FC2ブログ

乃東枯(なつかれくさかるる)

 「乃東枯」は「夏至」の初候(6/21~25)。夏至の頃に枯れるので「夏枯草」の名がある靭草(うつぼぐさ)の花殻が枯れる頃の意。

 百段(ももきだ)の田をつぎつぎにひたしゆく水の下降に涙湧きくる(前登志夫)  
 s-花②20170624

 青田中真日照るのみの道を来て白き蝶に遭ひ黄の蝶に逢ふ(田中鋭)
 s-花20170624

 朝ぎりの風に流れて少しづつ青田のひかりみどり増しゆく(大郷輝雄)  
 s-ワルナスビ20170624

 人間の技美しき早苗田が水を呼び水が夏雲を呼ぶ(三枝昴之)
 s-花③20170624

 雨つぶのえがく水の輪曼荼羅絵いま水張田は至福のときか(下野惠助)
 s-ヨウシュヤマゴボウ20170624

 あずさゆみ春のひろ野に草萌えて休耕田の畦道をゆく(中川左和子)
 s-クズの葉20170624

 はるかにも花畑つづく此処よりは踵かへせといふ札の立つ(池田まり子) 
 s-クズの葉②

 丘畑にながく待たれし雨なれば空気やはらかに夜を降る音(東長二)
 s-ハス②20170624

 やがて海へ出る夏の川あかるくてわれは映されながら沿いゆく(寺山修司)
 s-ハス③20170624

 くれゆけば潮扁平となる海か具象ならざりし愛もちてきて(生方たつゑ)
 s-花④20170624

 にわたずみまばたくと見れば降りており林にいまだ音あらぬ雨(高安国世)
        (にわたずみ(潦・庭潦)=雨が降って地上にたまったり流れたりする水)
 s-合歓②20170624

 川の瀬に立つ一つ岩乗り越ゆと水たのしげに乗り越え止まぬ(窪田空穂)
 s-紫陽花20170624

 勢ひて流れ来りしが水柱となりて落差を支ふるごとし(江畑耕作)
 s-紫陽花③20170624

 ゆたかなる水のおもてに導きて舟着きの細き板のひとすじ(高安国世)
 s-蝶20170624

 青き葉や花の鉢並ぶる江東区清住町は水の匂ひす(河野愛子)
 s-葉20170624

 腹這ひて論じぬおなじ水脈のみづに育てば草も樹も朋(時田則雄)
 s-葉②20170624

 陽のあたる山翳る山いくひだを穿ちてみづは回廊をなす(岸上展)
 s-葉③20170624

 今日は2週間振りの内牧公園。ガンネ@白岡さんに「内牧ランラン、ただいまスタート」とメールすると、暫くして@白岡さんが愛車(自転車)にて到着。ベランダでのアオガエル飼育の話で盛り上がる。スマホで写真も見せていただくが、孫の写真の開陳のような意気込み。毎度のように「内牧ランラン」に駆け付けてくれる。

 皆さま、暑くなりました。ご自愛願います。
 

腐草為蛍(くされたるくさ ほたるとなる)

「腐草為蛍」は24節気「芒種」の次候(6/11~15)。水辺の草むらで蛍が孵化する頃の意。

 菖蒲(あやめ)見んと遠くも来たり堀切の古りし板橋ながきを渡る(窪田空穂)
 s-花20170611

 大方は山野草にて春の芽の出づるをひざまづきて見廻す(東山三代)
 s-蜂20170611

 うち伏して風の無頼をゆるしゐる草千本に思慮ふかむなり(岸本節子)
 s-水田20170611

 廃駅をくさあぢさゐの花占めてただ歳月はまぶしかりけり(小池光)
 s-紫陽花20170611

 帰り来ればわがもの顔に匂ふ百合ひとの影うすき家となりたり(生田澄江)
 s-花②20170611

 皮膚呼吸してゐる樹々か 眼差しの透くやさしさに風充ちて来よ(牛山ゆう子)
 s-緑陰②20170611

 このところ立て続けにいい本に巡り会っている。先ずは須賀敦子。「ミラノ 霧の風景」、「コルシカ書店の仲間たち」、「旅のあいまに」(河出文庫・須賀敦子全集第1巻)。芳醇な日本酒をちびちび且つ長々と飲んでいるような快感。巻末の池澤夏樹氏の解説もいい。曰く、『①彼女の執筆活動は最晩年の十年ほどに集中的に行われた。②彼女の書いたものはエッセーであって、時として小説に近づいたけれども、小説そのものにはならなかった。③彼女が書いたのは、そのほとんどがイタリアという異国の話であった。書いたのは自分のイタリア生活であり、その意味では創作ではなく報告であった。しかし、彼女はそのエッセーにおいて見事な成果を上げて多くの読者を獲得し、一流の文学者の列に加わった。』

 野澤千絵「老いる家 崩れる街」(講談社現代新書)。彼女は都市工学専攻の工学博士。国や地方自治体の野放図な「規制緩和」が何を引き起こしているのか、節税対策のアパート経営がなぜ破たんするのか、高層マンションのオーナーになることの危険性等々。

 「ドナルド・キーン自伝」、中央文庫。これは2006年にほぼ1年間に亘って読売新聞土曜日朝刊に連載された自伝。現在95歳になるが依然としてスーパーマン的な活躍が続いている。『知の巨人』は老いることを知らないらしい。

 今晩から読もうとしているのは、カズオ・イシグロの「日の名残り」 !

皆さま、お元気にお過ごしください。 
プロフィール

kantarou + 6

Author:kantarou + 6
畑や庭での作業を楽しんで、晩酌・早寝・早起きの毎日です。読書やドライブも好きです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム