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逝く秋の夜長の独り菊の香に誘はれて舞ふひとりの舞を(佐佐木由幾)

 うつくしく咲き散る花よ大方はその実を結ぶためにはあらず(窪田空穂)
 s-イボクサ20160925
 イボクサ。かわいいので再掲。

 咲く花のいろとりどりに靡かへば己さげすむことも卑しも(吉田正俊)
 s-キク②20160925
 アキノノゲシ。

 わが知らぬ死後の世界もかくのごと微風のまにま花匂ひ来る(大野誠夫)
 s-キク③20160925
 
 ゆらぎつつ咲ききはまりし白妙か花のいのちは短かりとも(吉田正俊)
 s-キク20160925
 ノコンギクかな。

 刈る手なく伸びきはまりし雑草の茎も葉も実もなべてうつくし(結城哀草果)
 s-キクイモ③20160925
 キクイモ。

 花を訪ふ蜂の身軽さ 蜂を待つ花のけだるさともにゆらげり(石田容子) 
 s-キクイモ20160925

 すぎゆきのかなしきことは言わねども壺に描かれてなびく秋草(轟太市)
 s-キクイモ②20160925
 キクイモとチャバネセセリかな。
 
 近よりてつくづく見れば汚(し)みのなき花などあらずむしろ気味よき(大塚陽子)
 s-キクかな20160925
 タウコギ。(S先輩からご教示あり)

 先の世ものちの世もなき身ひとつのとどまるときに花ありにけり(上田三四二)
 s-キクかな②20160925
 アメリカタカサブロウ。 

 朝の日ざし夕の日ざしに咲く花をしみじみと見き今年の我は(柴生田稔)
 s-ダンドボロギク20160925
 ダンドボロギク。

 韻律のそよぎとどめし草の上ほろびはじめし光に対ふ(志垣澄幸)
 s-カエル②20160925

 台風ののちの小島の草木の打ちすゑられし形を解かず(小畑庸子)
 s-クサギ20160925
 クサギ。

 あるこおるらんぷのやうなさびしさを点して咲けり露草の花(影山一男)
 s-ツユクサ20160925
 ツユクサ。

 顔おほふ花束持ちて来る者は水上をゆくごとく歩めり(水原紫苑)
 s-トンボ20160925
 アキアカネ。(S先輩からご教示あり)

 野の花の波の彼方に嘗ての日の開墾畑あり、母に立ち添う(住正代)
 s-トンボ②20160925

 夏ゆけばいつさい棄てよ忘れよといきなり花になる曼珠沙華(今野寿美)
 s-ヒガンバナ20160925
 ヒガンバナ。

 さきがけて咲きたるならんさきがけて光の中にひとひら散れり(稲葉京子)
 s-ママコノシリヌグイ20160925
 ママコノシリヌグイかな。アキノウナギツカミかな。S先輩から、「ママコノシリヌグイか、アキノウナギツカミかは葉を見れば一目瞭然」とのご教示をいただいたが、葉が写っている写真がない。茎には棘のような突起が付いていて、ウナギをつかむには便利かもしれないが、継子とはいえ尻拭いに使うのは児童虐待では? 韓国では「嫁の尻拭き草」と言うそうな。

 秋草の丘駆けのぼり下りながら母をすこしづつ送りゐるならむ(小松久美江) 
 s-何かな④20160925
 調査中。小さい小さいはな。イヌガラシ。(S先輩)

 わが内に兆す氷河の解くべくもなき日よ垣にまぼろしの花(中西悟堂)
 s-穂20160925
 チカラシバ。(S先輩)
 茫々と背後に草の揺るるのみかかる景いつの懐古にあらん(秋葉静枝)  
 s-穂②20160925

 丈高く伸びし茅のおのおのが微動だもせず秋日静けし(結城哀草果)
 s-穂③20160925

 やはらかく曲の響きて朝明けの窓を開けば花のにほいす(大滝貞一)
 s-マルバルコウ20160925
 マルバルコウ。

 今日は薄曇り。ただ時々は陽射しもあり、いそいそと内牧公園へ。気持ちいい汗をかいて満足、満足。
 皆さまもお健やかにお過ごし願います。


  

はるかなる谷ひびきあひ空となり一本の樹にかなしみは降る(櫟原聰)

9/22、雨。里山徘徊はできないので、今回はすべてS先輩が9/17に仏具山(ぶつぐさん・いわき市田人町南大平・標高670.5m)で撮られた草花の写真のご紹介。 

 しづかなる生(いき)をねがひて秋づける山々息(いこ)ふ青谷に来ぬ(上田三四二)
 s-アズマヤマアザミ
 アズマヤマアザミ。

 わたくしの言葉の外に空ありて山ありて風ありて阿蘇は秋(築地正子)
 s-キツリフネ
 キツリフネ。

 今もなほ隆起してゐるといふ山塊の父のごとき意志思ふ秋の日(馬場あき子)
 s-サルナシ
 サルナシ。

 山谷の深きしじまの岩伝ふ水音かそけく秋ふかまりぬ(高嶋昭二)
 s-キンミズヒキ
 キンミズヒキ。

 夕くらむ吉備の中山そま道の枯葉の下に水流れたり(能見謙太郎)
 s-ツルキケマン
 ツルキケマン。

 しろがねのゆふぐれ近き雲の秋いづこにか水漬く鐘のあるべし(雨宮雅子)
 s-ツルニンジン
 ツルニンジン。
 
 秋ふかみ鍛治屋が槌も音にすみて朝の市街は水うてる如し(若山喜志子)
 s-ノササゲ
 ノササゲ。

 秋更けて末枯れそめたる紫陽花の錆色にして球を崩さず(田村ひさ子)
 s-ママコノシリヌグイ
 ママコノシリヌグイ。

 水瓶の形に水はひつそりと置かれてゐたり秋の門辺に(古谷智子)
 s-ミズヒキ
 ミズヒキ。 

 秋ふかき朝の光は無眼大仏の削がれたる顔にやはらかく差す(宮英子)
 s-名残りのキバナアキギリ
 キバナアキギリ。

 「旅をする木」(星野道夫・文春文庫・今年5月に第34版を刊行)を読んでいる。彼はアラスカに18年間住み、野生生物やエスキモーの生活などをテーマとした写真家。1996年8月、シベリアのクルリ湖でクマに襲われて死亡。
 本の書き出し。
 「フェアバンクスは新緑の季節も終わり、初夏が近づいています。夕暮れの頃、枯れ枝を集め、家の前で焚き火をしていると、アカリスの声があちこちから聞こえてきます。残雪が消えた森のカーペットにはコロコロとしたムースの冬の糞が落ちていて、一体あんな大きな生き物がいつ家の近くを通り過ぎていったのだろうと思います。
 頬を撫でてゆく風の感触も甘く、季節が変わっていこうとしていることがわかります。アラスカに暮らし始めて十五年がたちましたが、ぼくはページをめくるようにはっきりと変化してゆくこの土地の季節感が好きです。」


 前述のように、彼はクマに襲われて亡くなるのだが、こんな風にクマのことを書いている。
 「アラスカの自然を旅していると、たとえ出合わなくても、いつもどこかにクマの存在を意識する。今の世の中でそれは何と贅沢なことなのだろう。クマの存在が、人間が忘れている生物としての緊張感を呼び起こしてくれるからだ。もしこの土地からクマが消え、野営の夜、何も怖れずに眠ることができたなら、それは何とつまらぬ自然なのだろう。四月のアラスカは、姿は見えなくても、そろそろ雪の下からクマの気配を感じ始めるときである。」 

 台風一過、急に涼しくなりました。皆さま、ご自愛願います。

焼き上げし秋刀魚より抜く直線の骨美しき秋となりたり(高橋爾郎)

 9/19、雨・曇り。この天気では内牧公園には行けないと思っていた。午後になって、明後日から帰省する妻が「野菜の苗を買いに行きたい」というので、『ガッテンだ!!』と。野菜の苗の売り場の隣は草花・植木の売り場。ということで、反則技かと思いつつ、本日は雨の某ホームセンターからの中継・・・。

 秋冷を満たしすぎたるさびしさに割れて終ひぬガラスの盃は(美濃部ユリ子)
 s-ガウラ20160919
 ガウラ。

 秋くれば 秋のネクタイさがすなり 朽葉のいろの胸にしたしく(土岐善麿)
 s-ビレア(シンブサンセット)20160919
 ビレア(シンブ サンセット)。

 過ぎ去りて失いしものなにあると衝かれてわれは秋のまなかなる(三枝浩樹)
 s-ノボタン20160919
 ノボタン。

 
 苔のにほひ時雨にたたしむ野仏の面輪ほろほろと逝く秋の光(かげ)(古玉智子)
 s-トルコキキョウ20160919
 トルコキキョウ。

 鳴く虫の気管の中に吸われゆく秋の空気をわが肺も吸ふ(中村規子) 
 s-トウティラン20160919
 トウテイラン(洞庭藍)。

 冷えてゆく母の手握るとほき日にそを取り合ひし妹とふたりで(9/18日経歌壇・石塚令子)
 s-白花ガウラ20160919
 カルプラコア(カメレオン シリーズ)。

 しろがねの秋のうろこは夕かげをするどく反(かえ)し路地の魚店(うおだな)(島田修三) 
 s-プリンセスブルー20160919
 プリンセスブルー。

 澄む秋は黒きベロアの襯衣を着て刃物の並ぶところを過ぎれり(河野愛子)
 s-寄せ植え20160919

 拾ひ来てつやつやまろきどんぐりを幼なの撒けばそこはもう秋(佐佐木由幾)

 先週末、いつも植物などの名前をご教示くださるS先輩と会食。『ヘクソカズラとかハキダメギクとか、かわいそうな名前もありますよね。先週Sさんに教えていただいたクサレダマもひどい、黄色の可愛い花なのに』と話したところでストップがかかる。表記は『草連玉』とのこと。マメ科のレダマという落葉低木があり、その花と似ており草本であることから『草連玉』となった由。ウ~ン、道を究めるには幾星霜かかることか・・・?

皆さま、お健やかにお過ごし願います。

水打たれたちなほる草 草に花 花に露おくことのたのしさ(藤井常世)

9/10、曇り時々晴れ。ちょっと出遅れて昼頃に内牧公園へ。

 蜻蛉は沈黙の使者 秋分の日の庭に来て翅(はね)かがやかす(武田弘之) 
 s-ホバリング20160910
 私が飛行中のトンボを撮れるのは珍しい。

 土はすでに秋のひそまり灯の下に針山の針の錆びしをぬけば(斎藤史)
 s-何かな20160910
 イボクサ。

 それぞれは秀でて天を目指すとも寄り合うたしかに森なる世界(清原日出夫)
 s-キバナコスモス20160910
 キバナコスモス。

 濃みどり森に照る陽の白く炎えて人恋しさが滝となる午後(今井恵子)
 s-何かな⑤20160910
 アレチウリ。

 置き去りにされた眼鏡が砂浜で光の束をみている九月(穂村弘) 
 s-何かな④20160910
 セイバンモロコシ(S先輩からご教示あり)

 秋の土しづかにキクを咲かしめよ天地(あめつち)澄むと思ふ朝なり(馬場あき子)
 s-キクイモ20160910
 キクイモ。

 峡ふかきかたむく棚田に田下駄穿き頬冠る農婦のろく稲刈る(結城哀草果)
 s-何かな②20160910
 アメリカタカサブロウ。

 青さざ波湧きつぐ稻田に対ひゐて確かにわれは農民の裔(すえ)(太田青丘)
 s-何かな⑥20160910
 ヤブツルアズキ(S先輩)

 ひそひそと海が囁くむかしむかしお前を産んだ記憶があるよ(井川京子) 
 s-何かな③20160910
 クサレダマ(S先輩)

 魚でも鳥でも人でも無くなって暮れてゆくまで海を見ている(松尾タイ)
 s-きじ20160910
 キジが2家族で食事をすることはないと思うので、父母と息子1、娘2の家族かな。

 以下はおまけ。9/11の白岡運動公園。
 s-チョウ①20160911
 アカボシゴマダラ、近年関東で増えている外来種(以下も含めてS先輩からご教示有り)。

 s-チョウ②20160911
 キチョウ。

 s-チョウ③20160911
 アサマイチモンジ。

 s-チョウ④20160911
 ツマグロヒョウモン。

 皆さま、お健やかにお過ごしください。

しののめの薄くれなゐにほのぼのと鳥が鳥呼ぶこゑ柔らかし(武下奈々子)

9/4、曇り空の内牧公園。8時すぎから歩き出す。

 鳥のため樹は立つことを選びしと野はわれに告ぐ風のまにまに(大塚寅彦)
 s-白い花2010904
 センニンソウ。

 きららめく蜻蛉(あきつ)の翅と芋の葉の露と静止の刻(とき)保ちあふ(鈴木諄三) 
 s-何かな②20160904
 ワルナスビの若い果実であると、S先輩からご教示あり。熟すと黄色になるとのこと。

 枯蘆の下草もゆる利根の川原かすみを裂きて雲雀なくなり(8/29読売歌壇・平山伍郎)
 s-何かな20160904
 コヒルガオの群生地に咲いていた。白地に紫色のポイント付きのおしゃれもの。マルバアサガオの白花とのこと(S先輩)

 ひばの葉はいつもどこかが動きおり小さき風の径があるらし(8/29読売歌壇・加津牟根夫)
 s-フウセンカズラ20160904
 フウセンカズラと一緒に咲いていたのだけど、違う種みたい。何かな? マメアサガオ。アサガオ・ヒルガオの仲間では最小の花とのこと(S先輩)

 風鈴の合図を待って次々に涼しい風が孵化する夕べ(8/29読売歌壇・宮園佳代美)
 s-つゆ草20160904
ツユクサ。

 夏雲と灼熱の空一筋の光を泳ぐ青筋アゲハ(8/29朝日歌壇・森本恵子)
 s-クズ20160904
 クズ。

 ぬばたまの闇ほうたるの迷ひ来ぬ一糸の光草書のごとし(8/29朝日歌壇・長谷川瞳)
 s-クコかな20160904
 ガガイモ。

 逢ふために乗り継ぎて来しみちのくの磐越西線夏草ふかし(8/29朝日歌壇・藤田雅子)
 s-サクラの葉20160904 (1)

 サクラの葉も色づいてきた。これから日に日に涼しくなってくることを期待しつつ、皆さま、お健やかに !
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kantarou + 6

Author:kantarou + 6
畑や庭での作業を楽しんで、晩酌・早寝・早起きの毎日です。読書やドライブも好きです。

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