつけ。まだ今年も半年近く残っているので、もう一つ何をやるか、思案中。

 東京などの新コロナウイルス罹患者は増加中。皆さま、くれぐれもご用心願います。

宵衣旰食

 宵衣旰食(しょういかんしょく)。天子が政務に精励すること。「宵衣」は、朝まだ明けきらない暗いうちに起きて着物を着ること。「旰」は日暮れ・遅いの意で、「旰食」は夜遅くなってから食事をとること。

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。今回の短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 寂しさを身の重りとなし衣更へぬ水無月あらあらと山きほひ立つ (佐藤美知子・60)


 s-常緑山法師20200620
 常緑山法師。@還太植物園。

 泣きながら試験管振れば紫の水透明に変わる六月 (穂村弘・90) 


 s-ムシトリナデシコ20200620
 ムシトリナデシコ。ハエ?が動かない。食中植物なので虫捕りナデシコかと早合点したが、食虫植物ではないとのこと。茎の上部の葉の下に粘液を分泌する部分が帯状にあり、ここに虫が付着することがある。花の蜜を盗むだけで効果的な受粉に貢献しないアリが茎をよじ登れないようにしていると考えられている由。

 六月のもの思うも憂き雨の日は胸のあたりに古墳が眠る (渡辺松男・97)


 s-何かな②20200623
 アスティルベかな。花径5mm。還太植物園では新顔。

 つくづくと亡母に似て来ぬ紫蘇を揉み辣韭そろふる水無月の手は (栗林喜美子・01)


 s-なにかな20200620
 同アップ。

 ピンはずしとびたたむとする青き蝶みなづき若葉の光の大地 (木造美智子・02)


 s-ナツメの花20200620
 新葉をつけるのが一番遅かったナツメだが、こんな小さな花(5mmほど)を咲かせている。

 水無月のあはきゆふぐれ机(き)の上にひんやりひかるあれは爪切 (落合けい子・02)


 s-ドクダミ20200620
 ドクダミ。 

 水無月という六月の空晴れてランプは納屋に麦は畑に (岡部桂一郎・02) 


 s-シャラ20200620
 シャラ。夏椿とも。

 みづがねのひかりの潮にみなぎらひ爆撃機(ステルス)見えざる空の水無月 (島田修三・07)


 s-カラー20200620
 白いカラーが散ってしばらくしたら、今度はちょっと離れた場所に赤いカラーが。

 紫陽花は花の重みにしないつつなお瑠璃紺青の色を増しゆく (中井慶子・07) 


 s-アジサイ20200620
 アジサイ3枚。 

 あじさいの花がもの言いたげだ人間のことか神のことか (宮崎信義・07) 


 s-アジサイ②20200620
 
 おもひ濃きひとのごとくに藍の色深きあぢさゐかたはらにあり (蒔田さくら子・06)


 s-アジサイ③20200620

 夏至のひかりかすかに暗く有らしめてヘアピンは落つこころ葬らむ (河野愛子・83)


 s-ビロードモウズイカ20200623
 6/23、ビロードモウズイカは170cm超まで成長。

 時の記念日刻光りつついつの日も屍體置場(モルグ)に耳慧(さと)き屍體(したい)あれ (塚本邦雄・61)


 s-ビロードモウズイカ20200623②
 同アップ。

  百合の蕊(しべ)かすかにふるふこのあしたわれを悲しみたまふ神あり (雨宮雅子・80)


 s-ユリ20200620
 ここから2枚はご近所の畑で。ユリ。

 風はなぜその木にだけは吹いてゐる絵の奥のほそいゆりの木 (河野裕子・08)


 s-タイマッバナ20200620
 タイマツバナ。

 かがやきをまとひて歩む幼な児のつばさみえねど若葉はつなつ (雨宮雅子・76)


 s-雑草のくらし

 甲斐信江さんの絵本『雑草のくらし』(福音館)。絵本にっぽん賞、講談社出版文化賞・絵本賞受賞。1985年4月発行、2016年12月第15刷。
 甲斐さんは1930年のお生まれ。この絵本は、1979年の春から5年にわたって比叡山の麓に畑跡を借り、雑草がどんな風に繁殖するのかを観察したもの。以下はその概要。とは言っても、半分以上転記してしまった・・・。

 1年目  春になると更地だった畑跡にうっすらと緑が広がり始めた。1mmくらいの小さな芽の大群はメヒシバ。所々にエノコログサ、ホトケノザ、キュウリグサ、オオイヌノフグリ、ツメクサなども。夏、メヒシバとエノコログサが勝ち残って花を咲かせ実を結ぶ。秋、向こうの土手に生えているオオアレチノギクが盛んに種を飛ばして、あとからあとから枯れたメヒシバのすみかにやってくる。やがて続々とオオアレチノギクが芽を出してくる。カラスノエンドウ、オランダミミナグサ、ヒメジョオンも芽を出してくる。この草たちは、みんなこのまま冬を乗り越えて、大きく育っていく草のこどもたちだ。

 *絵本の1頁がA4より大きいサイズで、かつ全て左右のページで一つの絵なので、A4サイズまでしかスキャンできない私のプリンターでは本の折り目が影になってしまう。乞う、ご容赦。

 s-1年目


 2年目  春の始めに、ツクシが登場。その後、冬を乗り越えたオオアレチノギクなどが一斉に花を開かせる。やがて去年隆盛を誇ったメヒシバやエノコログサも芽を出すが、先に大きくなったオオアレチノギクなどに覆われ、日の光を奪われて、殆どが枯れてしまう。オオアレチノギクは他の草を押し分け追い越し、どんどん伸びて行く。(この光景は2年目を迎えた還太植物園の様子とよく似ている。もっとも、オオアレチノギクなどは定期的な草刈りで退治している。)
オオアレチノギクが枯れ、2年目の秋が終わる頃、一段と高く花を咲かせるのはセイタカアワダチソウ。

 
  s-2年目


 3年目  春、ツクシが広がっている。スギナが地面の下で勢力を伸ばし続けているのだ。カラスノエンドウが、小さな巻きひげを伸ばし、葉を広げて重なり合っている。やがてカラスノエンドウが一斉に立ち上がった。オオアレチノギクの枯れ枝につかまって、するすると伸びていく。隣の草に巻き付き引き寄せ、横に広がりなかせら、上から他の草たちにすっぽり覆いかぶさっていく。日の光を奪われた草たちが、いつの間にか姿を消していく。
 夏、波のようにうねるつる草の一団が、荒れ畑の草に向かって押し寄せてきた。クズやヤブカラシだ。やがて、クズやヤブカラシは草たちの上を這いまわり、ねじ伏せ、巻き付き、抑え込み、大きな葉っぱで覆いかぶさる。3年目の秋が終わる頃、去年より一段と高く花を咲かせたのはセイタカアワダチソウ。つる草の攻撃にも負けず、4倍にも5倍にも仲間を増やした。


 s-3年目


 4年目  春、カラスノエンドウに代わって、一面に花を咲かせたのはスイバの群れ。そしてイヌムギ。種子を残して死んでしまう草に代わって、種子を残した後も根っこで生き続ける草がとうとうこの荒れ畑を奪ってしまった。やがて地下茎を持つ草どうしの、一層激しい戦いが始まる。クズ、ヤブカラシがスイバやヒメジョオンを葉っぱの波に飲み込んでいく。その波を突き抜けて、セイタカアワダチソウはぐんぐん伸びる。そして畑はぼうぼうとした草むらになった。

 s-4年目

 5年目  春のある日、荒れ畑の土が掘り返さて、草がすっかり取り除かれた。すると、続々と芽を出してきたのはメヒシバ、エノコログサ。彼らは種子のまま土の中で生き続け、自分たちの出番がくる日を、じっと待っていたのだ。

 s-5年目


 今日(6/25)は雨。時間がたっぷりとれるので、長い長いブログになってしまいました。 ご笑覧くださった皆さま、いつもありがとうございます。ところで一つお願いがあります。拙ブログもアップすること336回となりました。毎回数個の拍手をいただき、老人の励みになっているのですが、残念なことにこの3ヶ月、コメントが全くないのです。
 
 そこで今回の特別企画は、今後コメントをくださった先着5名さまを、還太植物園での庭飲み会にご招待します。但し、交通費は自腹ですよ。奮ってコメント作成をお願いします。\(^o^)/
 

伯仲の間

 伯仲の間(はくちゅうのかん)。両者の才能が相等しくて優劣のないこと。「伯仲」は、兄弟の順序の呼称。兄弟の順序を伯・仲・叔・李の四つに分ける。伯は一番上、仲はその次。叔は三子から李の上まですべて。李は末っ子。日本でも「実力伯仲」は慣用句。類句に、兄足り難く、弟足り難し。

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。また、今回も短歌は水原紫苑の『うたうら【決定版】』(深夜叢書社)から。


 石の生(せい)けだものの生ことならず星あふぐ間(ま)のはつかなる呼気
 
                       *はつか=わずか、ほのか。

 s-爆食20200604
 @還太池。池の方に歩いていくと、鯉や金魚はいつもエサを投げ入れる場所に集合している。ピラニアのような爆食。鯉はやや太り気味かも。メダカも数え切れないほどいる。

 
 老犬は林檎を食みてうつくしきふと黄金(きん)いろの尾さへ外るる  


 s-ヒメイワダレソウ20200605
 ここからは@還太植物園。ヒメイワダレソウの群落。園内10ヶ所ほどがこんな状態。


 かなしみに胸裂くることまことなれ鶺鴒一羽裂け目より翔つ


 s-ヒメイワダレソウ20200527
 これは前回掲載したヒメイワダレソウのアップ。


 黄落のいちやうは吾子にあらざるをかがやき舞へばわが乳(ち)痛めり

               *黄落(こうらく)=木の葉や実が黄色に色づいて落ちること。

 s-アジサイ2020066
 アジサイも色づき始めた。 


 塔赤く息づきにけり曼珠沙華ほろびしのちに残るうつしみ 


 s-スイレン20200606
 スイレン。昨年はこれほど水面から飛び出ていなかった気がするのだが、10cm以上茎が見える。


 漆黒の三尊おはす薬師寺へ蝶鳴きいでてわれを誘(いざな)ふ


 s-スイレン②20200606
 こちらは昨年通り。 


 み柱はいづこへ走る月光に唐招提寺疾駆のかたち


 s-シャラ20200606
 シャラの今年の初咲き。一日花で翌日にはもう落花している。


 草枯るるひびきかそけし約束は音にきこゆるものならなくに


 s-泰山木②20200607
 こちらも泰山木の今年の初咲き。花径は15cmほど。


 たそがれの部屋に飛ぶ蛾の紋様にあはれなるかな小(ち)さきわたくし


 s-泰山木20200607
 同。 


 舞はぬ日の扇さびしも夢に来てみづからひらくその身群青


 s-シルバープリペット20200607
 シルバープリペット。


 湖(うみ)若く舟若かりし幸ひの日も帆の蔭に薔薇酒ありにき


 s-ザクロ20200607
 ザクロも初咲き。


 山菜のみどりを食みてしまらくは少年のわれ、きみも知るらむ 


  ビロードモウズイカ20200611
  6/11、ビロードモウズイカはさらに成長。145cmに達した。


 糸よりも繊(ほそ)き蛇ゐてしんしんと澄む旅の酒のやさしかりしを



 s-スイカズラ2020607
 スイカズラ。これはスモモを植えた畑の脇の藪で。

 還太郎の車は2005年に購入した。18万km弱も走っているが、依然として走りは快調。ただ、買い物をして車に戻った時にリモコンで鍵のロックを解除しようとすると、逆にロックされてしまう。車の中には別な店で買った品物が置いてあるのに、鍵を掛けないでお店に行くとは何たることだ、「ボケ」っと自分を叱る。そんなことが何度かあったが、幸いにして盗難の被害はなかった。しかしながら、これではもうすぐ92歳になる母親の物忘れを笑えないな、それどころか何年もしないうちに完璧な××老人になり、介護施設で生活するようになってしまうだろうと暗澹たる気持ちに。事故を起こす前に運転免許も返納すべきだろうな・・・。
 
 あるとき気が付いた。鍵が掛かっていないのは運転席だけで、他のドアは全てロックされているではないか。結論としては、運転席のドアのみが、鍵をロックする駆動装置が不調だったということ。掛かったり掛からなかったりの繰り返しだったので、自分の不始末と思い込んでいた。それからはリモコンではなく、鍵そのもので開閉するようにした。修理工場の方も「こういう故障は、一番頻繁に開閉される運転席のドアで発生します」とのこと。ここにきて急に××が進行したわけではないんだと、ホッとした。(これを読んだ皆さまは、もっと早く気づけよ、やっぱり××が進行してんじゃないのとつぶやいているだろうな・・・)
 
 閑話休題。「庭園技能講座」はテキスト1を終了。テキストはあと3冊。多分最後まで行ける。

 今回はこれまで。皆さま、もう真夏日・猛暑日が発生してます。くれぐれもご注意願いを。

 

它(た)無し

 它(た)無し。 ご無事ですかの意。「它」は、頭の大きい蛇の象形文字で、マムシやハブのような毒蛇のこと。古代生活では、農耕や旅行などの山野で毒蛇に噛まれる被害はかなりのものであった。このありがちな災難の有無を問うのが、日常の挨拶になったことば。日本の「つつがなきや」と同意。
 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。また、短歌は水原紫苑『うたうら【決定版】』(深夜叢書社刊)から。

 窓あらぬひとのからだのさびしけれ病むなる六腑月をまちつつ

 s-ヨシキリ20200525
 近くの農道で。お馴染みのヨシキリ。

 象来たる夜半(よは)とおもへや白萩の垂るるいづこも牙のにほひす

 s-ビロードモウズイカ20200527
 以下は還太植物園にて。ビロードモウズイカ 3葉。これは5/27の姿。

 青銅期ひとかなしみの深くして朝はまなこゆ葡萄こぼれき

 s-ビロードモウズイカの花穂20200602
 こちらは6/2。花穂に黄色の花が咲き始めた。

 亡きひとは純白の橋 踏みゆけばいまだ脈打つごとく揺れたり

 s-ビロードモウズイカの花20200603
 そして6/3。根元から花穂の先端までで110cmほどに成長。

 うつくしき弥勒となりしあかまつのいたみをおもふ幸ひとして

 s-サザンカの新葉20200527
 サザンカは5月頃に新旧の葉が入れ替わる。新葉は初めは紅いが徐々に緑になる。葉が異様に肥大化する「もち病」が発生してしまったので、毎朝見回って切除している。

 白魚のひかりまがなし科(とが)ありて海に咲きたるさくらと思ふ

 s-エゴの花とハナムグリ20200527
 エゴの花。ハナムグリの来訪しきり。

 うつしゑの犬ほのぼのとうつくしき耳の柔毛(にこげ)に舟かただよふ

 s-ヒメイワダレソウ20200527
 ヒメイワダレソウ。花の直径は1cmほど。どんどん増殖中。

 さびしさよ柿の木なれば青き葉を多(さは)にまとへり湯浴みの刻(とき) 

 s-何かな20200603
 ニワゼキショウ。こちらも増殖中。
 
 部屋ぬちのはかなき旅と知りぬらむ百合の香はつかわれを越えつつ

 s-シロツツジ20200603
 今頃咲いたツツジ。

 ひつたりと冷蔵庫閉づ切り爪のきららを深くしまへるごとく

 s-スミレ20200603
 スミレ。

 黒ぶだうはるかに匂ひ鋼鉄がかへりゆくなるふるさとを思ふ

 s-還太池20200602
 池の半分ほどをウォータークローバーが占めている。 

 カーテンのさみどり映るわれらより樹霊は発ちて絶えずひびけり

 s-スイレン②20200602
 スイレン3葉。

 みごもれる葡萄つめたしつめたしとたれか言ふこゑその青きより

 s-スイレン③20200602

 夏帽子かぶらぬ君に降り来たる古鏡砕片(こきょうさいへん)なほもうつし世

 s-スイレン④20200603

 一管の笛のごとくにおとろえて帰る日あらむと竹に知らゆな

 s-葉長オモダカ20200603
 葉長沢潟(はながおもだか)。

 5/29、16時から還太植物園にて『庭飲み会』を開催。参加者は実家の近所の方々(71歳、70歳、67歳2名)。後から仕事帰りの弟も参加。最年長の方が最近奥様を亡くされたのだが、49日も明けたので激励会をしよう、飲み屋さんに行くのは「3密回避」の観点からまずいので、庭で飲もうということになった次第。
 ビールケースなどの上にコンパネ(180cm×90cm)を置き、その周囲に椅子を配置。飲み物と簡単なつまみはスーパーで仕入れてきた。同級生がイノシシ肉・山菜を調理して持参。飲み物はビール(500ml12缶)、ハイボール(500ml5缶)、酎ハイ(同)、日本酒(大吟醸720ml2本)。全てを飲み干したわけではないが、大いに盛り上がる。イノシシ肉も柔らかくて臭みは全然なく、美味しかった。
 オンライン飲み会は3回、庭飲み会は1回やったが、どちらも癖になりそう。

 閑話休題。さて、還太郎は通信教育で日本園芸協会の『庭園技能講座』の受講を始めたことは既報の通り。テキストを開くと先ず「庭園の定義」が記載されている。

・庭園の定義
 「個人の住宅に接続し、生活に直結した何らかの物によって囲われた場所で、個人の好みに応じて、実用、鑑賞、休養、遊びなどに利用されるために、植物や工作物が計画的、美的に配置され、よく管理された空間。

 「庭」という字はニワ・テイと読み、もとは廷と書いて広い場所の意でした。それが屋根(まだれ)の下に入ってできた字で、家の中の土間や中庭を表します。宮中や役所の中庭の意味もあり、そこに役人が参賀するのでこれを朝廷といいます。また裁判を開くことを開廷というように、白州の意味もあります。
 つまりニワとは、植物とは全く関係なく、もともとまつりごとや作業をする「場」でした。ですから「庭」も「ば」と読みます。江戸時代でも、土間のことをニワと言っていた地方もあるようです。
 つぎに、「園」という字は「植物を集約的に栽培する場所」のことで□で囲まれています。これは、自分の所有地を外からの侵入に対して守る囲いを意味しています。


 この文章を読んで、最後まで続けられるような気がした。今後が楽しみ。皆さま、どうぞ御機嫌よう。
 
 

 

 

 

梅母鶴子

梅母鶴子(ばいぼかくし)。風雅な生活の形容。宋の林逋(りんぽ)は妻子がなく、名勝の西湖に隠遁して、ただ梅を植え鶴を飼って楽しんだという故事に基づく。
 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。

 5/19、今日は一日雨。庭にも畑にも出られないので、今までに撮った鳥類の写真を並べてみることにした。短歌はお休み。 

 s-アオジ20200107
 アオジ。近くの農道で。
  
 s-アカゲラ20200117
 アカゲラ、@勿来の関。

  s-アカハラかな2190730
   実家にて。アカハラかな。

 s-カシラダカ20200107
 カシラダカ。近くの農道で。

 s-ガビチョウ20141122
 ガビチョウ。@勿来の関。

 s-カワセミ20170219
 カワセミ。3葉とも春日部の内牧公園にて。

 s-カワセミ20150501


 s-カワセミ②20170219


 s-キジ20160504
 キジ♂。近くの農道で。

 s-キジ20120630
 キジ♀。春日部の内牧公園にて。

 s-コゲラ20150922
 コゲラ。内牧公園にて。

 s-シラサギ20120512
 シラサギ。内牧公園にて。

 s-シラサギ20130921
 シラサギ。いわき市鮫川河口にて。赤い嘴の「白鷺」はいないてすよね。ダイサギかチュウサギかな。嘴の色、飛行中の首の形から推定。『日本の野鳥』(山と渓谷社)刊には「シラサギ」という鳥は載っていない。

 s-チョウゲンボウ20131230
 チョウゲンボウ。内牧公園にて。

 s-ツグミ20151226
 ツグミ。@いわき市小浜町にて。

 s-ヒバリのヒナ20120617
 ビバリのヒナ。@渡良瀬遊水地。

 s-ヒヨドリ20130103
 ヒヨドリ。いわき市錦町にて。 

 s-ふくろう
 フクロウ。盛岡の鉄器店で購入。

 s-ムクドリ20150505
 ムクドリ。@東久留米の落合川にて。

 s-モズ20150504
 モズ。@いわき市錦町。

 s-モズ20190622
 モズ。近くの農道にて。巣作りの準備かな。
  
 s-もめる鳩首会談20190404
 ハト。鳩首会談決裂、乱闘になる。いわき市錦町にて。

 s-鳥20180113
 地元の銀行さんからの頂き物。

 s-ヨシキリ①
 ヨシキリ。昨年の今頃、近くの農道にて。

 s-ルリビタキの雌かな20191227
 ルリビタキの♀かな。近くの農道にて。

 s-鵜20140329
 川鵜。いわき市鮫川にて。

 s-霞ヶ浦20180203
 水鳥たちの休憩所。@霞ヶ浦。

 s-ペンギン
 オーストラリアのお土産。先頭と3番目は鳥類。いや、3番目のカモノハシ?は哺乳類。

 s-鴨類の集団20140125
 鴨類集団。@鮫川の沼部大橋付近。

 s-四十雀20160131
 シジュウカラ。@内牧公園。

 s-蒼鷺20180113
 アオサギ。@霞ヶ浦。

 s-鳥②
 鶏。クロアチア・ドブロブニスクのお土産。

 s-鳶20200116
 トビ。近くの農道にて。

 s-目白20131230
 目白。@内牧公園にて。

 s-目白20200213
 目白。@霞ヶ浦。

 今日は17時からオンライン飲み会。そろそろ準備しなければ。皆さま、「3密」回避ですよ。とは言っても現役で働いている方達は全てテレワークともいかないですよね。お気をつけて下さい。

修羅の巷

 修羅の巷(しゅらのちまた)。目も当てられない惨憺たる有様の場所。或いは激しい戦闘や騒乱の場。 

 「修羅」は阿修羅の略。サンスクリットAsuraの音訳字。六道の一つで、須弥山(すみせん)の北、大海の底、或いは海岸、或いは四州の山間にあるという。その王は、嫉妬、猜忌、執着の念強く、剛力で闘争を好み、常に仏法帰依の人を守護する梵天・帝釈と争う神である。それで惨憺たる光景を形容することばに使う。

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。また、短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で、発表年を示す。

 定職のない人に家は貸せないと言われて鮮やかすぎる新緑 (松村正直・01) 

 s-広葉樹の林20200507
 阿武隈山系田人路(以下6葉)。ブナ、コナラなどの新緑の森。

 いつせいにすももの蒼を浴びて立つ人間であることの淡さに (高島健一・88)
 
 s-すももかな20200507
 スモモかな。

 いつしんに木苺の実を食らふとき刻々ととほき東京ほろぶ (小野茂樹・71) 

 
s-木苺20200507
 木イチゴ。

 能古島は指呼の間となり膨らめる春のうしほへ船は水脈曳く (渡辺茂子・03)

 
s-モミジ20200507
 あまり目立たないが手前中央部に殆ど花が散ってしまったサクラ。その後ろのオレンジがかった黄色の葉はモミジ。時間の経過とともに下の方のような真っ赤な葉になるようだ。

 蝶追ひて見知らぬ森の路ゆきぬ子の背を隠す夏草の花 (大野誠夫・65) 

 s-クサノオウ20200507
 クサノオウ。名前の由来は諸説ある。葉などを傷つけると黄色の乳液を出すので「草の黄」、皮膚疾患に有効な薬草という意味で「瘡(くさ)の王」、皮膚疾患以外にも鎮痛剤として内臓病に用いられたことから薬草の王様という意味で「草の王」。

 君に従きて登る坂道うつすらと漂ふごとき著莪(しゃが)の明るさ (前田彌生・03)

 s-シャガ20200507
 シャガ。

 ゆらぎつつ咲ききはまりし白妙か花のいのちは短かりとも (吉田正俊・70)

 s-ツメクサ20200508
 ここからは@還太植物園。ツメクサ(草)。花径は4~5mm。何度撮ってもピンボケ。因みにシロツメグサは白草。つめくさという名は同じでも字が違う。

 みずからの手もて葬(はふ)りし青春の姿にてクローバの青きに沈む (大野誠夫・65)

 s-ウォータークローバー20200508 
 
ウォータークローバー。全て四つ葉。


 動きゆくさ霧のなかにみづからの色深めゐる牡丹の花々 (初井しづ枝・56)

 
s-牡丹20200510
 ボタン。老木なのだが今年も咲いてくれた。

 安土野の白き夢幻と訪ね来しナンジャモンジャの花散り初むる (渡辺茂子・01)

  s-ヒトツバタゴ20200513
 ヒトツバタゴ(一つ葉田子)。同じモクセイ科のトネリコ(別名タゴ)に似ており、トネリコが複葉であるのに対し、これは小葉を持たない単葉であるとから「一つ葉田子」。
 別名は「ナンジャモンジャ」。ただ、地方によってはクスノキ、ニレ、イヌザクラ、ボダイジュなどもそう呼ばれるとのこと。

 萌えいでし若葉や棗(なつめ)は緑の金、百日紅(ひゃくじつこう)はくれなゐの金 (宮柊二・72)

 s-ナツメの新葉20200513
 ナツメの新葉。

 人生はあやなす闇へ一茎の菖蒲芽ぶけり刃(やいば)のごとく (中川昭・89)

 s-ダッチアイリス20200513
 ダッチアイリス。

 庭坂をおりて竹村(たかむら)のもとに來つ白う見えしはつづじがさける (佐佐木信綱・56)
 
 s-躑躅②20200513
 ツツジ。

 ぐわぐわとつつじひらけり陽のもとに押し出されゆくくれないの舌 (鈴木英子・05) 

 s-躑躅20200513
 ツツジ。@還太植物園はこまで。

 じゅっぽんのゆびを広げて指の間に五月の風を入れております (上野春子・00
 
 s-ヨシキリ②20200514
 今年、やっと撮れたヨシキリ。還太郎の住まいの西側には何十枚もの水田が広がっていたが、その大半に太陽光発電のパネルが設置された。休耕田だったところはネコヤナギやアシなどが生い茂り、ヨシキリやウグイス、キジなどの繁殖地なっていたのに・・・、残念。まだパネルの設置工事は続いており、野鳥の撮影も困難になってしまった。
 14日朝5時半頃、やっと撮れた。


 時間ひらたく大皿の縁にもりあがり今しあふれん五月の朝 (糸川雅子・00)

  s-ヨシキリ20200514
 
 ヨシキリの鳴き声が聞こえるのは5~7月中旬の間。仁部富之助著『野の鳥の生態』(大修館書店・1979年刊)の第4巻に、ヨシキリについて記載がある。以下、引用。

 五月、六月は鳴きほこる雄親の自慢の喉も、七月中旬頃から、そろそろあやしくなり、同下旬には急にとまってしまう。鳴かなくなったのではなく、時期がくると、鳴きたくても鳴けないのだ。彼らのある者が突如不如意になった自分の身、自分の喉を怪しむかのように、けんめいに声をしぼっているのをときどき見るが、いったんとまった喉はふたたびほころびることがない。いや、翌年の初夏までは長い長いお預けである。

 無数に生息する歌手たちが、その時期になるとわれわれの想像以上、急に鳴きやむことは意外である。秋田地方で女房達の会合とか、井戸端会議のおしゃべりが、突如とぎれた瞬間、「土用が来た」といって皆を笑わせる風習がある。これはもちろん、にぎやなオオヨシキリが土用の声を聞くと急に止まることになぞらえてのことであるが、けだし適切な諷刺といよう。


 閑話休題。還太郎は「庭園技能講座」の通信教育を受けることにした。昨年受講した「農業簿記3級講座」は終盤に挫折しそうになったが、家族や友人に言ってしまった手前、最後まで頑張らざるを得なかった。今回も、先ず宣言ありきで退路を断つ。乞うご期待。

 コロナ禍もちょっと下火になったようですが、油断大敵。皆さま、どうぞご自愛専一に願います。

  

口耳の学

 「口耳の学」(こうじのがく)。耳で聞いたことをすぐ口に出す薄っぺらな学問。人から聞いたことを十分に理解しないで、物知り顔にすぐ人に告げること。

 出典は荀子。「君子の学は、耳より入りて心に着き、四体に布(し)きて動静に形(あら)はる。端(ささや)きて言ふことも、蝡(みじろ)ぎして動くことも、一(いつ)に以て法則と為すべし。小人の学は、耳より入りて口より出づ。口耳の間は即ち四寸なれば曷(いずく)んぞ以て七尺の軀(からだ)を美とするに足らんや。

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書房)刊から。また、短歌は前回に引き続き水原紫苑歌集『びあんか』【決定版】(深夜叢書社・2014年刊)から。

 ヴァージニア 星に惑ひて焚火せよさくらさくらのルフランののち


 シャクヤク20200505
 以下、@還太植物園。芍薬(しゃくやく)。根元から花頂まで約80cm。それでいて花の直径は10cm超。支柱で支えないと茎が折れそう。


 美しき脚折るときに哲学は流れいでたり 劫初馬より


 s-黄色の牡丹20200505
 その隣に牡丹。 

 しんしんと指の先から絹と成り薬草園のきみに逢ひにゆく

 
 s-ブルーベル20200505
 ますます元気なスパニッシュ ブルーベル。

 ひびきあふ体内時計のみづいろを風に問はれて応ふべからず


 s-棗の新葉②20200505
 庭の植木は花期を終えて新葉をつけているもの、或いは新葉の後に花を咲かせているものが殆どだが、この棗(なつめ)だけが冬の姿のままだった。枯れてしまったのかと案じていたところ、新葉が枝のそこここに芽生えて一安心。

 瓦斯室の歴史学びし少年が午前二時過ぎ弾くモーツァルト


 s-花水木20200505
 花水木。

 夏空に帽子あゆみて父見えず白き野ばらの垣をめぐれり


 s-ビロードモウズイカ20200505
 ビロードモウズイカ。大きな葉から伸長した長い花穂に黄色い小花が密生し、高さ2mにもなる2年生植物とのこと。還太郎は見たことがなかった。どうして生えてきたのか不可解。アメリカ中西部では「Cowboy Toilet Paper」と呼ばれる由。

 一行の古詩読みえざる茶房にて樹木はくらき紅葉なせり


 s-オニタビラコ20200505
 オニタビラコ。

 やはらかき紫煙の中に舞ひゐたる微小の鳥の微小のまなこ


 s-アジュカ20200505
 日々成長するアジュカ。花穂がこんなに長くなるとは。

 顔おほふ花束持ちて来る者は水上をゆくごとく歩めり


 s-山吹20200505
 ここからは阿武隈山系田人路の林道にて。山吹。

 星々のはらわたはつか見ゆる朝酸(す)きくだものを鞄に容れぬ


 s-リンドウ20200505
 竜胆。 フデリンドウ。

 花去りて夕(ゆふべ)もつとも美しき猫の柔毛(にこげ)にくらき芯あり


 s-ムラサキケマンかな20200505
 ムラサキケマンかな。

 白菊はみだらなるかもかぎりなき舌にひとつの言葉をもたず


 s-ハコベ20200505
 ハコベ。 ミヤマハコベ。

 積み石の城に出で入る風は見ゆ 遊びののちもまた遊びなれ


 s-タチツボスミレ20200505
 タチツボスミレ。

 橋わたるあまたの童(わらしべ)(もだ)しつつ緋雲夕雲かをりて近し


 s-ズミかな20200505
 調査中。

 しづまりて銀の匙ある しあはせはつね背後よりわれに来たらむ


 s-ウマノアシガタ20200505
 馬の足型。黄色の花が油で磨かれたように光っている。

 眉さへも流してしまふ霧のなか魚(うお)食むひとのめぐり明るむ


 s-フジ2020505
 藤。

 今年も畑や畦道の雑草との格闘が始まった。せっかくきれいにしても、10日もしないうちに雑草は育つ。暇がたっぷりあるので、喜び勇んで畑へ。昨年までと違うのは、畑には銀杏、アンズ、梅などの苗木約60本を植えたので、元気に成長している様子を眺めるのが楽しい。施肥や剪定の作業もある。高校の同級生仲間の一人が、仲間内のメールで私のことを「カールおじさん」と呼んでいる。

 皆さまも、どうぞお元気で!!


 

念願かなって・・・\(^o^)/

 写真を大きくできた。上の写真は今までのサイズ(横500ピクセル・縦375ピクセル)。下の写真はこれからのサイズ(横640ピクセル・縦483ピクセル)。面積ではほぼ2倍。 


 馬酔木500px
 
 馬酔木640px

 今までもブログを編集する画面では横幅640ピクセルで表示できていた。ただ、編集作業を終えて「公開」してブログを確認すると、写真の右側端の方が見えなくなってしまう。それで仕方なく横幅500ピクセルで編集していた次第。

 最近また写真サイズを何とかしたいと思い、『FC2ブログ徹底攻略術第2版』を購入するも、難しくて理解できない。次いで「FC2お問合せ」を利用してメールで質問したが、「HTMLを編集すれば解決できます。但し、それはブログの運営者側ではしないことになっており、ご自身で云々・・・、との返事。

 結局は近隣のパソコン教室のご主人にお世話になった。ご主人は「うちはスクール形式で生徒さんに教えているので、スポットの依頼はお断りしているのだけど、何故だか受けてしまった」とのこと。還太郎の一途な思いが伝わったのかな?

 幾つか写真サイズの比較を。

 s-花②  

 s-花
 
 s-ヨシキリ②

 s-ヨシキリ
 
 s-牡丹②

 s-牡丹
 
 皆さま、「還太郎的日常」をこれからもよろしくお願いします。 

晴好雨奇

 
 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書房)から。

 晴好雨奇(せいこううき)。山水の景色が晴雨ともに趣が深いこと。「好」は美しいこと。「奇」はすぐれていること。

 水光瀲灔(すいこうれんえん)として晴れて方(まさ)に好く、山色空濛(さんしょくくうもう)として雨も亦(また)奇なり。

 今回の短歌は前回に引き続き、水原紫苑歌集『びあんか』【決定版】(深夜叢書社・2014年刊)から。


 たそがれを帰りゆくもの影ながくふとも見あぐるいつぽんの樹を


 s-燈台草20200423
 サクラの花以外は全て@還太植物園にて。燈台草トウダイグサ科トウダイグサ属のマツバトウダイ。


 まなぶたに冷たく触れて山上の星のひかりをわれに与へぬ

 s-冬知らず20200423
 冬知らずの群落。背丈は30cmほどにも。


 嫗にてわれも見し夜の月ならむ頸のべて聴くそのかがやきを

 s-常盤万作20200423
 常盤万作。


 きはやかに黒衣を脱ぎて立つ木々を黎明は打ちなほも貫く

 s-花水木20200423
 花水木。


 一対の陶器をあはせ早春の音なすときに眠り遠しも

 s-スズラン20200423
 スズラン。 スズランスイセン。 


 雲ふみて来たりしやうな男ゐて虹を語らばかなしかるべし
 
 s-じょおん20200423
 ヒメジョオン。 ハルジオン


 夕鳥は朝鳥に似て異なれるいのち持つなりくれなゐの後

 s-キク20200423
 フランス菊。 ノースポールギク。


 切られたる半月冥(くら)し水底を照らせば蟹のうから眠れる

 s-きらんそう②20200423
 キランソウ。中国では「金瘡小草」。「金瘡」とは刀傷のこと。キランソウの葉を潰して傷に塗ると切り傷や腫れ物に効用があることから名付けられたとのこと。アジュカとも。 セイヨウキランソウ。


 朱を過ぎて銀に至れる憤怒あり一生(ひとよ)なべて男を生かす

 s-玉すだれ20200424
 玉簾(たますだれ) オオアマナの群落。夕方になる花を閉じ、翌朝また開く。


 けものらはいかに渡れる夕虹の彼方かぎろひ森のごとしも


 s-玉すだれ②20200424
 同アップ。


 いにしへは鳥なりし空 胸あをく昼月つひに孵(かへ)らぬを抱く

 s-花韮20200424
 玉簾と似ているが、こちらは花韮(はなにら)


 時たがへ星また星が鳴りいづる枯野をゆけりみづからの内

 s-カタバミ20200428
 片喰(かたばみ)


 雲雀啼く世はいまだ来ず鋭(と)きこゑのうつくしきもの母のほかなし
 
 s-石楠花20200428
 石楠花


 (おほぞら)はうつろなる魚 おもほえばその声いまだ聞きしことなし

 s-シモツケ20200428
 下野(しもつけ) コデマリ。


 曇天を真珠飾りて歩むときしばし聞こゆる波のささやき

 s-ツルボ類2020428
 スパニッシュ ブルーベル。


 この夜更けさくらさくらを歌ひなばいかなる腕にわれ抱かれむ

 s-桜②20200429
 ここから3枚は近くの公園で。何れも八重だが、わずかに花の色が違う。

 
 陸の橋いやさびしきに渡り来るをとこ貌(かほ)無く煙草火あかし

 s-桜③20200429



 たそがれの鏡音なく泡立ちぬ 逢ひて逢わざるわたしのため


 s-桜20200429


 4/28、高校の同級生たちとオンライン飲み会。福岡、大阪、埼玉、宮城各1名と福島2名。大阪在住のDr.Keyさんが「Webex Meet」というソフトを用いてセットしてくれた。大盛り上がり。

 交通費も宿泊費も不要だし、酔った帰り道の心配もない。コロナが去ってもこういう飲み会はなくならないのでは。全国各地に散らばっている仲間が一堂に会するのは大変だが、オンラインなら問題なし。

 s-躑躅20200429
 今年最初に咲いたツツジ。

 皆さま、「3密対策」を徹底して新型コロナウイルス禍を乗り切りましょう。どうぞお気をつけてお過ごしください。
  

桃源

 桃源(とうげん)。理想郷。桃の花の咲いている水源地にある村。晉(しん)の太元年間に、武陵の一漁師が桃の花咲く林に遭遇。その林の小さい穴から中に入ると、まったく時代ばなれをした世界があった。そこには、昔、秦末の混乱を避けて移ってきた人々の子孫が楽しい生活をしていた。漁師は大変に歓待されて、秦以後のこの世の変遷を語って帰ったという寓話に基づく。
 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(講談社)から。

 今回の短歌は、水原紫苑歌集『びあんか』【決定版】(深夜叢書社・2014刊)から。

 光線をおんがくのごと聴き分くるけものか良夜眼とぢゐる

 s-さくら20200403
 村の処々で桜が満開。遠くに仏具山を望む。

 針と針すれちがふとき幽かなるためらひありて時計のたましひ

 s-大高寺20200403
 天台宗頼長山大高寺の桜。
  
 ひえびえと四肢痛む春庭先の古井戸きよき水出だすなり 

 s-シャクナゲ20200407
 ここからは@還太植物園。ニューフェイスの石楠花。

 菜の花の黄(きい)溢れたりゆふぐれの素焼きの壺に処女の体に

 s-梨20200406
 梨、3葉続く。
 
 風葬とふ言葉いとしみ夕刻のわれ少しづつ軽(かろ)くなりゆく

 s-梨②20200407

 興福寺少年阿修羅にかなしみを与へし仏師の背広からむ
 
 s-梨20200408

 仏蘭西に<春>を抱くべき花ありやジャン・コクトーはさくらを見ざりき

 s-枝垂れ桜20200408
 枝垂れ桜。

 かぎろへば滝つ瀬やさしみづからを滝と知りつつ砕けゆくなり 

 s-水仙20200408
 水仙。

 ひかりさす御堂に濡れて長眉の吉祥天の御(おん)くちびる 

 s-花梨20200408
 花梨。
 
 春雨を厭ひて土間に眠りゐる犬のかたちに濡れて犬消ゆ  

 s-何かな20200408
 金瘡小草(キランソウ)かな。茎は直立せず、地面を這って四方に広がる。地面にふたをするように広がることからジゴクノカマノフタの別名がある。

 われらかつて魚なりし頃かたらひし藻の蔭に似るゆふぐれ来たる

 s-さつき20200408
 こちらもニューフェイスの皐月。

 還太郎の日常は、時には植木屋さんの手伝いにも行くが、普段はトップの写真のような環境で、庭や畑にいることが殆ど。ウグイス・キジ・スズメ・ムクドリ・ヒヨドリ・コジュケイなどの鳴き声を聞きながら野良仕事。盛唐の詩人孟浩然の「春眠 暁を覚えず 処々 啼鳥を聞く 夜来 風雨の声 花落つること 知んぬ多少ぞ」を思い出す。(最近のことは何でも忘れてしまうのだけれど、中学や高校で習った古文・漢文はなぜだか覚えている。)

 詩の意味は「春の暁は気候も良く、夜が明けたのも知らずに寝過ごしてしまった。ふと眼を覚ますと、あちこちから小鳥の鳴く声が聞こえる。そういえば、昨夜は風雨の音がはげしかった。あの嵐で庭の花はさぞたくさん散ったことだろう」。

 そんなことで、新型コロナウイルスとは無縁かなと期待。皆さま、ご用心願います。
  

 

 

正鵠を失わず

 正鵠を失わず(せいこくをうしなわず)。的を外さない、的を外れない、物事の急所や要点を的確にとらえること。「正鵠」は弓の的の中心の黒点。また、「正」が布張りの的の黒点、「鵠」が革張りの的の黒点ともいう。
 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書房)から。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 雪解水裏山にひと夜流れいて暁近くなり凍りたるらし (古明地実・76)

 s-阿武隈山系雪景色20200330
 3/30朝、阿武隈山系の東斜面はこの冬一番の雪景色。白く抉れているのは杉の伐採を終えたところ。

 未熟なる実か毒かくすとふ芥子畑に花散りそめし (富小路禎子・96) 

 s-ペチコート水仙20200330

 以下は全て還太植物園。花菱草かと思ったが、違うようだ。 (以下、4/3追記) 図鑑を3冊見ても掲載されていないし、「植物同定」アプリでも分からない。今日、「野草の会」の会員で植物に詳しい実家の前のお宅の方を訪ねて教えを乞うと、「ペチコート水仙」だよ、と。「ペチコート」まで伺った段階で、昨年も同じ方に同じことを尋ねたことを思い出した…😅・・・。去年の今頃のブログに載せたことも思い出した・・・😞・・・。ひとつの花で何度も楽しめるんだからいいか・・・\(^o^)/・・・。

 はるかにも花畑つづくに此処よりは踵(きびす)かへせといふ札の立つ (池田まり子・91)

 s-ペチコート水仙②20200330

 
 同拡大。

 この道は来たことがある花梨の実あまた暗くて青くて綺麗 (岡井隆・04)
 
 s-カリン20200330
 花梨。 

梨の木に梨の実ふとりゆく日日を天与の雨にまさるものなし (築地正子・85) 

 s-梨20200330
 梨。

 満作の花咲きたりと聞くのみの明け暮れせしは早春の庭 (横山岩男・96)

 s-常盤万作20200330
 常盤万作(ときわまんさく)。

 ばんざいの姿で蛇に銜えられ春らんまんの蛙いっぴき (鳥海昭子・84)
 
 s-ゆすらめ20200330 (1)
 山桜桃(ゆすらうめ)。
 
 去年の秋鉢ごと行方晦まししムスカリ咲けり石の後ろに (木畑庸子・03)

 s-ムスカリ20200330
 ムスカリ。ツルボ亜科ムスカリ属。名前の由来はギリシャ語のmoschosであり、麝香のことだそうだ。

 誰も出てこぬ村のまひるま花桃の千本の木のあかるさなりき (小川恵子・91)

 s-ハナモモ20200330
 花桃。

 春まだきひかりの下の錯覚に眼鏡の縁にとまる鳥あり (上野久雄・01) 

 s-シャラの新葉20200330
 沙羅(しゃら)の新葉。去年咲いた花のサイズからすると、ヒメシャラかも。

 春さむし背のファスナーを下ろす間も〈明日の仕事〉を言ふ女(ひと)に似て (大塚寅彦・03)

 s-なにかな②20200401
 花韮(はなにら)。 

 ポスターに沿線の桜咲きみちて地下鉄構内しんかんと春 (成瀬有・08)

 s-なにかな20200401
 紫苔(むらさきごけ)かな。 カキドオシ。

 コロナウィルス禍、拡散の一途。お仕事等で密集・密閉・密接が避けられない方々、どうぞお気をつけて。

左遷

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書房)から。 

左遷(させん)は官位を落とされること。官位を落として遠地に移すこと。中国では、日本と反対に右を尊び左を卑しんだので、右から左に移すことは、高い官職から低い官職におとすこと、或いは官位を下げて地方に流すことを意味する。
 
 中国では、右が上位、左が下位である理由。「右」(ゆう)は、右手が仕事を行いすぐれている「優」(ゆう)からである。「左」(さ)は工作の意味を表す「工」と、音を表す「ナ」(さ・助ける意)と合して、右手でする工作の仕事を助ける〈佐〉の意である。
 
 日本では、「ひだり」は「ひんだり」で、平ら、まっすぐの意で、弓を射るとき、右手が曲がるのに対し、左手はまっすぐであることからきたと考えられる。あるいは、「ひた」は不純物の混じらない意か。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 少しよき春というべしこの道に すみれ たんぽぽ れんげそう咲く (日野きく・00)

 s-スミレ20200313
 植物は全て還太植物園にて。ただ2本だけ咲いているスミレ。
 
 春の梢をおもふ心におのづからあかとき闇にひらくわれの眼 (安田章生・66)

 s-白文字20200319
 白文字。

 逆さまに落ちゆく或る日春ふかく愉しき一片の蝙蝠として (河野愛子・72)

 s-水仙20200319
 水仙。

 春とならば香はかぐわしく流るべし林檎樹林をつらぬく津軽路 (窪田章一郎・61)

 s-あんずソルガム20200322
 あんず スモモ(ソルガム)。

 くさも樹もなべてが天へたれさがるこの倒錯を春というべし (村木道彦・74)

 s-あんずサンタローザ20200322
 あんず スモモ(サンタローザ)。

 なぜそんなに急ぐのですか 花がいそぎ春がいそぎ 私にはもうとどかない (梓志乃・82)

 s-梨の新芽20200322
 梨の新芽。

 住みつきて野火止のほとりいくたびの春あらせいとうの溢るる紫 (椎名恒治・85)

 s-木蓮20200322
 木蓮。

 このあした病衣を脱ぎて鏡あり再びわれの春かかへらむ (河野愛子・89)

 s-冬知らず2020322
 冬知らず。

 やわらかき春の雨水の濡らすなき恐竜の歯にほこり浮く見ゆ (永田和宏・98)

 s-調査中20200322
 調査中。

 ひかり風くぐりて走る一年生たんぽぽ星人たちの春です (桜川冴子・07)

 s-西洋タンポポ20200319
 西洋タンポポ。

 花あんず紅きかたへのゆすらうめ遅く咲きつつ早く散りにき (相良宏・56)

 s-山桜桃梅20200322
 桜桃(ゆすらうめ)。 
 
 きぶし咲きとさみずき咲き繰り返す年々の春いまだ早やけれど (今藤芳美・04)

 s-トサミズキ20200322
 土佐水木。

 春のめだか雛の足あと山椒の実それらのものの一つかわが子 (中城ふみ子・54) 

 s-赤めだか20200319
 メダカも無事に越冬した。池の水の濾過装置は現在フル稼働中なので、水はもっと澄むと期待。

 植木屋さんの手伝いも明日で7回目の予定。いままではいずれも新築住宅の庭造り。土を入れ、下地の砂利を入れるなどほぼ土木作業。防草シートの敷き方、モルタルやコンクリートの作り方と施工方法等々、学ぶことが多く日々新鮮。
 一方で還太植物園の木々も新芽が出てきたり、花が咲いたり、順調に成長。3日で姿が変わるのでこちらも楽しく、朝に晩に園内を歩き回っている。

 皆さま、花粉に加えてコロナウィルス・・・。ご自愛専一に願います。

漱石

 漱石(漱石沈流)。こじつけること、こじつけて言い逃れをすること。負け惜しみの強いこと。

  今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。

 晉の孫楚は隠遁しようと思っている親友の王済に向かい、「漱流枕石・流れに漱(くちすす)ぎ石に枕(まくら)す」と言わねばならないところを、うっかり「石に漱ぎ流れに枕す」と言ってしまった。王済がすぐさま「そんなことはできない」とつっこむと、彼は「流れを枕にするというのは、昔の隠者の許由のようにつまらないことを聞いたときに、自分の耳を洗うためだ。また石で口をすすぐのは歯を磨くためだ」と、うまくこじつけて言い逃れをした。「流石」と書いて「さすが」読むのも、さすがにうまく言い逃れたということ。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で、発表年を示す。

 押しひらくちから蕾に秘められて万の桜はふるえつつ咲く (松平盟子・90)

 s-河津桜③20200303
 3/3、@勿来の関。河津桜が満開。3枚続く。

水流にさくら雫(ふ)る日よ魚の見るさくらはいかに美しからん (小島ゆかり・92)

 s-河津桜②20200303

 かきくもる空に危ふく紛れむをさくらはさくらの色に匂へり (日野原典子・93)
 
 s-河津桜20200303

 ひと日ひと日石積むやうに過ごしきて馬酔木の房のふくらみに遭ふ (雨宮雅子・06)

 s-馬酔木20200303
 前回に続き馬酔木。

 青き空にさくらの咲きて泣きごゑは過ぎし時間のなかよりきこゆ (森岡貞香・87)

 s-大島桜②20200305
 3/5、@大野八幡神社。大島桜かな。2枚続く。

 瘤もてる太き幹にも桜咲く錫のやうなる白のあつまり (塚本諄・99)
 
 s-大島桜20200335

 何待つとなきこの身さへ春うごく気配につれてときめくものを (筏井嘉一・65)

 s-白文字20200305
 ここからは還太植物園。白文字の新芽。

 樹は内に一千年後の樹を感じくすぐったくてならない春ぞ (渡辺松男・97)

 s-花梨20200305
 花梨の新芽。

 里山の輪郭ぼうとけぶれるは梢々に春来たるらし (雨宮潔・04)

 s-何かな20200305
 調査中。 花水木かな。 土佐水木のようです。

 シンビジウムの葉に来し蜂が一瞬を少し滑りてしかと止まれり (市村善郎・08)

 s-シンビジウム20200305
 シンビジウム。実家の玄関土間の鉢植え。

 折れ芦の鴨の入江に陽はさしてゆきてかえらぬものに春くる (馬場あき子・77)

 s-シンビジウム②20200305
 こちらもシンビジウムかな。同上。

 s-ホテイアオイの越冬20200305
 ホテイアオイを池に放置すると、越冬できずに朽ちてしまう。ネットで発泡スチロールに入れると越冬できると知ったので、2箱試してみたら、無事3月を迎えた。夏の間に10倍以上に分結増殖するので、2箱はあれば充分。

 3月に入ったら風の強い日が多く、天気予報よりも体感温度が低い日が続いています。コロナウイルも怖いけど、インフルエンザにも要注意。皆さま、くれぐれもご自愛ください。

梅を望んで渇きを止む

 梅を望んで渇きを止む(うめをのぞんでかわきをとどむ)

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。喉の渇きを一時こらえること。魏の曹操(武帝)がある戦いで、水を汲みに行く途中、道に迷い、部下がのどの渇きを訴えたときに、「前方に大きな梅林があり、実が多くなっていてすっぱそうだ、それを心に思えば自然につばがたまるので、それでこらえられる」と言った故事に基づく。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 昏れ残る障子明かりの花のいろ馬酔木のかたに春は来てゐし (稲葉京子・75)

 s-アセビ20200221
 2/21、@勿来の関。アセビ。

 山雀(やまがら)が去りたるのちも卓上に開かれしままのポケット図鑑 (大森益雄・03)

 s-ヤマガラ20200221
 ヤマガラ。いまにも何かに飛び掛からんばかりの迫力。実はヤマガラの左下に男性が座っていて、手の平にエサを載せている。数羽のヤマガラが順に男性の手の平からエサを咥えては枝に飛び移って食事することを繰り返している。
 数年前、上野の不忍池のほとりで、手の平の上でスズメにエサを食べさせている方を二人お見掛けして以来の(◎_◎;)。

 顔を刺すひかりを感じて目覚むれば枕元の梅みなひらきたり (窪田空穂・68)

 s-思いのまま20200223
 「思いのまま」という品種。一本の木に紅梅と白梅が咲く。@還太植物園。今回の末尾の写真は、「思いのまま」の5日後の姿。

 さて、還太郎は25日から植木屋さんでバイトを始めた。花樹・果樹の剪定をちゃんと覚えたいと思い、去年からお世話になっている植木屋さん(「庭園管理植吉」の社長さん)に、無給でいいので仕事を手伝わせて欲しいと依頼。「剪定の仕事ばかりではないので無給では困る」とのことで、時給(金額は㊙)を頂くことになった次第。

 人手が欲しい時に連絡を頂くのだが、今回は25~27日の3日間、新築住宅の庭造り。ボランティア活動で身体を鍛えたつもりだったが、とんでもない。慣れないことをするのは大変。結構疲れた。最初の案件が3日で終わってホッとしているのが正直なところ。でも、次のお呼びが掛かるのを心待ちにしているのも正直なところ。

 傾きて土より立てる梅の幹影ひくほどの薄日さし来つ (葛原繁・80) 
 
 s-100年梅20200228
 今年の梅の花は例年以上にきれいに思える。暖冬のせいか、花が大きく数も多いのではないか。そんなことで、2/28は91歳のお袋と近郊梅花巡りの2時間弱のドライブ。こちらの梅は、樹齢100年超(大きな方)とのこと。 
 
 鶴と思へば鶴に見えきつ梅ひと木遠回りつつ飽かぬひとりを (春日真木子・95)

 s-百年梅20200228
 別の角度からもう一枚。

 花喰いの鳥のごとくに飢うる身にうそうそとひとり梅園をゆく (玉井清弘・93)

 s-梅⑩20200228

あやまちて針に刺したる指先に膨るる血のたま梅の蕾は (渋谷みづほ・07)

s-梅⑧20200228

 ひらきたる梅花がひとつひとつ持つうす緑の萼(うてな)かなしさ (野村清・73)

 s-梅⑦20200228

 この山もあの山も眠り給ふかな佛みし目に梅しろく咲く (辺見じゅん・96) 

 s-梅⑥20200228

 谷深く散りゆく梅の花びらのいま抽象に近き一片 (井谷まさみち・87)

 s-梅⑤20200228

紅梅の芯あかるくて曇日の寒き光はそこに集まる (遠山光映・56)

 s-梅④20200228

 膨らみし花を宙空に飛び咲かせ寒風に梅は毅然と立ちぬ (大滝貞一・01)

 s-梅③20200228

 老木に冬日を凛と梅咲けり人のひと生(よ)のいかなるときか (井田金次郎・04)

 s-梅20200228

 ひなぐもりやさしき色に咲き出でて紅梅白梅古寺の屋根 (久泉迪雄・99)

 s-おもいのまま②20200228
 「思いのまま」。

 2月9日の活動を以って、いわきのボランティアセンターは活動終了。それから20日間、今の時期は畑の雑草退治もなく、時間を持て余している。そんなこともあり、植木屋さんの手伝いを始めた次第。そもそも還太郎は美的感覚に乏しい。剪定作業もやはりセンスが欠かせないのは分かっているが、自己流で剪定するのは実家の庭や畑なので、他人様に迷惑は掛からないと居直っている。

 コロナウイルスがとどまる処を知らない勢いです。皆さま、くれぐれもご注意願います。還太郎も、母校野球部の甲子園大会応援は止めることにしました。

 s-img055 (3)
 そんなことを友人の「N村村民」さんにメールしたら、上の本を紹介され、早速Amazonで購入。著者は1988年スウェーデン生まれ。19歳で日本に移住、23歳で造園業に飛び込み、26歳で日本国籍取得。日本名「村雨辰剛(むらさめたつまさ)。「N村村民」さんが何故この本を紹介してくれたのかは分からないが、まあ私の若い頃に似てないこともないか・・・。(ブーイング多数)

 

新豊の折肘翁(しんぽうのせつびおう)

 「新豊の折肘翁」は、辺功(へんこう・国境付近でたてた手柄。国境の異民族を征伐した手柄)を戒めたもの。「新豊」は県名で、陝西省臨潼県(せんせいしょうりんとうけん)の東北。漢の高祖が豊の民を移して作った町。徴兵を忌避して自分の肘を折り、自ら不具者となった翁を主題として、白楽天が当時の政策に対し、徒に外征を企て武功を立てても人民を苦しめるだけだと諷刺した。 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』から。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 海峡の彼方の島の陽だまりに幸ある如く人家寄り添う (吉田みのる・06)
 
 s-冬陽20200211
 ここから6葉は@勿来の関。

 よるべなき沈黙(しじま)といへど濃密に苔咲く上を光移ろふ (小中英之・81) 

 s-冬陽②2200211
 陽だまりの中、コケも元気。

 徐行する列車の窓に川底の泥に陽のさす処見えたり (高安国世・78)

 s-冬陽③20200211
 実葛蔓(サネカズラ)かな。独特の紅葉。

 こんなにも赤いものかと昇る日を両手に受けて嗅いでみた (山崎方代・80)

 s-八重の梅20200211
 梅。

 その光響ける如く寒の日の夜空に満ちて星の輝く (戸田佳子・85)
 
 s-八重の梅②4720200211
 アップにすると・・・。

 たんぽぽのぽぽのあたりをそっと撫で入り日は小さきひかりを収(しま) (河野裕子・95)

 s-桜の蕾20200212
 もうすぐ咲きそうな桜。 

 窓ゆ入る春の陽射しを掌(て)に受けて冬を堪へ来し魂あらふ (浜守・06)
 
 s-黄色の花20200211
 ここからは@還太植物園。姫立金花(ヒメリュウキンカ)。

 日だまりの芝生に背を干す老女いて仏のような顔に居眠る (上川原紀人・08)

 s-ヒメリュウキンカ20200212
 翌日観たら満開。

日だまりの笹生にまろび仰ぐ蒼(あお)歓喜おそひ來山のうへの空 (窪田章一郎・73)
 
 s-木蓮20200211
 木蓮。

 まだ一年もう一年と数えいる光の粒か時間というは (山田震太郎・91)

 s-梅20200211
 梅。

 戸を引けばすなはち待ちしもののごとく辷(すべ)り入り来(き)ぬ光といふは (宮柊二・74)

 s-なにかな20200212
 1月から元気に咲いている。名前は調査中。 エキナンサス。

 鳥のために樹は立つことを選びしと野はわれに告ぐ風のまにまに (大塚寅彦・03)

 s-頭高20200113
 2/13、2018年6月までいたかすみがうら市へ。友人の見舞い出掛けたのだが、夜は5人で飲み会。写真は@霞ヶ浦総合公園。頭高。

 貧しかることばを尽くして詠はむに木末(こぬれ)の鳥に「虚虚」(きょきょ)と鳴かれるる (羽生田俊子・99)
 
 s-頭高②20200213

 今年子の目白とびかふ花のあひだ乾ける空気動くことあり (吉田正俊・81)
 
 s-鶯20200213
 目白。

 目白来て鵯(ひよ)が来て人も寄る樹齢百年の白梅勢えば (大下一真・04)

 s-鶯②20200213
 
 ひらひらと日毎舞ひくるひよどりの庭に呼び合ふ声は桃色 (藤岡武雄・92)
 
 s-鵯20200213
 鵯(ヒヨドリ)。

 さて、いま2/14の17時過ぎ。ボランティアセンターからの連絡はなく、1月から土日だけになっていた活動も、明日・明後日はない見込み。明日は、還太植物園のツツジと山茶花にお礼肥えを施そうかな。

 皆さま、昨日今日は気温も10数℃になりました。春の到来ですね。お元気にお過ごし願います。

 

乾を施らし坤を転ず

乾を施らし坤を転ず(けんをめぐらしこんをてんず)。

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店・1985年4月刊)から。「乾」は、易(えき)の卦(か)の一つで、上にあって強い・治める・始めの意。転じて、男・天・君主などの意に用いる。「坤」は、同じく易の卦の一つで、下にあり従順の意。転じて、陰・女・大地、臣下などの意に用いる。ここでは、天と地で文武を振興し、六、七十年の旧弊を一変して改革することが、天地を施転するようであること。
 因みに「乾坤一擲」(けんこんいってき)は、運命をかけて、のるかそるかの大勝負をすること。
 
 今回の短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月刊)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で、発表年を示す。

 空を背に蝋梅咲けり目に見えぬ標(しめ)あるごとき花の空間 (尾崎左永子・96)

 s-ロウバイ20200124
 1/24、ビッキさんの「山学校」校庭にて。蝋梅。雫が光る。

 蝋梅の南無南無南無(なむなむなむ)と花増えて今日あたたかききさらぎの雨 (小島ゆかり・02)

 s-ロウバイ20200130
 1/30、勿来関の近くにて。蝋梅が満開。

 菜の花はあざやかにして卑しからず歩みゆるめて勤めに向ふ (常磐井猷麿・06)
 
 s-菜の花20200131
 1/31、農道散歩での一枚。

 Youtubeで約40種の野鳥を確認と紹介されていたので、2/4、群馬県館林市の県立多々良沼公園に出掛けた。片道190kmのドライブ。北関東道の茨城・栃木県境のトンネルを抜けると、遠くに薄っすらと雪を被った男体山が目に飛び込んできた。(以下の写真は全て多々良沼にて撮影。)

 雪山に登りしことなし知らぬこと生きて多かる一つに過ぎねど (窪田章一郎・83)
 
 s-男体山20200204

 朝のポストに手紙を入れる少女いて雪あたらしき今朝の連嶺 (三枝浩樹・00)

 s-谷川方面20200204
 地元の方に伺うと、「谷川方面だけど山の名前は分からない」と。

 雪山は寒さきびしく凍傷の鴉がときに落ちるとぞ聞け (塚本瑠子・05) 

 s-浅間山頂20200204
 こちらは真っ白な浅間山頂。

 多々良沼の周囲は一周5.7kmの散策路が整備されている。日当たりがよく、風もないのでジャンバーを脱いで歩き出した。

 渡り来てはぐくむ鴨よ戦はぬ誇りあやふき国の水辺に (竹村紀年子・02)

 s-鴨②20200204
 地元の方によると、「今年は異常な暖冬で、いつもなら山から下りてくる野鳥も少ない。白鳥や鴨などの渡り鳥は例年通り来ているけど」とのこと。確かに鴨類は多い。

 人恋ふる危ふさ隠しもつ妻ら冬の堤の鴨の首筋 (佐田公子・92)

 s-オナガガモ20200204
 尾長鴨。

 蒼鷺は今日三羽ゐて三方に別れゆきたり小さきみづうみ (石川不二子・96)

 s-アオサギ20200204
 アオサギ、2葉。

 水銀を含みにけりなしろとりの中なる鷺もつとも異(あや) (葛原妙子・77)

 s-アオサギ②20200204

 くくられてもぐりて獲りて喝采をあびる鵜われらといかほど異(ちが) (大塚陽子・82)
 
 s-川鵜20200204
 川鵜が沖合の浅瀬で日光浴中。羽というより鱗のような模様で若干不気味。

 定かには見えねど空の道ありてたましいのような白鳥がくる (楠田智佐美・98)

 s-小白鳥20200204
 小白鳥。

 かつて国敗れし冬も白鳥は来てゐしか数千羽湖おほひたり (大塚陽子・82)
 
 s-コブハクチョウ20200204
 瘤白鳥の若鳥かな。

 蜜欲りてけはしき快癒あかつきの夢の甍を鶺鴒ありく (塚本邦雄・79)

 s-セグロセキレイ20200204
 セグロセキレイ。

 さくらばな見てきたる眼をうすずみの死より甦(かへ)りしごとくみひらく (雨宮雅子・80)

 s-十月桜20200204
 十月桜。

 2/1のボランティア活動。キャビネット(幅90cm×高さ180cm)12個を倉庫に戻してほしいとの依頼。現地にて作業をしつつ、依頼者さんにキャビネットの使途を伺うと、何と約26,000に及ぶ植物標本とのこと。そのうち5,000ほどが水に浸かってしまったが、全国の8大学が修復作業を分担し、もうすぐ先ず福島大学に戻ってくる由。植物学を御専攻ですかと伺うと、独学との御返事。農業を営みつつ、日本植物分類学会会員・環境省希少野生動植物保存推進員・いわき市文化財保護審議会委員の由。
 奥様は、「標本よりも家の復旧を優先してほしいのですが、長年一生懸命にやってきたことですから、しょうがないですね」と。すごい人が地元にいるものだと感嘆した次第。

 2/2は大きな倉庫からの災害ゴミの搬出。前の週にも約20名で庭先に持ち出したのだが、お爺さんが大工さん、お父さんが電気工事屋さんだったとのことで、電動工具、大工道具や大量の部品に加えて昔の農機具等々もあり、14人で2回目の作業となった。顔なじみのメンバーが多く、特に分担を決めないで作業を開始しても齟齬をきたすこともなく、着々と進行して昼には終了。80歳になったとおっしゃるおばあさんが、なんと吉牛の牛丼を手配して下さった。事前にお話があれば当然お断りするのだが、「もう買ってきてしまったのだから食べてくれないと困る」とおしかりを受け、やむなく頂く。こんなことは初めて。

 先週半ばにも大雨があり、2,3の河川で氾濫に備えて避難指示が出た地域もあった。特に高齢独居の被災者がまた被災したらどういうことになるかと危惧したが、幸いにも氾濫はなく安堵。
 
 今回はここまで。海外でコロナウイルスが猖獗を極め、国内でも罹患者が出ているからでしょうか、近所のスーパーでもマスクはほぼ売り切れ状態。皆さまもお気をつけ願います。

 追伸。年末から前回までの拙ブログに関し、S先輩から植物名のアドバイスをいただきました。青字で訂正いたしましたので、ご確認していただければ幸いです。 

本来無一物

 本来無一物。 

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店・1985年4月20日刊)から。
 『本来無一物』(ほんらいむいちぶつ)は、仏教で、全ての現象はもともと空(くう)で、絶対の存在はひとつもないこと。一切を空と悟って、ものに執着しない自由自在の心境。

 今回の短歌は、『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月30日刊)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 冬なれば毛深くなりしわが犬と外套を着し我と歩めり (高安国世・55)
 
 s-裸木20200116
 いつもの農道散歩。裸木が清々しい。

 付きて来し犬の姿が忽然と消えたるあたり青き空間 (大野誠夫・65)

 s-鳶20200116
 鳶の若鳥らしい。成鳥の尾羽は三味線のばち型になるが、そこまでは成長していない。何か気配を感じたのか振り返った瞬間。

 尾を追ひてまはる仔犬よ音符の輪きらきらしくて島の日だまり (大西民子・71)

 s-鳶②20200116
 アップにしてみたら、親鳥とはぐれてしまったかのような寂しげな眼差し。

 日のくれに帰れる犬の身顫ひて遠き砂漠の砂撒き散らす (大西民子・71)

 s-田人路②20200117
 これと次の写真は阿武隈山系の田人路。私が住むアパートの3階のベランダから西方に見える阿武隈山系を朝に夕に眺めているが、雨の日は白く煙って見えることが多く、山は雪かなと思う。どんな状態かな、何処まで行けるかなと出掛けて見たら、雪はこんな状態。「はだら雪」という言葉が浮かんできたが、念のため辞書をひくと、「まだらに降り積もった春の雪」の由。1月の雪には使わないようだ。1/19、ボランティア活動で一緒のグループになった新潟の方も、極端な雪不足とおっしゃっていた。

 曲がり角知り合いの犬と出会いたり間のわるき顔を一瞬したり (高安国世・78)

 s-田人路20200117
 ブナやコナラの原生林も1月の様相ではない。

 思ひつくといふこと犬の身にもあらむ雨の中来て戻りゆきたり (高栁サダエ・83)

 s-日だまり②20200117
 ここから6葉は@勿来の関。S先輩から御教示あり。サネカズラ。次葉も。以下、青字はS先輩からの御教示。

 犬はいつもはつらつとしてよろこびにからだふるわす凄き生きもの (奥村晃作・88)

 s-日だまり20200117

 ゆうぐれは犬にも愁あるごとく傍らに来て焚火をみつむ (王紅花・95)

 s-裸木②20200117

 ぐずりし犬もいつしか眠りたり泣き寝入りするは人間(ひと)のみならず (石田比呂志・95)

 s-なにかな20200117
 コウヤボウキ。

 犬の仔の耳やはらかく幾度(いくたび)も形を変へて風を聞きをり (渡辺幸一・97)

 s-アカゲラ②20200117
 アカゲラ2葉。木の枝が邪魔して、アカゲラの眼に光が届かず、置物のように見えてしまう。

 あたし犬あたしの仲間は人間で犬の友達おりませんの (梅澤鳳舞・99)

 s-アカゲラ20200117
 コゲラは何度も撮ったことがあるが、アカゲラは珍しい。

 さざんくわは空(くう)を切るはなほろほろと切らるる一切空の世界よ (水原紫苑・99年)

 s-山茶花20200120
 ここから以下は1/20の還太植物園。赤花の山茶花。
 
 山茶花はゆふべの雲にしろたへの花まぎれんとして咲きゐたり (佐藤佐太郎・75)

 s-山茶花②2020120
 白花の山茶花。

 心耐へてこの幾日をありにしか犬にもの言ふ今朝の子のこゑ (大河原マス美・00)

 s-ツワブキ20200120
 石蕗(つわぶき)。バックは赤花の山茶花。

 キュッと鳴る玩具を咬みてみずからをしずむるすべを仔犬は覚ゆ (上野久雄・01)

 s-水仙20200120
  水仙。

 花の奥にさらに花在り私の奥にわれ無く白犬棲むを (水原紫苑・04) 
 
 s-母子草20200120
 母子草。

 あのやうな人になりたかった私を人間になりたかった犬が見てをり (稲葉京子・05)

 s-なにかな20200120
 調査中。 松吉さんからご教示り。「オキザリス・ヒルタ」。葉に酸味があることから「オキザリス」(ギリシャ語で「すっぱい」を意味する)とついた。和名は木立花片喰(きだちはなかたばみ)。「ヒルタ」は何かな。いわきには「蛭田」さんが大勢いるんだけど・・・。
 更にS先輩から御教示あり。オキザリス・グラブラとのこと。「ヒルタ種は立ち性で上に伸びる。寒さに少し弱いようです。グラブラ種はヒルタ種より花弁がよく展開し丸くなる。上に伸びない。当地でもよく普及しています」とのこと。

 わが犬はぢっと目を見て話聞く留守を頼むにまなこ逸らせり (土屋亮・06)

 s-なにかな③20200120
 調査中。葉は肉厚に見えるが、実際に触ってみるとそれほどではない。たくさん見かける。松吉さんからご教示あり。金盞花(キンセンカ)とのこと。但し、Wikipediaでは「花径10cmほど」と記載され、『季節の花図鑑』(日本文芸社)では「花径1~5cm」との記載。でも、葉の形からしても「キンセンカ」のようだ。

 更にS先輩から御教示あり。「広義のキンセンカに含まれるので、ここままでもよいです。しかし、現在一般的にキンセンカというと、花径が10cm以上の切り花や花壇植えされる品種をさします。お写真のように小輪のものはヒメキンセンカあるいはホームセンターなどで使う流通名フユシラズ、と呼ばれます。」とのこと。

 メロンパン犬と分けあふ昼さがりお前も私も微塵のいのち (渡辺茂子・07)

 s-オオイヌノフグリ20200120
 オオイヌノフグリ。庭のあちこちに咲いている。

 今回はここまで。皆さま、お体を大切になさってください。

 追記

 冬といへ春思はせる暖かさ照る陽のどかに空澄みわたる (小澤知江子・08)

 s-八重の梅20200121
 今日(1/21)、勿来の関へ行ったら梅が咲いていてびっくり。その一角だけ華やいだ光景が広がっていた。
 
梅の香の甦す微かな痛みあり春は来るより返さるるもの (高村典子・08)

 s-八重の梅②20200121

 「勿来関文学歴史館」の海側の傾斜地に咲いていた。花びらの先端が割れているのが桜、尖っているのが桃なので、丸い花びらのこれは梅だと思う。

 以上です。
 
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還太郎+7

Author:還太郎+7
畑や庭での作業を楽しんで、晩酌・早寝・早起きの毎日です。読書やドライブも好きです。

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