FC2ブログ

它(た)無し

 它(た)無し。 ご無事ですかの意。「它」は、頭の大きい蛇の象形文字で、マムシやハブのような毒蛇のこと。古代生活では、農耕や旅行などの山野で毒蛇に噛まれる被害はかなりのものであった。このありがちな災難の有無を問うのが、日常の挨拶になったことば。日本の「つつがなきや」と同意。
 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。また、短歌は水原紫苑『うたうら【決定版】』(深夜叢書社刊)から。

 窓あらぬひとのからだのさびしけれ病むなる六腑月をまちつつ

 s-ヨシキリ20200525
 近くの農道で。お馴染みのヨシキリ。

 象来たる夜半(よは)とおもへや白萩の垂るるいづこも牙のにほひす

 s-ビロードモウズイカ20200527
 以下は還太植物園にて。ビロードモウズイカ 3葉。これは5/27の姿。

 青銅期ひとかなしみの深くして朝はまなこゆ葡萄こぼれき

 s-ビロードモウズイカの花穂20200602
 こちらは6/2。花穂に黄色の花が咲き始めた。

 亡きひとは純白の橋 踏みゆけばいまだ脈打つごとく揺れたり

 s-ビロードモウズイカの花20200603
 そして6/3。根元から花穂の先端までで110cmほどに成長。

 うつくしき弥勒となりしあかまつのいたみをおもふ幸ひとして

 s-サザンカの新葉20200527
 サザンカは5月頃に新旧の葉が入れ替わる。新葉は初めは紅いが徐々に緑になる。葉が異様に肥大化する「もち病」が発生してしまったので、毎朝見回って切除している。

 白魚のひかりまがなし科(とが)ありて海に咲きたるさくらと思ふ

 s-エゴの花とハナムグリ20200527
 エゴの花。ハナムグリの来訪しきり。

 うつしゑの犬ほのぼのとうつくしき耳の柔毛(にこげ)に舟かただよふ

 s-ヒメイワダレソウ20200527
 ヒメイワダレソウ。花の直径は1cmほど。どんどん増殖中。

 さびしさよ柿の木なれば青き葉を多(さは)にまとへり湯浴みの刻(とき) 

 s-何かな20200603
 ニワゼキショウ。こちらも増殖中。
 
 部屋ぬちのはかなき旅と知りぬらむ百合の香はつかわれを越えつつ

 s-シロツツジ20200603
 今頃咲いたツツジ。

 ひつたりと冷蔵庫閉づ切り爪のきららを深くしまへるごとく

 s-スミレ20200603
 スミレ。

 黒ぶだうはるかに匂ひ鋼鉄がかへりゆくなるふるさとを思ふ

 s-還太池20200602
 池の半分ほどをウォータークローバーが占めている。 

 カーテンのさみどり映るわれらより樹霊は発ちて絶えずひびけり

 s-スイレン②20200602
 スイレン3葉。

 みごもれる葡萄つめたしつめたしとたれか言ふこゑその青きより

 s-スイレン③20200602

 夏帽子かぶらぬ君に降り来たる古鏡砕片(こきょうさいへん)なほもうつし世

 s-スイレン④20200603

 一管の笛のごとくにおとろえて帰る日あらむと竹に知らゆな

 s-葉長オモダカ20200603
 葉長沢潟(はながおもだか)。

 5/29、16時から還太植物園にて『庭飲み会』を開催。参加者は実家の近所の方々(71歳、70歳、67歳2名)。後から仕事帰りの弟も参加。最年長の方が最近奥様を亡くされたのだが、49日も明けたので激励会をしよう、飲み屋さんに行くのは「3密回避」の観点からまずいので、庭で飲もうということになった次第。
 ビールケースなどの上にコンパネ(180cm×90cm)を置き、その周囲に椅子を配置。飲み物と簡単なつまみはスーパーで仕入れてきた。同級生がイノシシ肉・山菜を調理して持参。飲み物はビール(500ml12缶)、ハイボール(500ml5缶)、酎ハイ(同)、日本酒(大吟醸720ml2本)。全てを飲み干したわけではないが、大いに盛り上がる。イノシシ肉も柔らかくて臭みは全然なく、美味しかった。
 オンライン飲み会は3回、庭飲み会は1回やったが、どちらも癖になりそう。

 閑話休題。さて、還太郎は通信教育で日本園芸協会の『庭園技能講座』の受講を始めたことは既報の通り。テキストを開くと先ず「庭園の定義」が記載されている。

・庭園の定義
 「個人の住宅に接続し、生活に直結した何らかの物によって囲われた場所で、個人の好みに応じて、実用、鑑賞、休養、遊びなどに利用されるために、植物や工作物が計画的、美的に配置され、よく管理された空間。

 「庭」という字はニワ・テイと読み、もとは廷と書いて広い場所の意でした。それが屋根(まだれ)の下に入ってできた字で、家の中の土間や中庭を表します。宮中や役所の中庭の意味もあり、そこに役人が参賀するのでこれを朝廷といいます。また裁判を開くことを開廷というように、白州の意味もあります。
 つまりニワとは、植物とは全く関係なく、もともとまつりごとや作業をする「場」でした。ですから「庭」も「ば」と読みます。江戸時代でも、土間のことをニワと言っていた地方もあるようです。
 つぎに、「園」という字は「植物を集約的に栽培する場所」のことで□で囲まれています。これは、自分の所有地を外からの侵入に対して守る囲いを意味しています。


 この文章を読んで、最後まで続けられるような気がした。今後が楽しみ。皆さま、どうぞ御機嫌よう。
 
 

 

 

 

梅母鶴子

梅母鶴子(ばいぼかくし)。風雅な生活の形容。宋の林逋(りんぽ)は妻子がなく、名勝の西湖に隠遁して、ただ梅を植え鶴を飼って楽しんだという故事に基づく。
 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。

 5/19、今日は一日雨。庭にも畑にも出られないので、今までに撮った鳥類の写真を並べてみることにした。短歌はお休み。 

 s-アオジ20200107
 アオジ。近くの農道で。
  
 s-アカゲラ20200117
 アカゲラ、@勿来の関。

  s-アカハラかな2190730
   実家にて。アカハラかな。

 s-カシラダカ20200107
 カシラダカ。近くの農道で。

 s-ガビチョウ20141122
 ガビチョウ。@勿来の関。

 s-カワセミ20170219
 カワセミ。3葉とも春日部の内牧公園にて。

 s-カワセミ20150501


 s-カワセミ②20170219


 s-キジ20160504
 キジ♂。近くの農道で。

 s-キジ20120630
 キジ♀。春日部の内牧公園にて。

 s-コゲラ20150922
 コゲラ。内牧公園にて。

 s-シラサギ20120512
 シラサギ。内牧公園にて。

 s-シラサギ20130921
 シラサギ。いわき市鮫川河口にて。赤い嘴の「白鷺」はいないてすよね。ダイサギかチュウサギかな。嘴の色、飛行中の首の形から推定。『日本の野鳥』(山と渓谷社)刊には「シラサギ」という鳥は載っていない。

 s-チョウゲンボウ20131230
 チョウゲンボウ。内牧公園にて。

 s-ツグミ20151226
 ツグミ。@いわき市小浜町にて。

 s-ヒバリのヒナ20120617
 ビバリのヒナ。@渡良瀬遊水地。

 s-ヒヨドリ20130103
 ヒヨドリ。いわき市錦町にて。 

 s-ふくろう
 フクロウ。盛岡の鉄器店で購入。

 s-ムクドリ20150505
 ムクドリ。@東久留米の落合川にて。

 s-モズ20150504
 モズ。@いわき市錦町。

 s-モズ20190622
 モズ。近くの農道にて。巣作りの準備かな。
  
 s-もめる鳩首会談20190404
 ハト。鳩首会談決裂、乱闘になる。いわき市錦町にて。

 s-鳥20180113
 地元の銀行さんからの頂き物。

 s-ヨシキリ①
 ヨシキリ。昨年の今頃、近くの農道にて。

 s-ルリビタキの雌かな20191227
 ルリビタキの♀かな。近くの農道にて。

 s-鵜20140329
 川鵜。いわき市鮫川にて。

 s-霞ヶ浦20180203
 水鳥たちの休憩所。@霞ヶ浦。

 s-ペンギン
 オーストラリアのお土産。先頭と3番目は鳥類。いや、3番目のカモノハシ?は哺乳類。

 s-鴨類の集団20140125
 鴨類集団。@鮫川の沼部大橋付近。

 s-四十雀20160131
 シジュウカラ。@内牧公園。

 s-蒼鷺20180113
 アオサギ。@霞ヶ浦。

 s-鳥②
 鶏。クロアチア・ドブロブニスクのお土産。

 s-鳶20200116
 トビ。近くの農道にて。

 s-目白20131230
 目白。@内牧公園にて。

 s-目白20200213
 目白。@霞ヶ浦。

 今日は17時からオンライン飲み会。そろそろ準備しなければ。皆さま、「3密」回避ですよ。とは言っても現役で働いている方達は全てテレワークともいかないですよね。お気をつけて下さい。

修羅の巷

 修羅の巷(しゅらのちまた)。目も当てられない惨憺たる有様の場所。或いは激しい戦闘や騒乱の場。 

 「修羅」は阿修羅の略。サンスクリットAsuraの音訳字。六道の一つで、須弥山(すみせん)の北、大海の底、或いは海岸、或いは四州の山間にあるという。その王は、嫉妬、猜忌、執着の念強く、剛力で闘争を好み、常に仏法帰依の人を守護する梵天・帝釈と争う神である。それで惨憺たる光景を形容することばに使う。

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。また、短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で、発表年を示す。

 定職のない人に家は貸せないと言われて鮮やかすぎる新緑 (松村正直・01) 

 s-広葉樹の林20200507
 阿武隈山系田人路(以下6葉)。ブナ、コナラなどの新緑の森。

 いつせいにすももの蒼を浴びて立つ人間であることの淡さに (高島健一・88)
 
 s-すももかな20200507
 スモモかな。

 いつしんに木苺の実を食らふとき刻々ととほき東京ほろぶ (小野茂樹・71) 

 
s-木苺20200507
 木イチゴ。

 能古島は指呼の間となり膨らめる春のうしほへ船は水脈曳く (渡辺茂子・03)

 
s-モミジ20200507
 あまり目立たないが手前中央部に殆ど花が散ってしまったサクラ。その後ろのオレンジがかった黄色の葉はモミジ。時間の経過とともに下の方のような真っ赤な葉になるようだ。

 蝶追ひて見知らぬ森の路ゆきぬ子の背を隠す夏草の花 (大野誠夫・65) 

 s-クサノオウ20200507
 クサノオウ。名前の由来は諸説ある。葉などを傷つけると黄色の乳液を出すので「草の黄」、皮膚疾患に有効な薬草という意味で「瘡(くさ)の王」、皮膚疾患以外にも鎮痛剤として内臓病に用いられたことから薬草の王様という意味で「草の王」。

 君に従きて登る坂道うつすらと漂ふごとき著莪(しゃが)の明るさ (前田彌生・03)

 s-シャガ20200507
 シャガ。

 ゆらぎつつ咲ききはまりし白妙か花のいのちは短かりとも (吉田正俊・70)

 s-ツメクサ20200508
 ここからは@還太植物園。ツメクサ(草)。花径は4~5mm。何度撮ってもピンボケ。因みにシロツメグサは白草。つめくさという名は同じでも字が違う。

 みずからの手もて葬(はふ)りし青春の姿にてクローバの青きに沈む (大野誠夫・65)

 s-ウォータークローバー20200508 
 
ウォータークローバー。全て四つ葉。


 動きゆくさ霧のなかにみづからの色深めゐる牡丹の花々 (初井しづ枝・56)

 
s-牡丹20200510
 ボタン。老木なのだが今年も咲いてくれた。

 安土野の白き夢幻と訪ね来しナンジャモンジャの花散り初むる (渡辺茂子・01)

  s-ヒトツバタゴ20200513
 ヒトツバタゴ(一つ葉田子)。同じモクセイ科のトネリコ(別名タゴ)に似ており、トネリコが複葉であるのに対し、これは小葉を持たない単葉であるとから「一つ葉田子」。
 別名は「ナンジャモンジャ」。ただ、地方によってはクスノキ、ニレ、イヌザクラ、ボダイジュなどもそう呼ばれるとのこと。

 萌えいでし若葉や棗(なつめ)は緑の金、百日紅(ひゃくじつこう)はくれなゐの金 (宮柊二・72)

 s-ナツメの新葉20200513
 ナツメの新葉。

 人生はあやなす闇へ一茎の菖蒲芽ぶけり刃(やいば)のごとく (中川昭・89)

 s-ダッチアイリス20200513
 ダッチアイリス。

 庭坂をおりて竹村(たかむら)のもとに來つ白う見えしはつづじがさける (佐佐木信綱・56)
 
 s-躑躅②20200513
 ツツジ。

 ぐわぐわとつつじひらけり陽のもとに押し出されゆくくれないの舌 (鈴木英子・05) 

 s-躑躅20200513
 ツツジ。@還太植物園はこまで。

 じゅっぽんのゆびを広げて指の間に五月の風を入れております (上野春子・00
 
 s-ヨシキリ②20200514
 今年、やっと撮れたヨシキリ。還太郎の住まいの西側には何十枚もの水田が広がっていたが、その大半に太陽光発電のパネルが設置された。休耕田だったところはネコヤナギやアシなどが生い茂り、ヨシキリやウグイス、キジなどの繁殖地なっていたのに・・・、残念。まだパネルの設置工事は続いており、野鳥の撮影も困難になってしまった。
 14日朝5時半頃、やっと撮れた。


 時間ひらたく大皿の縁にもりあがり今しあふれん五月の朝 (糸川雅子・00)

  s-ヨシキリ20200514
 
 ヨシキリの鳴き声が聞こえるのは5~7月中旬の間。仁部富之助著『野の鳥の生態』(大修館書店・1979年刊)の第4巻に、ヨシキリについて記載がある。以下、引用。

 五月、六月は鳴きほこる雄親の自慢の喉も、七月中旬頃から、そろそろあやしくなり、同下旬には急にとまってしまう。鳴かなくなったのではなく、時期がくると、鳴きたくても鳴けないのだ。彼らのある者が突如不如意になった自分の身、自分の喉を怪しむかのように、けんめいに声をしぼっているのをときどき見るが、いったんとまった喉はふたたびほころびることがない。いや、翌年の初夏までは長い長いお預けである。

 無数に生息する歌手たちが、その時期になるとわれわれの想像以上、急に鳴きやむことは意外である。秋田地方で女房達の会合とか、井戸端会議のおしゃべりが、突如とぎれた瞬間、「土用が来た」といって皆を笑わせる風習がある。これはもちろん、にぎやなオオヨシキリが土用の声を聞くと急に止まることになぞらえてのことであるが、けだし適切な諷刺といよう。


 閑話休題。還太郎は「庭園技能講座」の通信教育を受けることにした。昨年受講した「農業簿記3級講座」は終盤に挫折しそうになったが、家族や友人に言ってしまった手前、最後まで頑張らざるを得なかった。今回も、先ず宣言ありきで退路を断つ。乞うご期待。

 コロナ禍もちょっと下火になったようですが、油断大敵。皆さま、どうぞご自愛専一に願います。

  

口耳の学

 「口耳の学」(こうじのがく)。耳で聞いたことをすぐ口に出す薄っぺらな学問。人から聞いたことを十分に理解しないで、物知り顔にすぐ人に告げること。

 出典は荀子。「君子の学は、耳より入りて心に着き、四体に布(し)きて動静に形(あら)はる。端(ささや)きて言ふことも、蝡(みじろ)ぎして動くことも、一(いつ)に以て法則と為すべし。小人の学は、耳より入りて口より出づ。口耳の間は即ち四寸なれば曷(いずく)んぞ以て七尺の軀(からだ)を美とするに足らんや。

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書房)刊から。また、短歌は前回に引き続き水原紫苑歌集『びあんか』【決定版】(深夜叢書社・2014年刊)から。

 ヴァージニア 星に惑ひて焚火せよさくらさくらのルフランののち


 シャクヤク20200505
 以下、@還太植物園。芍薬(しゃくやく)。根元から花頂まで約80cm。それでいて花の直径は10cm超。支柱で支えないと茎が折れそう。


 美しき脚折るときに哲学は流れいでたり 劫初馬より


 s-黄色の牡丹20200505
 その隣に牡丹。 

 しんしんと指の先から絹と成り薬草園のきみに逢ひにゆく

 
 s-ブルーベル20200505
 ますます元気なスパニッシュ ブルーベル。

 ひびきあふ体内時計のみづいろを風に問はれて応ふべからず


 s-棗の新葉②20200505
 庭の植木は花期を終えて新葉をつけているもの、或いは新葉の後に花を咲かせているものが殆どだが、この棗(なつめ)だけが冬の姿のままだった。枯れてしまったのかと案じていたところ、新葉が枝のそこここに芽生えて一安心。

 瓦斯室の歴史学びし少年が午前二時過ぎ弾くモーツァルト


 s-花水木20200505
 花水木。

 夏空に帽子あゆみて父見えず白き野ばらの垣をめぐれり


 s-ビロードモウズイカ20200505
 ビロードモウズイカ。大きな葉から伸長した長い花穂に黄色い小花が密生し、高さ2mにもなる2年生植物とのこと。還太郎は見たことがなかった。どうして生えてきたのか不可解。アメリカ中西部では「Cowboy Toilet Paper」と呼ばれる由。

 一行の古詩読みえざる茶房にて樹木はくらき紅葉なせり


 s-オニタビラコ20200505
 オニタビラコ。

 やはらかき紫煙の中に舞ひゐたる微小の鳥の微小のまなこ


 s-アジュカ20200505
 日々成長するアジュカ。花穂がこんなに長くなるとは。

 顔おほふ花束持ちて来る者は水上をゆくごとく歩めり


 s-山吹20200505
 ここからは阿武隈山系田人路の林道にて。山吹。

 星々のはらわたはつか見ゆる朝酸(す)きくだものを鞄に容れぬ


 s-リンドウ20200505
 竜胆。 フデリンドウ。

 花去りて夕(ゆふべ)もつとも美しき猫の柔毛(にこげ)にくらき芯あり


 s-ムラサキケマンかな20200505
 ムラサキケマンかな。

 白菊はみだらなるかもかぎりなき舌にひとつの言葉をもたず


 s-ハコベ20200505
 ハコベ。 ミヤマハコベ。

 積み石の城に出で入る風は見ゆ 遊びののちもまた遊びなれ


 s-タチツボスミレ20200505
 タチツボスミレ。

 橋わたるあまたの童(わらしべ)(もだ)しつつ緋雲夕雲かをりて近し


 s-ズミかな20200505
 調査中。

 しづまりて銀の匙ある しあはせはつね背後よりわれに来たらむ


 s-ウマノアシガタ20200505
 馬の足型。黄色の花が油で磨かれたように光っている。

 眉さへも流してしまふ霧のなか魚(うお)食むひとのめぐり明るむ


 s-フジ2020505
 藤。

 今年も畑や畦道の雑草との格闘が始まった。せっかくきれいにしても、10日もしないうちに雑草は育つ。暇がたっぷりあるので、喜び勇んで畑へ。昨年までと違うのは、畑には銀杏、アンズ、梅などの苗木約60本を植えたので、元気に成長している様子を眺めるのが楽しい。施肥や剪定の作業もある。高校の同級生仲間の一人が、仲間内のメールで私のことを「カールおじさん」と呼んでいる。

 皆さまも、どうぞお元気で!!


 

念願かなって・・・\(^o^)/

 写真を大きくできた。上の写真は今までのサイズ(横500ピクセル・縦375ピクセル)。下の写真はこれからのサイズ(横640ピクセル・縦483ピクセル)。面積ではほぼ2倍。 


 馬酔木500px
 
 馬酔木640px

 今までもブログを編集する画面では横幅640ピクセルで表示できていた。ただ、編集作業を終えて「公開」してブログを確認すると、写真の右側端の方が見えなくなってしまう。それで仕方なく横幅500ピクセルで編集していた次第。

 最近また写真サイズを何とかしたいと思い、『FC2ブログ徹底攻略術第2版』を購入するも、難しくて理解できない。次いで「FC2お問合せ」を利用してメールで質問したが、「HTMLを編集すれば解決できます。但し、それはブログの運営者側ではしないことになっており、ご自身で云々・・・、との返事。

 結局は近隣のパソコン教室のご主人にお世話になった。ご主人は「うちはスクール形式で生徒さんに教えているので、スポットの依頼はお断りしているのだけど、何故だか受けてしまった」とのこと。還太郎の一途な思いが伝わったのかな?

 幾つか写真サイズの比較を。

 s-花②  

 s-花
 
 s-ヨシキリ②

 s-ヨシキリ
 
 s-牡丹②

 s-牡丹
 
 皆さま、「還太郎的日常」をこれからもよろしくお願いします。 

晴好雨奇

 
 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書房)から。

 晴好雨奇(せいこううき)。山水の景色が晴雨ともに趣が深いこと。「好」は美しいこと。「奇」はすぐれていること。

 水光瀲灔(すいこうれんえん)として晴れて方(まさ)に好く、山色空濛(さんしょくくうもう)として雨も亦(また)奇なり。

 今回の短歌は前回に引き続き、水原紫苑歌集『びあんか』【決定版】(深夜叢書社・2014年刊)から。


 たそがれを帰りゆくもの影ながくふとも見あぐるいつぽんの樹を


 s-燈台草20200423
 サクラの花以外は全て@還太植物園にて。燈台草トウダイグサ科トウダイグサ属のマツバトウダイ。


 まなぶたに冷たく触れて山上の星のひかりをわれに与へぬ

 s-冬知らず20200423
 冬知らずの群落。背丈は30cmほどにも。


 嫗にてわれも見し夜の月ならむ頸のべて聴くそのかがやきを

 s-常盤万作20200423
 常盤万作。


 きはやかに黒衣を脱ぎて立つ木々を黎明は打ちなほも貫く

 s-花水木20200423
 花水木。


 一対の陶器をあはせ早春の音なすときに眠り遠しも

 s-スズラン20200423
 スズラン。 スズランスイセン。 


 雲ふみて来たりしやうな男ゐて虹を語らばかなしかるべし
 
 s-じょおん20200423
 ヒメジョオン。 ハルジオン


 夕鳥は朝鳥に似て異なれるいのち持つなりくれなゐの後

 s-キク20200423
 フランス菊。 ノースポールギク。


 切られたる半月冥(くら)し水底を照らせば蟹のうから眠れる

 s-きらんそう②20200423
 キランソウ。中国では「金瘡小草」。「金瘡」とは刀傷のこと。キランソウの葉を潰して傷に塗ると切り傷や腫れ物に効用があることから名付けられたとのこと。アジュカとも。 セイヨウキランソウ。


 朱を過ぎて銀に至れる憤怒あり一生(ひとよ)なべて男を生かす

 s-玉すだれ20200424
 玉簾(たますだれ) オオアマナの群落。夕方になる花を閉じ、翌朝また開く。


 けものらはいかに渡れる夕虹の彼方かぎろひ森のごとしも


 s-玉すだれ②20200424
 同アップ。


 いにしへは鳥なりし空 胸あをく昼月つひに孵(かへ)らぬを抱く

 s-花韮20200424
 玉簾と似ているが、こちらは花韮(はなにら)


 時たがへ星また星が鳴りいづる枯野をゆけりみづからの内

 s-カタバミ20200428
 片喰(かたばみ)


 雲雀啼く世はいまだ来ず鋭(と)きこゑのうつくしきもの母のほかなし
 
 s-石楠花20200428
 石楠花


 (おほぞら)はうつろなる魚 おもほえばその声いまだ聞きしことなし

 s-シモツケ20200428
 下野(しもつけ) コデマリ。


 曇天を真珠飾りて歩むときしばし聞こゆる波のささやき

 s-ツルボ類2020428
 スパニッシュ ブルーベル。


 この夜更けさくらさくらを歌ひなばいかなる腕にわれ抱かれむ

 s-桜②20200429
 ここから3枚は近くの公園で。何れも八重だが、わずかに花の色が違う。

 
 陸の橋いやさびしきに渡り来るをとこ貌(かほ)無く煙草火あかし

 s-桜③20200429



 たそがれの鏡音なく泡立ちぬ 逢ひて逢わざるわたしのため


 s-桜20200429


 4/28、高校の同級生たちとオンライン飲み会。福岡、大阪、埼玉、宮城各1名と福島2名。大阪在住のDr.Keyさんが「Webex Meet」というソフトを用いてセットしてくれた。大盛り上がり。

 交通費も宿泊費も不要だし、酔った帰り道の心配もない。コロナが去ってもこういう飲み会はなくならないのでは。全国各地に散らばっている仲間が一堂に会するのは大変だが、オンラインなら問題なし。

 s-躑躅20200429
 今年最初に咲いたツツジ。

 皆さま、「3密対策」を徹底して新型コロナウイルス禍を乗り切りましょう。どうぞお気をつけてお過ごしください。
  

桃源

 桃源(とうげん)。理想郷。桃の花の咲いている水源地にある村。晉(しん)の太元年間に、武陵の一漁師が桃の花咲く林に遭遇。その林の小さい穴から中に入ると、まったく時代ばなれをした世界があった。そこには、昔、秦末の混乱を避けて移ってきた人々の子孫が楽しい生活をしていた。漁師は大変に歓待されて、秦以後のこの世の変遷を語って帰ったという寓話に基づく。
 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(講談社)から。

 今回の短歌は、水原紫苑歌集『びあんか』【決定版】(深夜叢書社・2014刊)から。

 光線をおんがくのごと聴き分くるけものか良夜眼とぢゐる

 s-さくら20200403
 村の処々で桜が満開。遠くに仏具山を望む。

 針と針すれちがふとき幽かなるためらひありて時計のたましひ

 s-大高寺20200403
 天台宗頼長山大高寺の桜。
  
 ひえびえと四肢痛む春庭先の古井戸きよき水出だすなり 

 s-シャクナゲ20200407
 ここからは@還太植物園。ニューフェイスの石楠花。

 菜の花の黄(きい)溢れたりゆふぐれの素焼きの壺に処女の体に

 s-梨20200406
 梨、3葉続く。
 
 風葬とふ言葉いとしみ夕刻のわれ少しづつ軽(かろ)くなりゆく

 s-梨②20200407

 興福寺少年阿修羅にかなしみを与へし仏師の背広からむ
 
 s-梨20200408

 仏蘭西に<春>を抱くべき花ありやジャン・コクトーはさくらを見ざりき

 s-枝垂れ桜20200408
 枝垂れ桜。

 かぎろへば滝つ瀬やさしみづからを滝と知りつつ砕けゆくなり 

 s-水仙20200408
 水仙。

 ひかりさす御堂に濡れて長眉の吉祥天の御(おん)くちびる 

 s-花梨20200408
 花梨。
 
 春雨を厭ひて土間に眠りゐる犬のかたちに濡れて犬消ゆ  

 s-何かな20200408
 金瘡小草(キランソウ)かな。茎は直立せず、地面を這って四方に広がる。地面にふたをするように広がることからジゴクノカマノフタの別名がある。

 われらかつて魚なりし頃かたらひし藻の蔭に似るゆふぐれ来たる

 s-さつき20200408
 こちらもニューフェイスの皐月。

 還太郎の日常は、時には植木屋さんの手伝いにも行くが、普段はトップの写真のような環境で、庭や畑にいることが殆ど。ウグイス・キジ・スズメ・ムクドリ・ヒヨドリ・コジュケイなどの鳴き声を聞きながら野良仕事。盛唐の詩人孟浩然の「春眠 暁を覚えず 処々 啼鳥を聞く 夜来 風雨の声 花落つること 知んぬ多少ぞ」を思い出す。(最近のことは何でも忘れてしまうのだけれど、中学や高校で習った古文・漢文はなぜだか覚えている。)

 詩の意味は「春の暁は気候も良く、夜が明けたのも知らずに寝過ごしてしまった。ふと眼を覚ますと、あちこちから小鳥の鳴く声が聞こえる。そういえば、昨夜は風雨の音がはげしかった。あの嵐で庭の花はさぞたくさん散ったことだろう」。

 そんなことで、新型コロナウイルスとは無縁かなと期待。皆さま、ご用心願います。
  

 

 

正鵠を失わず

 正鵠を失わず(せいこくをうしなわず)。的を外さない、的を外れない、物事の急所や要点を的確にとらえること。「正鵠」は弓の的の中心の黒点。また、「正」が布張りの的の黒点、「鵠」が革張りの的の黒点ともいう。
 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書房)から。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 雪解水裏山にひと夜流れいて暁近くなり凍りたるらし (古明地実・76)

 s-阿武隈山系雪景色20200330
 3/30朝、阿武隈山系の東斜面はこの冬一番の雪景色。白く抉れているのは杉の伐採を終えたところ。

 未熟なる実か毒かくすとふ芥子畑に花散りそめし (富小路禎子・96) 

 s-ペチコート水仙20200330

 以下は全て還太植物園。花菱草かと思ったが、違うようだ。 (以下、4/3追記) 図鑑を3冊見ても掲載されていないし、「植物同定」アプリでも分からない。今日、「野草の会」の会員で植物に詳しい実家の前のお宅の方を訪ねて教えを乞うと、「ペチコート水仙」だよ、と。「ペチコート」まで伺った段階で、昨年も同じ方に同じことを尋ねたことを思い出した…😅・・・。去年の今頃のブログに載せたことも思い出した・・・😞・・・。ひとつの花で何度も楽しめるんだからいいか・・・\(^o^)/・・・。

 はるかにも花畑つづくに此処よりは踵(きびす)かへせといふ札の立つ (池田まり子・91)

 s-ペチコート水仙②20200330

 
 同拡大。

 この道は来たことがある花梨の実あまた暗くて青くて綺麗 (岡井隆・04)
 
 s-カリン20200330
 花梨。 

梨の木に梨の実ふとりゆく日日を天与の雨にまさるものなし (築地正子・85) 

 s-梨20200330
 梨。

 満作の花咲きたりと聞くのみの明け暮れせしは早春の庭 (横山岩男・96)

 s-常盤万作20200330
 常盤万作(ときわまんさく)。

 ばんざいの姿で蛇に銜えられ春らんまんの蛙いっぴき (鳥海昭子・84)
 
 s-ゆすらめ20200330 (1)
 山桜桃(ゆすらうめ)。
 
 去年の秋鉢ごと行方晦まししムスカリ咲けり石の後ろに (木畑庸子・03)

 s-ムスカリ20200330
 ムスカリ。ツルボ亜科ムスカリ属。名前の由来はギリシャ語のmoschosであり、麝香のことだそうだ。

 誰も出てこぬ村のまひるま花桃の千本の木のあかるさなりき (小川恵子・91)

 s-ハナモモ20200330
 花桃。

 春まだきひかりの下の錯覚に眼鏡の縁にとまる鳥あり (上野久雄・01) 

 s-シャラの新葉20200330
 沙羅(しゃら)の新葉。去年咲いた花のサイズからすると、ヒメシャラかも。

 春さむし背のファスナーを下ろす間も〈明日の仕事〉を言ふ女(ひと)に似て (大塚寅彦・03)

 s-なにかな②20200401
 花韮(はなにら)。 

 ポスターに沿線の桜咲きみちて地下鉄構内しんかんと春 (成瀬有・08)

 s-なにかな20200401
 紫苔(むらさきごけ)かな。 カキドオシ。

 コロナウィルス禍、拡散の一途。お仕事等で密集・密閉・密接が避けられない方々、どうぞお気をつけて。

左遷

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書房)から。 

左遷(させん)は官位を落とされること。官位を落として遠地に移すこと。中国では、日本と反対に右を尊び左を卑しんだので、右から左に移すことは、高い官職から低い官職におとすこと、或いは官位を下げて地方に流すことを意味する。
 
 中国では、右が上位、左が下位である理由。「右」(ゆう)は、右手が仕事を行いすぐれている「優」(ゆう)からである。「左」(さ)は工作の意味を表す「工」と、音を表す「ナ」(さ・助ける意)と合して、右手でする工作の仕事を助ける〈佐〉の意である。
 
 日本では、「ひだり」は「ひんだり」で、平ら、まっすぐの意で、弓を射るとき、右手が曲がるのに対し、左手はまっすぐであることからきたと考えられる。あるいは、「ひた」は不純物の混じらない意か。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 少しよき春というべしこの道に すみれ たんぽぽ れんげそう咲く (日野きく・00)

 s-スミレ20200313
 植物は全て還太植物園にて。ただ2本だけ咲いているスミレ。
 
 春の梢をおもふ心におのづからあかとき闇にひらくわれの眼 (安田章生・66)

 s-白文字20200319
 白文字。

 逆さまに落ちゆく或る日春ふかく愉しき一片の蝙蝠として (河野愛子・72)

 s-水仙20200319
 水仙。

 春とならば香はかぐわしく流るべし林檎樹林をつらぬく津軽路 (窪田章一郎・61)

 s-あんずソルガム20200322
 あんず スモモ(ソルガム)。

 くさも樹もなべてが天へたれさがるこの倒錯を春というべし (村木道彦・74)

 s-あんずサンタローザ20200322
 あんず スモモ(サンタローザ)。

 なぜそんなに急ぐのですか 花がいそぎ春がいそぎ 私にはもうとどかない (梓志乃・82)

 s-梨の新芽20200322
 梨の新芽。

 住みつきて野火止のほとりいくたびの春あらせいとうの溢るる紫 (椎名恒治・85)

 s-木蓮20200322
 木蓮。

 このあした病衣を脱ぎて鏡あり再びわれの春かかへらむ (河野愛子・89)

 s-冬知らず2020322
 冬知らず。

 やわらかき春の雨水の濡らすなき恐竜の歯にほこり浮く見ゆ (永田和宏・98)

 s-調査中20200322
 調査中。

 ひかり風くぐりて走る一年生たんぽぽ星人たちの春です (桜川冴子・07)

 s-西洋タンポポ20200319
 西洋タンポポ。

 花あんず紅きかたへのゆすらうめ遅く咲きつつ早く散りにき (相良宏・56)

 s-山桜桃梅20200322
 桜桃(ゆすらうめ)。 
 
 きぶし咲きとさみずき咲き繰り返す年々の春いまだ早やけれど (今藤芳美・04)

 s-トサミズキ20200322
 土佐水木。

 春のめだか雛の足あと山椒の実それらのものの一つかわが子 (中城ふみ子・54) 

 s-赤めだか20200319
 メダカも無事に越冬した。池の水の濾過装置は現在フル稼働中なので、水はもっと澄むと期待。

 植木屋さんの手伝いも明日で7回目の予定。いままではいずれも新築住宅の庭造り。土を入れ、下地の砂利を入れるなどほぼ土木作業。防草シートの敷き方、モルタルやコンクリートの作り方と施工方法等々、学ぶことが多く日々新鮮。
 一方で還太植物園の木々も新芽が出てきたり、花が咲いたり、順調に成長。3日で姿が変わるのでこちらも楽しく、朝に晩に園内を歩き回っている。

 皆さま、花粉に加えてコロナウィルス・・・。ご自愛専一に願います。

漱石

 漱石(漱石沈流)。こじつけること、こじつけて言い逃れをすること。負け惜しみの強いこと。

  今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。

 晉の孫楚は隠遁しようと思っている親友の王済に向かい、「漱流枕石・流れに漱(くちすす)ぎ石に枕(まくら)す」と言わねばならないところを、うっかり「石に漱ぎ流れに枕す」と言ってしまった。王済がすぐさま「そんなことはできない」とつっこむと、彼は「流れを枕にするというのは、昔の隠者の許由のようにつまらないことを聞いたときに、自分の耳を洗うためだ。また石で口をすすぐのは歯を磨くためだ」と、うまくこじつけて言い逃れをした。「流石」と書いて「さすが」読むのも、さすがにうまく言い逃れたということ。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で、発表年を示す。

 押しひらくちから蕾に秘められて万の桜はふるえつつ咲く (松平盟子・90)

 s-河津桜③20200303
 3/3、@勿来の関。河津桜が満開。3枚続く。

水流にさくら雫(ふ)る日よ魚の見るさくらはいかに美しからん (小島ゆかり・92)

 s-河津桜②20200303

 かきくもる空に危ふく紛れむをさくらはさくらの色に匂へり (日野原典子・93)
 
 s-河津桜20200303

 ひと日ひと日石積むやうに過ごしきて馬酔木の房のふくらみに遭ふ (雨宮雅子・06)

 s-馬酔木20200303
 前回に続き馬酔木。

 青き空にさくらの咲きて泣きごゑは過ぎし時間のなかよりきこゆ (森岡貞香・87)

 s-大島桜②20200305
 3/5、@大野八幡神社。大島桜かな。2枚続く。

 瘤もてる太き幹にも桜咲く錫のやうなる白のあつまり (塚本諄・99)
 
 s-大島桜20200335

 何待つとなきこの身さへ春うごく気配につれてときめくものを (筏井嘉一・65)

 s-白文字20200305
 ここからは還太植物園。白文字の新芽。

 樹は内に一千年後の樹を感じくすぐったくてならない春ぞ (渡辺松男・97)

 s-花梨20200305
 花梨の新芽。

 里山の輪郭ぼうとけぶれるは梢々に春来たるらし (雨宮潔・04)

 s-何かな20200305
 調査中。 花水木かな。 土佐水木のようです。

 シンビジウムの葉に来し蜂が一瞬を少し滑りてしかと止まれり (市村善郎・08)

 s-シンビジウム20200305
 シンビジウム。実家の玄関土間の鉢植え。

 折れ芦の鴨の入江に陽はさしてゆきてかえらぬものに春くる (馬場あき子・77)

 s-シンビジウム②20200305
 こちらもシンビジウムかな。同上。

 s-ホテイアオイの越冬20200305
 ホテイアオイを池に放置すると、越冬できずに朽ちてしまう。ネットで発泡スチロールに入れると越冬できると知ったので、2箱試してみたら、無事3月を迎えた。夏の間に10倍以上に分結増殖するので、2箱はあれば充分。

 3月に入ったら風の強い日が多く、天気予報よりも体感温度が低い日が続いています。コロナウイルも怖いけど、インフルエンザにも要注意。皆さま、くれぐれもご自愛ください。

梅を望んで渇きを止む

 梅を望んで渇きを止む(うめをのぞんでかわきをとどむ)

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。喉の渇きを一時こらえること。魏の曹操(武帝)がある戦いで、水を汲みに行く途中、道に迷い、部下がのどの渇きを訴えたときに、「前方に大きな梅林があり、実が多くなっていてすっぱそうだ、それを心に思えば自然につばがたまるので、それでこらえられる」と言った故事に基づく。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 昏れ残る障子明かりの花のいろ馬酔木のかたに春は来てゐし (稲葉京子・75)

 s-アセビ20200221
 2/21、@勿来の関。アセビ。

 山雀(やまがら)が去りたるのちも卓上に開かれしままのポケット図鑑 (大森益雄・03)

 s-ヤマガラ20200221
 ヤマガラ。いまにも何かに飛び掛からんばかりの迫力。実はヤマガラの左下に男性が座っていて、手の平にエサを載せている。数羽のヤマガラが順に男性の手の平からエサを咥えては枝に飛び移って食事することを繰り返している。
 数年前、上野の不忍池のほとりで、手の平の上でスズメにエサを食べさせている方を二人お見掛けして以来の(◎_◎;)。

 顔を刺すひかりを感じて目覚むれば枕元の梅みなひらきたり (窪田空穂・68)

 s-思いのまま20200223
 「思いのまま」という品種。一本の木に紅梅と白梅が咲く。@還太植物園。今回の末尾の写真は、「思いのまま」の5日後の姿。

 さて、還太郎は25日から植木屋さんでバイトを始めた。花樹・果樹の剪定をちゃんと覚えたいと思い、去年からお世話になっている植木屋さん(「庭園管理植吉」の社長さん)に、無給でいいので仕事を手伝わせて欲しいと依頼。「剪定の仕事ばかりではないので無給では困る」とのことで、時給(金額は㊙)を頂くことになった次第。

 人手が欲しい時に連絡を頂くのだが、今回は25~27日の3日間、新築住宅の庭造り。ボランティア活動で身体を鍛えたつもりだったが、とんでもない。慣れないことをするのは大変。結構疲れた。最初の案件が3日で終わってホッとしているのが正直なところ。でも、次のお呼びが掛かるのを心待ちにしているのも正直なところ。

 傾きて土より立てる梅の幹影ひくほどの薄日さし来つ (葛原繁・80) 
 
 s-100年梅20200228
 今年の梅の花は例年以上にきれいに思える。暖冬のせいか、花が大きく数も多いのではないか。そんなことで、2/28は91歳のお袋と近郊梅花巡りの2時間弱のドライブ。こちらの梅は、樹齢100年超(大きな方)とのこと。 
 
 鶴と思へば鶴に見えきつ梅ひと木遠回りつつ飽かぬひとりを (春日真木子・95)

 s-百年梅20200228
 別の角度からもう一枚。

 花喰いの鳥のごとくに飢うる身にうそうそとひとり梅園をゆく (玉井清弘・93)

 s-梅⑩20200228

あやまちて針に刺したる指先に膨るる血のたま梅の蕾は (渋谷みづほ・07)

s-梅⑧20200228

 ひらきたる梅花がひとつひとつ持つうす緑の萼(うてな)かなしさ (野村清・73)

 s-梅⑦20200228

 この山もあの山も眠り給ふかな佛みし目に梅しろく咲く (辺見じゅん・96) 

 s-梅⑥20200228

 谷深く散りゆく梅の花びらのいま抽象に近き一片 (井谷まさみち・87)

 s-梅⑤20200228

紅梅の芯あかるくて曇日の寒き光はそこに集まる (遠山光映・56)

 s-梅④20200228

 膨らみし花を宙空に飛び咲かせ寒風に梅は毅然と立ちぬ (大滝貞一・01)

 s-梅③20200228

 老木に冬日を凛と梅咲けり人のひと生(よ)のいかなるときか (井田金次郎・04)

 s-梅20200228

 ひなぐもりやさしき色に咲き出でて紅梅白梅古寺の屋根 (久泉迪雄・99)

 s-おもいのまま②20200228
 「思いのまま」。

 2月9日の活動を以って、いわきのボランティアセンターは活動終了。それから20日間、今の時期は畑の雑草退治もなく、時間を持て余している。そんなこともあり、植木屋さんの手伝いを始めた次第。そもそも還太郎は美的感覚に乏しい。剪定作業もやはりセンスが欠かせないのは分かっているが、自己流で剪定するのは実家の庭や畑なので、他人様に迷惑は掛からないと居直っている。

 コロナウイルスがとどまる処を知らない勢いです。皆さま、くれぐれもご注意願います。還太郎も、母校野球部の甲子園大会応援は止めることにしました。

 s-img055 (3)
 そんなことを友人の「N村村民」さんにメールしたら、上の本を紹介され、早速Amazonで購入。著者は1988年スウェーデン生まれ。19歳で日本に移住、23歳で造園業に飛び込み、26歳で日本国籍取得。日本名「村雨辰剛(むらさめたつまさ)。「N村村民」さんが何故この本を紹介してくれたのかは分からないが、まあ私の若い頃に似てないこともないか・・・。(ブーイング多数)

 

新豊の折肘翁(しんぽうのせつびおう)

 「新豊の折肘翁」は、辺功(へんこう・国境付近でたてた手柄。国境の異民族を征伐した手柄)を戒めたもの。「新豊」は県名で、陝西省臨潼県(せんせいしょうりんとうけん)の東北。漢の高祖が豊の民を移して作った町。徴兵を忌避して自分の肘を折り、自ら不具者となった翁を主題として、白楽天が当時の政策に対し、徒に外征を企て武功を立てても人民を苦しめるだけだと諷刺した。 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』から。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 海峡の彼方の島の陽だまりに幸ある如く人家寄り添う (吉田みのる・06)
 
 s-冬陽20200211
 ここから6葉は@勿来の関。

 よるべなき沈黙(しじま)といへど濃密に苔咲く上を光移ろふ (小中英之・81) 

 s-冬陽②2200211
 陽だまりの中、コケも元気。

 徐行する列車の窓に川底の泥に陽のさす処見えたり (高安国世・78)

 s-冬陽③20200211
 実葛蔓(サネカズラ)かな。独特の紅葉。

 こんなにも赤いものかと昇る日を両手に受けて嗅いでみた (山崎方代・80)

 s-八重の梅20200211
 梅。

 その光響ける如く寒の日の夜空に満ちて星の輝く (戸田佳子・85)
 
 s-八重の梅②4720200211
 アップにすると・・・。

 たんぽぽのぽぽのあたりをそっと撫で入り日は小さきひかりを収(しま) (河野裕子・95)

 s-桜の蕾20200212
 もうすぐ咲きそうな桜。 

 窓ゆ入る春の陽射しを掌(て)に受けて冬を堪へ来し魂あらふ (浜守・06)
 
 s-黄色の花20200211
 ここからは@還太植物園。姫立金花(ヒメリュウキンカ)。

 日だまりの芝生に背を干す老女いて仏のような顔に居眠る (上川原紀人・08)

 s-ヒメリュウキンカ20200212
 翌日観たら満開。

日だまりの笹生にまろび仰ぐ蒼(あお)歓喜おそひ來山のうへの空 (窪田章一郎・73)
 
 s-木蓮20200211
 木蓮。

 まだ一年もう一年と数えいる光の粒か時間というは (山田震太郎・91)

 s-梅20200211
 梅。

 戸を引けばすなはち待ちしもののごとく辷(すべ)り入り来(き)ぬ光といふは (宮柊二・74)

 s-なにかな20200212
 1月から元気に咲いている。名前は調査中。 エキナンサス。

 鳥のために樹は立つことを選びしと野はわれに告ぐ風のまにまに (大塚寅彦・03)

 s-頭高20200113
 2/13、2018年6月までいたかすみがうら市へ。友人の見舞い出掛けたのだが、夜は5人で飲み会。写真は@霞ヶ浦総合公園。頭高。

 貧しかることばを尽くして詠はむに木末(こぬれ)の鳥に「虚虚」(きょきょ)と鳴かれるる (羽生田俊子・99)
 
 s-頭高②20200213

 今年子の目白とびかふ花のあひだ乾ける空気動くことあり (吉田正俊・81)
 
 s-鶯20200213
 目白。

 目白来て鵯(ひよ)が来て人も寄る樹齢百年の白梅勢えば (大下一真・04)

 s-鶯②20200213
 
 ひらひらと日毎舞ひくるひよどりの庭に呼び合ふ声は桃色 (藤岡武雄・92)
 
 s-鵯20200213
 鵯(ヒヨドリ)。

 さて、いま2/14の17時過ぎ。ボランティアセンターからの連絡はなく、1月から土日だけになっていた活動も、明日・明後日はない見込み。明日は、還太植物園のツツジと山茶花にお礼肥えを施そうかな。

 皆さま、昨日今日は気温も10数℃になりました。春の到来ですね。お元気にお過ごし願います。

 

乾を施らし坤を転ず

乾を施らし坤を転ず(けんをめぐらしこんをてんず)。

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店・1985年4月刊)から。「乾」は、易(えき)の卦(か)の一つで、上にあって強い・治める・始めの意。転じて、男・天・君主などの意に用いる。「坤」は、同じく易の卦の一つで、下にあり従順の意。転じて、陰・女・大地、臣下などの意に用いる。ここでは、天と地で文武を振興し、六、七十年の旧弊を一変して改革することが、天地を施転するようであること。
 因みに「乾坤一擲」(けんこんいってき)は、運命をかけて、のるかそるかの大勝負をすること。
 
 今回の短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月刊)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で、発表年を示す。

 空を背に蝋梅咲けり目に見えぬ標(しめ)あるごとき花の空間 (尾崎左永子・96)

 s-ロウバイ20200124
 1/24、ビッキさんの「山学校」校庭にて。蝋梅。雫が光る。

 蝋梅の南無南無南無(なむなむなむ)と花増えて今日あたたかききさらぎの雨 (小島ゆかり・02)

 s-ロウバイ20200130
 1/30、勿来関の近くにて。蝋梅が満開。

 菜の花はあざやかにして卑しからず歩みゆるめて勤めに向ふ (常磐井猷麿・06)
 
 s-菜の花20200131
 1/31、農道散歩での一枚。

 Youtubeで約40種の野鳥を確認と紹介されていたので、2/4、群馬県館林市の県立多々良沼公園に出掛けた。片道190kmのドライブ。北関東道の茨城・栃木県境のトンネルを抜けると、遠くに薄っすらと雪を被った男体山が目に飛び込んできた。(以下の写真は全て多々良沼にて撮影。)

 雪山に登りしことなし知らぬこと生きて多かる一つに過ぎねど (窪田章一郎・83)
 
 s-男体山20200204

 朝のポストに手紙を入れる少女いて雪あたらしき今朝の連嶺 (三枝浩樹・00)

 s-谷川方面20200204
 地元の方に伺うと、「谷川方面だけど山の名前は分からない」と。

 雪山は寒さきびしく凍傷の鴉がときに落ちるとぞ聞け (塚本瑠子・05) 

 s-浅間山頂20200204
 こちらは真っ白な浅間山頂。

 多々良沼の周囲は一周5.7kmの散策路が整備されている。日当たりがよく、風もないのでジャンバーを脱いで歩き出した。

 渡り来てはぐくむ鴨よ戦はぬ誇りあやふき国の水辺に (竹村紀年子・02)

 s-鴨②20200204
 地元の方によると、「今年は異常な暖冬で、いつもなら山から下りてくる野鳥も少ない。白鳥や鴨などの渡り鳥は例年通り来ているけど」とのこと。確かに鴨類は多い。

 人恋ふる危ふさ隠しもつ妻ら冬の堤の鴨の首筋 (佐田公子・92)

 s-オナガガモ20200204
 尾長鴨。

 蒼鷺は今日三羽ゐて三方に別れゆきたり小さきみづうみ (石川不二子・96)

 s-アオサギ20200204
 アオサギ、2葉。

 水銀を含みにけりなしろとりの中なる鷺もつとも異(あや) (葛原妙子・77)

 s-アオサギ②20200204

 くくられてもぐりて獲りて喝采をあびる鵜われらといかほど異(ちが) (大塚陽子・82)
 
 s-川鵜20200204
 川鵜が沖合の浅瀬で日光浴中。羽というより鱗のような模様で若干不気味。

 定かには見えねど空の道ありてたましいのような白鳥がくる (楠田智佐美・98)

 s-小白鳥20200204
 小白鳥。

 かつて国敗れし冬も白鳥は来てゐしか数千羽湖おほひたり (大塚陽子・82)
 
 s-コブハクチョウ20200204
 瘤白鳥の若鳥かな。

 蜜欲りてけはしき快癒あかつきの夢の甍を鶺鴒ありく (塚本邦雄・79)

 s-セグロセキレイ20200204
 セグロセキレイ。

 さくらばな見てきたる眼をうすずみの死より甦(かへ)りしごとくみひらく (雨宮雅子・80)

 s-十月桜20200204
 十月桜。

 2/1のボランティア活動。キャビネット(幅90cm×高さ180cm)12個を倉庫に戻してほしいとの依頼。現地にて作業をしつつ、依頼者さんにキャビネットの使途を伺うと、何と約26,000に及ぶ植物標本とのこと。そのうち5,000ほどが水に浸かってしまったが、全国の8大学が修復作業を分担し、もうすぐ先ず福島大学に戻ってくる由。植物学を御専攻ですかと伺うと、独学との御返事。農業を営みつつ、日本植物分類学会会員・環境省希少野生動植物保存推進員・いわき市文化財保護審議会委員の由。
 奥様は、「標本よりも家の復旧を優先してほしいのですが、長年一生懸命にやってきたことですから、しょうがないですね」と。すごい人が地元にいるものだと感嘆した次第。

 2/2は大きな倉庫からの災害ゴミの搬出。前の週にも約20名で庭先に持ち出したのだが、お爺さんが大工さん、お父さんが電気工事屋さんだったとのことで、電動工具、大工道具や大量の部品に加えて昔の農機具等々もあり、14人で2回目の作業となった。顔なじみのメンバーが多く、特に分担を決めないで作業を開始しても齟齬をきたすこともなく、着々と進行して昼には終了。80歳になったとおっしゃるおばあさんが、なんと吉牛の牛丼を手配して下さった。事前にお話があれば当然お断りするのだが、「もう買ってきてしまったのだから食べてくれないと困る」とおしかりを受け、やむなく頂く。こんなことは初めて。

 先週半ばにも大雨があり、2,3の河川で氾濫に備えて避難指示が出た地域もあった。特に高齢独居の被災者がまた被災したらどういうことになるかと危惧したが、幸いにも氾濫はなく安堵。
 
 今回はここまで。海外でコロナウイルスが猖獗を極め、国内でも罹患者が出ているからでしょうか、近所のスーパーでもマスクはほぼ売り切れ状態。皆さまもお気をつけ願います。

 追伸。年末から前回までの拙ブログに関し、S先輩から植物名のアドバイスをいただきました。青字で訂正いたしましたので、ご確認していただければ幸いです。 

本来無一物

 本来無一物。 

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店・1985年4月20日刊)から。
 『本来無一物』(ほんらいむいちぶつ)は、仏教で、全ての現象はもともと空(くう)で、絶対の存在はひとつもないこと。一切を空と悟って、ものに執着しない自由自在の心境。

 今回の短歌は、『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月30日刊)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 冬なれば毛深くなりしわが犬と外套を着し我と歩めり (高安国世・55)
 
 s-裸木20200116
 いつもの農道散歩。裸木が清々しい。

 付きて来し犬の姿が忽然と消えたるあたり青き空間 (大野誠夫・65)

 s-鳶20200116
 鳶の若鳥らしい。成鳥の尾羽は三味線のばち型になるが、そこまでは成長していない。何か気配を感じたのか振り返った瞬間。

 尾を追ひてまはる仔犬よ音符の輪きらきらしくて島の日だまり (大西民子・71)

 s-鳶②20200116
 アップにしてみたら、親鳥とはぐれてしまったかのような寂しげな眼差し。

 日のくれに帰れる犬の身顫ひて遠き砂漠の砂撒き散らす (大西民子・71)

 s-田人路②20200117
 これと次の写真は阿武隈山系の田人路。私が住むアパートの3階のベランダから西方に見える阿武隈山系を朝に夕に眺めているが、雨の日は白く煙って見えることが多く、山は雪かなと思う。どんな状態かな、何処まで行けるかなと出掛けて見たら、雪はこんな状態。「はだら雪」という言葉が浮かんできたが、念のため辞書をひくと、「まだらに降り積もった春の雪」の由。1月の雪には使わないようだ。1/19、ボランティア活動で一緒のグループになった新潟の方も、極端な雪不足とおっしゃっていた。

 曲がり角知り合いの犬と出会いたり間のわるき顔を一瞬したり (高安国世・78)

 s-田人路20200117
 ブナやコナラの原生林も1月の様相ではない。

 思ひつくといふこと犬の身にもあらむ雨の中来て戻りゆきたり (高栁サダエ・83)

 s-日だまり②20200117
 ここから6葉は@勿来の関。S先輩から御教示あり。サネカズラ。次葉も。以下、青字はS先輩からの御教示。

 犬はいつもはつらつとしてよろこびにからだふるわす凄き生きもの (奥村晃作・88)

 s-日だまり20200117

 ゆうぐれは犬にも愁あるごとく傍らに来て焚火をみつむ (王紅花・95)

 s-裸木②20200117

 ぐずりし犬もいつしか眠りたり泣き寝入りするは人間(ひと)のみならず (石田比呂志・95)

 s-なにかな20200117
 コウヤボウキ。

 犬の仔の耳やはらかく幾度(いくたび)も形を変へて風を聞きをり (渡辺幸一・97)

 s-アカゲラ②20200117
 アカゲラ2葉。木の枝が邪魔して、アカゲラの眼に光が届かず、置物のように見えてしまう。

 あたし犬あたしの仲間は人間で犬の友達おりませんの (梅澤鳳舞・99)

 s-アカゲラ20200117
 コゲラは何度も撮ったことがあるが、アカゲラは珍しい。

 さざんくわは空(くう)を切るはなほろほろと切らるる一切空の世界よ (水原紫苑・99年)

 s-山茶花20200120
 ここから以下は1/20の還太植物園。赤花の山茶花。
 
 山茶花はゆふべの雲にしろたへの花まぎれんとして咲きゐたり (佐藤佐太郎・75)

 s-山茶花②2020120
 白花の山茶花。

 心耐へてこの幾日をありにしか犬にもの言ふ今朝の子のこゑ (大河原マス美・00)

 s-ツワブキ20200120
 石蕗(つわぶき)。バックは赤花の山茶花。

 キュッと鳴る玩具を咬みてみずからをしずむるすべを仔犬は覚ゆ (上野久雄・01)

 s-水仙20200120
  水仙。

 花の奥にさらに花在り私の奥にわれ無く白犬棲むを (水原紫苑・04) 
 
 s-母子草20200120
 母子草。

 あのやうな人になりたかった私を人間になりたかった犬が見てをり (稲葉京子・05)

 s-なにかな20200120
 調査中。 松吉さんからご教示り。「オキザリス・ヒルタ」。葉に酸味があることから「オキザリス」(ギリシャ語で「すっぱい」を意味する)とついた。和名は木立花片喰(きだちはなかたばみ)。「ヒルタ」は何かな。いわきには「蛭田」さんが大勢いるんだけど・・・。
 更にS先輩から御教示あり。オキザリス・グラブラとのこと。「ヒルタ種は立ち性で上に伸びる。寒さに少し弱いようです。グラブラ種はヒルタ種より花弁がよく展開し丸くなる。上に伸びない。当地でもよく普及しています」とのこと。

 わが犬はぢっと目を見て話聞く留守を頼むにまなこ逸らせり (土屋亮・06)

 s-なにかな③20200120
 調査中。葉は肉厚に見えるが、実際に触ってみるとそれほどではない。たくさん見かける。松吉さんからご教示あり。金盞花(キンセンカ)とのこと。但し、Wikipediaでは「花径10cmほど」と記載され、『季節の花図鑑』(日本文芸社)では「花径1~5cm」との記載。でも、葉の形からしても「キンセンカ」のようだ。

 更にS先輩から御教示あり。「広義のキンセンカに含まれるので、ここままでもよいです。しかし、現在一般的にキンセンカというと、花径が10cm以上の切り花や花壇植えされる品種をさします。お写真のように小輪のものはヒメキンセンカあるいはホームセンターなどで使う流通名フユシラズ、と呼ばれます。」とのこと。

 メロンパン犬と分けあふ昼さがりお前も私も微塵のいのち (渡辺茂子・07)

 s-オオイヌノフグリ20200120
 オオイヌノフグリ。庭のあちこちに咲いている。

 今回はここまで。皆さま、お体を大切になさってください。

 追記

 冬といへ春思はせる暖かさ照る陽のどかに空澄みわたる (小澤知江子・08)

 s-八重の梅20200121
 今日(1/21)、勿来の関へ行ったら梅が咲いていてびっくり。その一角だけ華やいだ光景が広がっていた。
 
梅の香の甦す微かな痛みあり春は来るより返さるるもの (高村典子・08)

 s-八重の梅②20200121

 「勿来関文学歴史館」の海側の傾斜地に咲いていた。花びらの先端が割れているのが桜、尖っているのが桃なので、丸い花びらのこれは梅だと思う。

 以上です。
 

五風十雨(ごふうじゅうう)

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店・1985年4月20日刊)から。

 「五風十雨」とは、五日めに一たび風が吹き、十日めに一度雨が降ることで、農作物の生育に都合がよく、豊年の兆しであるとされた。「十日の雨土くれを動かさず、五日の風枝を鳴らさず」とも。

 今回の短歌は、『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月30日刊)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 あらためていま一度とも言ひがたき一点鐘に似るいのちかな (中原綾子・60)

 s-タンポポ20200109
 お正月で鈍った体を鍛えるべく連日1万歩超の農道散歩をしている。冬枯れで写真の材料は乏しい。さて、これは蒲公英(タンポポ)と思うのだが、花は地面に張り付くように咲いている。タンポポではないのかな。漢字表記の「蒲公英」は中国植物名の「ほこうえい)から。S先輩からご教示あり。西洋タンポポとのこと。次葉も。以下の青字もSの先輩から御教示。

 おのずからいのちのともしび消えゆくを待つごとくにも深く瞳を閉ず (渡辺順三・66)

 s-タンポポ②20200109

 かりそめの感と思はず今日を在る我の命の頂点なるを (窪田空穂・67)

 s-何かな20200109
 コセンダングサの果実。

 無灯火の峡の夜ふけて月ながら降る雪吾の命きよめむ (三浦武・75) 

 s-ホトケノザ20200109
 仏の座(ホトケノザ)。 ヒメオドリコソウ。

 植えざれば耕さざれば生まざれば見つくすのみの命もつなり (馬場あき子・77)

 s-ナズナ2200109
 薺(ナズナ)。

 さしのぞく深井の底に映れるはいづこより来し小さき顔ぞ (伊藤雅子・88)

 s-オオイヌノフグリ20200109
  大犬の陰嚢(オオイヌノフグリ)。

 魂の最も深きところより滲み出る部位を顔とし寫す (佐々木六戈・03)

 s-セイタカアワダチソウ20200109
 背高泡立ち草(セイタカアワダチソウ)。

 年が明けて、いわきのボランティアセンターの活動は土日のみとなった。1/11・12、両日とも7名のグループで同じお宅の室内清掃作業。通常は浸水被害の部分掃除をする。ただ、高齢独居女性かつ闘病中(左手も麻痺)とのことで、床上浸水レベルより高い部分も掃除。蛍光灯の交換も。 
 
 11日は還太郎が勤務していた会社のOBと一緒になった。フルマラソン・坂道のぼりのサイクリングが趣味とのことで体力充分。キッチンの引き出しを全部徹底掃除してくれた。

 12日は7名中3名が南会津の方(うち一人は、お父さんと一緒に参加した小学校5年生のお嬢さん)。「雪深いところから大変ですね」と声を掛けると、「雪祭りの開催が危ぶまれるほど降雪が少ない」とのこと。あとは埼玉・大阪・福島市の方と還太郎。2日がかりの掃除で室内は大分きれいになり、Before・Afterの写真を並べてみたいところ。参加者全員が達成感を味わいつつ、終了。 

 さて、いわきの日の出時刻は1月6,7日の6時50分10秒を境に早くなり、今朝(1/13)は6時49分27秒。この間に日没時間は6分ほど遅くなっており、日に日に春が近づいている。

 今回はここまで。皆さま、お元気にお過ごし下さい。

沈魚落雁、閉月羞花

 明けましておめでとうございます。皆さまのご多幸とご健勝を祈念いたします。

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店・1985年4月20日刊)から。

 「沈魚落雁、閉月羞花(ちんぎょらくがん、へいげつしゅうか」)は、美人を最大級に形容することば。美人に会うと、その非常な美に圧倒され、魚は深いところ沈み隠れ(沈魚)、雁は見とれて列を乱して落ち(落雁)、月は雲間に姿を隠し(閉月)、花は恥ずかしがってしぼんでしまう(羞花)ということ。
 『荘子』の中のことばをもじったもの。荘子本来の意味は、美人の形容ではなく、人間には美人に見えるものも、魚はこれを見るとおびえて水底に沈み、鳥は驚いて空高く飛び上がるというもの。

 今回の短歌は『現代短歌集成』角川学芸出版・2009年11月30日刊)tから。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。テーマは『雪』。 

 この冬も粥のやしない蹌踉たりあかとき路地はうつくき雪 (坪野哲久・71)

 *「粥の養い」とは1/7に食べる七草粥かと思った。ただ、「蹌踉」(そうろう)とは足もとのおぼつかないさまをいうので、米の蓄えが充分ではなく粥飯でしのいでいるということかな。

 s-サザンカ20191231
 @還太植物園。山茶花2葉。

 暗を來て家洩るる燈を横切ればわれにしきりに降る雪が見ゆ (早川幾忠・74)

 s-サザンカ220191231

 倒れぎわを鮮烈に匂いし椴松(とどまつ)によもすがらなる雪となりたり (坂田博義・74)
 
 s-ハクチョウ②20200105
 @鮫川、沼部大橋付近。白鳥、鴨、百合鴎などなど。

 きしきしと雪ふみかへるわれはいま優柔の果ての科(とが)負ふらしも (上田三四二・75)

 s-ハクチョウ20200105
 息、ピッタリ。 

 閑寂が音となりゐるごとくにてしんしんと雪いちにち止まぬ (植田多喜子・76)

 s-ユリカモメ20200105
 給餌する人が現れると、ユリカモメはホバリング開始。

 積雪遠屋根にひらめくことありて鶴などのわらふごとくあかるき (葛原妙子・77)

 s-カシラダカ20200107
 頭高。

 音たてぬ川に音なく降る雪をわが身のうちにひびかせて聴く (大塚陽子・82)

 s-アオジ20200107
 青(アオジ)。「鵐」の訓読みは「しとど」(古くは「しとと」)。アオジ、ノジコ、ホオジロ、ホオアカなどの小鳥の古名。

 皆さま、今年もよろしお願いします。

十二月尓者 沫雪雫跡 不知可毛 梅花開 含不有而 (紀少鹿女郎)

十二月(しはす)には、淡雪降ると、知らねかも、梅の花咲く、ふふめらずして (きのをしかのいらつめ)

 今年のタイトルは万葉集。「十二月には淡雪が降るということを知らないのでしょうか。梅の花が咲いています。つぼみのままではいないで」の意。

 今回の短歌は「日経歌壇 19年の秀作〈下〉」(12/29)から。

 羽根は腕よりも苦しみを見えやすくする地面を何度も打つ羽根 (東京・田中有芽子)
 
 s-日だまり20191227
 日だまり@勿来の関。以下、野鳥の写真は近くの水田の耕作放棄地で。それ以外は勿来の関で。

 12/24、私の年内のボランティア活動は終了。年明け以降、ボランティアセンターの設置は土日のみの由。10月下旬から生活の中心がボランティア活動だったので、拍子抜けの感あり。年明け以降の活動は事前予約が必要とのことで、1/11,12を予約した。

 太陽を機窓船窓車窓にと嵌めて見にけり今日一日に (横須賀・丹羽利一)

 s-赤い実20191227
 男ようぞめ(オトコヨウゾメ)かな。図鑑には「秋には葉が美しく紅葉するが、乾燥すると黒くなるという特徴というを持っている」と。
 名前の由来はガマズミ類をさす木曽・下伊那地方の方言が「ヨウゾメ」で、他の果実は生食できるが、この果実は赤くて大変きれいだが苦くて食べられないので、「男」をつけたとのこと。

 S先輩から御教示あり。ヤブコウジとのこと。「オトコヨメゾウナは落葉性の低木です」とも。
  
 そう言えば伝わりますとあずかった伝言を抱き渡る桟橋 (小牧・戸田響子)
 
 s-正面像20191227
 頭高(カシラダカ)かな。

 棄てられるドールハウスの中に眠る私を早く起こさなければ (仙台・山上秋恵)

 s-なにかな320191227
 こちらの方がカシラダカの特徴が出ている。名前の由来は、興奮すると頭頂部の羽を立たせることによる。

 「カマドウマ」名前があれば怖くない名前を知らぬ虫に囲まれ (インド・須田覚)

 s-なにかな20191227
 ルリビタキの♀かな? 尾が見えないのが残念。 

 鐘の数で0時を表す術がなく振り子時計が12回打つ (札幌・清信かんな)

 s-松ぼっくり20191227

 青空を折りたたみ式にリュック詰め戦争おこれば逃げる覚悟だ (つくば・潮田清)

 s-山茶花かな20191227
 サザンカ。 

 銀行の前で空見るガードマン空飛ぶ強盗まだ現れず (守口・小杉なんぎん) 

 s-なにかな220191227
 権萃(ゴンズイ)かな。名前は材がもろくて役に立たないので、利用価値のない魚のゴンズイの名を当てたといわれるが、真偽は不明の由。
 こちらもS先輩から御教示あり。マユミとのこと。

 因みに、魚のゴンズイはこれ。ナマズの仲間で、成魚となるとナマズによく似た姿となる。背びれと胸びれの第一棘条には毒がある。毒針さえ取り除けば、白身の美味な魚で、味噌汁や煮物、天婦羅なとで食されるとのこと。
 s-ゴンズイ

 今日(12/30)、いわきは雨。本棚の整理をしていて、今年最も啓発された本は「ホモ・デウス」(ユヴァル・ノア・ハラリ著・河出書房新社)だなと思った。カズオ・イシグロは「優れた作品である前作の『サピエンス全史』よりも面白く読める、より重要な作品である」と、ビル・ゲイツは「人類にとって何が待ち受けているのか、思慮深い考察を著している」と評価。

 s-img053.jpg

 それでは皆さま、良いお年をお迎えください。 

霜干 冬柳者 見人之 蘰可為 目生来鴨

 霜枯れの冬の柳は見る人のかづらにすべく萌えにけるかも (詠み人知らず)

 今年のタイトルは万葉集。「霜で枯れた冬の柳は、見る人の髪飾りになるくらいに芽がでています」の意。

 今回の短歌は12/7の日経歌壇から。

 兜太なき秩父は寂と秋深しをりふし遍路の鈴の音ひびく (町田・谷川治)

 「兜太」は俳人・金子兜太のこと。2018年2月20日没。埼玉県出身。現代俳句協会名誉会長、日本芸術院会員、文化功労者。 

 s-芙蓉20191201
 今回の写真は全て@還太植物園・還太池。芙蓉の花殻。
 
 約一ヶ月振りのブログ更新となった。この間、雨の日と土日以外は殆どボランティア活動に参加。16時頃には帰宅し、シャワーを浴びてハイボール缶をプシュ・・・。その後は焼酎のロック(今晩からお湯割りに変更)をチビチビと飲み、早い時は21時頃に就寝。ブログ用の写真を撮る時間もないし、前に撮った写真でブログを作製したいと思う頃は既に酔眼朦朧。そんなわけでちょっと用事があってボランティアに参加しなかった今日、一ヶ月振りの更新となった次第。

 スカイツリーが成長期だったあの頃は窓から眺める楽しみがあった (横浜・森秀人)

 s-冬枯れのビオトープ20191201
 冬枯れの様相を呈し始めた還太池。金魚やメダカは水生植物の下に潜ったままで姿を見せない。コイは時折姿を見せるが、エサは殆ど食べない。

 生きながら死んでいるような目をしても生きているから酒を呑む人 (守口・小杉なんぎん)
 
 s-石垣菊20191201
 
 ボランティア活動では、全国各地からの参加者と数名~十数名のグループで作業をする。車中泊できるように軽自動車を改造し、1ヶ月間活動された北海道の方。12/1に帰ると言うので、地元の人間としてお礼をしたい、居酒屋で御馳走させてほしいと言ったら、あまり乗ってこない。では割り勘でどうと聞くと、それならどこでもお供しますと快諾。一次会の焼鳥屋はきっちり割り勘したが、酔余の勢いで乗り込んだショットバーは持たせてもらった。床下の泥だしの作業になると、彼は合羽を着用して床板の下に潜り込んで泥を掻き出すなど脱帽もの。 

 プロローグとエピローグだけ書いてある物語として冬蝶の翅 (和泉・小野田裕)

 s-還太植物園⑥20191201
 
 なにわナンバーの乗用車でボランティアによく参加される女性(たぶん先輩)は、毎回参加者が活動現場を往復するため交通手段として車を提供。トランクには何も入っておらず、スコップその他の用具を運ぶことも厭わない。いわきに家を借りて参加している由。

 われ死なば妻は絶対泣くだろうそれから笑う十日ほどして (仙台・岩間啓二)

 s-還太植物園⑤20191201

 雨が降らない限り毎日参加しているS君は地元の方。足に障害があるのに、泥出し等のハードな作業に好んで参加。

 滝のごときビル壁面の電飾の一箇所欠けてさらに際立つ (横浜・石塚令子) 

 s-還太植物園③20191201
 
 東京から来たという20代の青年は、「寄付は嫌いです、どんな使われ方をするのか分からないから。自分で参加すれば、間違いなくお役にたてていると実感できます」とのこと。
 
 二十年使い続ける一分の遅れ毎朝合わせる時計 (横浜・橘高なつめ)

 s-還太植物園②20191201

 これまでに地元以外では北海道、岩手、宮城、茨城、千葉、埼玉、群馬、東京、神奈川、愛知、大阪、奈良、岡山、広島、山口、愛媛、大分、熊本の方と同じグループで活動した。「どうしていわきに来てくれたのですか、なにかいわきにご縁がおありですか」と伺うと、「いわきはボランティアが足りないとネットで知ったから」との返事が最も多い。他には、以前3年ほどいわきに勤務していたことがあるとか、妻の実家がいわきなのでとか。全国の被災地に赴いているという方も多い。
 ボランティアセンターのスタッフも北海道、青森、秋田、岡山等の社会福祉協議会から派遣されている。

 のんびりと動く重機がマンモスの骨掘り当てそうな小春日 (千葉・深海泰史)

 s-還太植物園20191201

 ボランティアは老若男女を問わず、とにかくよく働く。手当をもらって作業すると、同じ手当なのにあいつは動きが悪いとか、自分ばかりが大変な作業を割り当てられるという不満も出るが、ボランティアは作業する気満々の方が参加していることは皆が承知しているので、他の参加者への不満はまず出ない。作業時間内にこの現場を完了しようという思いは一つ。
 
 枝を伐るあなたの下で枝集め運動会のような冬支度 (福島・横山ひろこ)

 s-コケの培養20191201
 実家のあちこちで舗装の割れ目から清水が沁み出すので、コケが元気に成長。

 台風19号とその後の大雨で、いわきでは1万戸弱が床上浸水の被害。まだまだボランティアの活動が必要。床下の泥出しなどの重作業ばかりでは無く、災害ゴミの分別、住宅内の掃除といった軽作業もあるので、ぜひご参加を。

 荒む世に生くる子の無事を祈りをり澄みわたる空に満天の星 (青森・安田渓子)

 s-コケの試し植え20191201
 こちらは砂地(土砂)に試植したコケ。雨が降るたびに生気を取り戻す。来年は100平米ほどに広げようかな。

 それではまた。気温が乱高下してます。ご自愛ください。

秋風に置く白露の飽かずのみ相見るものを月をし待たむ (大伴家持)

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月刊)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 山茶花はゆふべの雲にしろたへの花まぎれんとして咲きゐたり (佐藤佐太郎・75)

 s-サザンカ20191031
 今年の春に赤白各50本植えた山茶花(サザンカ)のうち、10月下旬、先ず八重の白花が咲き始めた。思っていたよりも花が大きい。
 「山茶花」は中国語でツバキ類一般を指す「山茶」に由来し、その名は本来の読みである「サンサカ」が訛ったものと言われる。もとは「さんざか」と言ったが、音位転換した現在の読みが定着した。(Wikipedia)

 秋の土しづかに菊を咲かしめよ天地(あめつち)澄むと思ふ朝なり (馬場あき子・85)

 s-キク20191107
 この写真から9枚目の柿まではご近所の畑で撮った。畑の一角で花々を育てている方が多い。

 菊畑に鋏の音のいつまでも鳴り夕靄は谷田(やつだ)を埋めぬ (大野誠夫・65)
 
 s-キク③20191107
 菊の写真が4葉続く。キク科の植物は被子植物のなかでは最も繁栄しているものの一つで、世界中に2万種以上が自生している。日本には350種ほどが自生し、帰化植物150種がある。漢字「菊」の下部は、手の中に米を丸めて握った様を表し、それに草冠を加えて多くの花を丸めて握ったような花(球状花序)を示す。(Wikipedia他)

 朽ちかけし垣根にすがる嵯峨菊のさび色重く冬の影帯ぶ (児玉喜子・04)
 
 s-キク②20191107
  
 10月11日以来のブログ更新となった。12日の台風19号、その後の大雨でいわき市内各所で被災。還太郎も数回ボランティア活動に参加。市内・県内はもちろん、大分、岡山、大阪、千葉、茨城から来てくださった皆さんと一緒に作業する機会があった。

 道の駅の駐車場で車中泊しながら長期で活動している方もおられるし、茨城県最南部の取手市から毎日往復しているという方もおられる。岡山から来たという青年は、「現在失業中で暇なんです。郡山に行こうかと思ったけど、いわきは人手不足が深刻とネットで知ったので来ました。何日か活動したら次は南相馬かなと思っています。」とのこと。
 
 ボランティアに参加された皆さんは、老若男女を問わずとにかく熱心に働く。うまい冗談を連発するおじさんは、「笑いながらやっていると疲れないんだよ」と。高齢独居の被災者は自分では何もできずに途方にくれていたと言い、作業が終了すると涙を流して何度もお礼を言われた。これが見捨てておかりょうか。 いずれは我が身。引き続き活動しようと思っている。

 逝く秋の夜長の独り菊の香に誘はれて舞ふひとりの舞を (佐佐木由幾・89)
  
 s-キク④20191107
 そんななか10/28から3日がかりで、何も作っていない畑3枚に銀杏15本、すもも2種17本、梅4種30本を植えた(正確に言うと、植えたのは植木屋の松吉さん、私は補助作業)。雑草退治ばかりではつまらないし、野菜は手間がかかるので果樹にした次第。

 強風に雲はらわれてふかぶかと立冬の空ひかりを蔵す (後藤美子・09)

 s-何かな②20191107
 調査中。因みに今年の立冬は11/8。

 根岸鍵屋に熱燗舐(ねぶ)りそののち男おみなや今日一の酉 (久々湊盈子・96)
 
 s-なにかな20191107
 クレオメ。南アメリカ原産の宿根草。蝶が飛んでいる姿を連想させることから、和名は「西洋風蝶草」。今年の「一の酉」は11/8。

 末法の世のその終りなどと言ひながら立冬の日の午後あたたかかりき (長沢美津・85)

 s-朝顔類20191107
 西洋朝顔のへブンリーブルーかな。

 水薬の表面張力ゆれやまず空に電線鳴る十一月 (穂村弘・90)
 
 s-朝顔類②20191107
 花芯にLEDライトが仕込まれているかのよう。

 そののちを撃たれたる熊が映りをり柿の木に実をもぎゐるところ (花山多佳子・06)

 s-大きな甘柿20191107
 柿。

 黄なる柚今年も多(さは)に実りしや亡き母の里いまもまぼろし (鈴木英夫・88)

 s-ユズ20191107
 ここからは@還太植物園。今年もユズがたわわに実った。

 つはぶきの丸葉の光沢(つや)よ人生はただ死体への道には非ず (高野公彦・03)

 s-ツワブキ②20191107
 石蕗(ツワブキ)。名前の由来は艶葉蕗(ツヤハブキ)、つまり「艶のある葉」から転じたという説がある。兵庫県の津和野の地名は「石蕗の野(ツワブキが多く生えるところ)」が由来となっているという。 (Wikipedia)

 ピロリ菌除去のための服薬で、10/31から7日間断酒。1週間も酒抜きなんて何十年振りだろう。スタート前は、初日の晩から挫折するのではと案じていたが、なんなく完遂できた。イライラすることもなく、眠れないということもなし。ウイスキーのハイボール1缶+夏は焼酎のロック、冬は同お湯割りを何杯かという生活を何年も続けているのにどうして❓ とにかく \(^o^)/。

 潮入りの川音(かはと)高きに生い立ちて石蕗(つは)の花咲くひとり濡れつつ (中嶋みさと・00)  

 s-ツワブキ20191031

 旧居のあとさまよふわれの外套にとどまれよ山茶花のはなのひと片(ひら) (木俣修・64) 
 
 s-サザンカ②20191107
 サザンカ再登場。蕾の外側は赤いが、開くと白花。

 紅療治(べにりょうじ)の看板古りてこのあたり早や山茶花の散りそむるころ (吉田正俊・75)

 *「紅療治」=大正期に流行した民間療法。中国渡来の古法と称して、紅花の絞り汁を錫の容器に蓄えて飲用し、もしくは頭部その他の患部へすこんで治療した。(知恵袋)

 s-サザンカ③20191107
 100本のサザンカが咲き揃ったら、さぞかし美しかろうと期待している。

 今回のブログは昨日(11/7)から作成しているのだが、今日もボランティアに行ったら、4人のグループで活動ということになった。自己紹介しあってビックリ。北海道(稚内)、愛媛県、大分県、そして私が福島県。北海道、本州、四国、九州が勢揃い。事務局が出身地を確認してグループを作っているわけではない。全くの偶然。皆さん、ネットなどでいわき市がボランティア不足と知って来てくださったとのこと。感謝、感謝。 

十月 之具礼能常可 吾世古河 屋戸乃黄葉 可落所見 (大伴家持)

 十月(かむなづき) 時雨の常か 我が背子が 宿の黄葉(もみちば) 散りぬべく見ゆ (大伴家持)

 今年のタイトルは万葉集から。「十月の時雨の常なのでしょう。あなたのお宅の黄葉が散りそうですね」の意。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月刊)第3巻『自然詠』から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 われよりも肌あたたかき鳥類をねむらせて夜の森を吹く風 (荻本清子・66) 

 s-イヌガラシ20191009
 今回の写真は、10/9の朝の農道散歩で撮ったもの。犬芥子(イヌガラシ)。芥子菜(カラシナ)に似ているが食べられないので、イヌガラシ。役に立たない雑草には「犬・・・」という名が付けられているものが40種ほどある。愛犬家、激怒もの。

 撃たれたる小鳥かへりてくるための草地ありわが頭蓋のなかに (寺山修司・71)

 s-エノコログサ20191009
 エノコログサ。花穂が犬の尾に似ていることから、犬っころ草が転じてエノコログサという呼称になった由。(植物名の由来は殆どWikipediaによる。)

 赤き実を残らず食(は)みて小鳥らの楽しく山に帰り行きしや (高安国世・84)
 
 s-カントウヨメナ20191009 (1)
 関東嫁菜(カントウヨメナ)。優しげな花を咲かせるため「嫁」の名がつく由。ただ「夜目菜」という説もある。関東嫁菜があるなら、関西嫁菜があるのかと問われれば、それはない。ただ、中部・東海以西~四国・九州に咲く「ヨメナ」はある。カントウヨメナは「葉は比較的薄く光沢なし」、ヨメナは「葉が厚ぼったくて光沢がある」由。

 とりつく樹定めし鳥が空中に羽根の力を抜くかたち見ゆ (花山多佳子・85)

 s-キクイモ20191009
 菊芋(キクイモ)。菊に似た花をつけ、地中に塊茎(芋状の塊)を作る。

 いにしへは鳥なりし空 胸あをく昼月つひに孵(かへ)らぬを抱く (水原紫苑・89)

 s-サクラタデ20191009
 桜蓼(サクラタデ)。

 病むひとの逝きてうつそ身くるうまで音に鳴く禽を胸に棲ましむ (濱田陽子・91)

 s-セイタカアワダチソウ20191009
 背高泡立草(セイタカアワダチソウ)。ブタクサと混同され、花粉症の原因だと言われるが濡れ衣。

 夕空を一羽截(き)りゆく鳥つぶてくきやかにみどりの稜線はあり (武川忠一・92)

 s-チカラシバ20191009
 力芝(チカラシバ)。非常しっかりした草で、引き抜くにも刈り取るにもやっかい。ひきちぎるのに力がいることから「力芝」。

 水銀灯ひとつひとつに一羽ずつ鳥が眠っている夜明け前 (穂村弘・92)

 s-ノボロギク20191009
 野襤褸菊(ノボロギク)。野に生えるボロギクの意。見たまま。

 鳥栖(す)まぬ巣箱の夜明け鳥栖まぬ巣箱の日ぐれ冬至のひと日 (柏崎驍二・94)

 s-ハキダメギク20191009
 掃溜菊(ハキダメギク)。牧野富太郎が世田谷の掃き溜めで発見したので、この名がついた。

 鳥の目はまどかなれどもものいはずくいくいと見て見ぬふりをする (今野寿美・95)

 s-ハハコグサ20191009
 母子草(ハハコグサ)。春の七草のひとつである「御形」(ごぎょう)がこれ。花期は4~6月であるが、冬の水田にもよく出現する。新芽がやや這うことから「這う子」から訛ったのではという説もある。

 しののめの薄くれなゐにほのぼのと鳥が鳥呼ぶこゑ柔らかし (武下奈々子・95)

 s-ヒメジョオン20191009
 姫女菀(ヒメジョオン)。「姫」は「小さい」、「女菀」は「中国産の野草」を示す。

 暮れあしを早める鳥の影は増しいちもくさんの森のふところ (村山美恵子・98)

 s-ミゾソバ20191009
 溝蕎麦(ミゾソバ)。溝や用水路、小川などの縁に生えていて、その見た目が蕎麦に似ているから。

 ゆふぐれの鳥さけびつつ生きてゆく途上の孤独まぎれもあらず (柴英美子・02)

 s-ミゾソバ②20191009
 同。

 私を見ながらたつぷり歌ふ四十雀ありがたう奥さんによろしく (石川不二子・08)

 s-葭の穂20191009
 葭の穂。

 前々回のブログ(9/26号)で、芙蓉の花に付いている虫の一つを「カメムシかな? 調査中」とした。その後、ネットや下の2冊で調べるも不明。かくなる上は『日本原色カメムシ図鑑』(全3巻)を買うしかないかと思ったが、Amazonで見ると全巻で3万円以上・・・。断念。市内で一番大きい「いわき総合図書館」に問い合わせると蔵書しているとのことで、片道25kmのドライブ。3巻を2回眺めたが、見当たらない。「もしかして新種 ? 」 (*_*; ・・・。そんなわけないか。引き続き調査。

 s-くらべてわかる甲虫  s-カメムシ博士入門

 台風19号でどんなことになるのか、最近の天候は凶暴化しているので、今日(10/11)の上京の予定はキャンセル。

 皆さまも、くれぐれもご注意願います。 
 
プロフィール

還太郎+7

Author:還太郎+7
畑や庭での作業を楽しんで、晩酌・早寝・早起きの毎日です。読書やドライブも好きです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ