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金盞香(きんせんかさく)


 「金盞香」は24節気「立冬」の末候(11/17~21)。水仙が咲いて、あたりに芳香が漂う頃の意。すっかり空が高くなって、空気が引き締まってきた。

 今日(11/19)は好天。洗濯・掃除を済ませて、石岡市にある茨城県フラワーパークへ。冬薔薇が陽射しを浴びていた。
 今回は、岡本かの子。明治22年3月1日~昭和14年2月18日。夫は画家の岡本一平。岡本太郎は息子。「わが愛する歌人 第一集」(有斐閣新書、昭和53年刊)から。同書は第四集まであるが、アマゾンでそれぞれ1円~5円で購入。本の状態は全く問題なし。

 伏しおがむ姿なりしよおのづから気づけるときのわれの姿は 
s-バラ20171119

 行き暮れて灯影へ急ぐ旅人のかなしく静けき心となりたや
 s-バラ②20171119

 世の限り厨にありて水瓶のかげの蝉(いとど)の声に泣かまし
 s-バラ③20171119

 かの子よ汝が枇杷の実のごと明るき瞳このごろやせて何かなげける
 s-バラ④20171119

 十万世界に月照れれども草むらはおぐらくして虫啼けりけり
 s-バラ⑤20171119

 桜ばないのち一ぱいに咲くからに生命(いのち)かけてわが眺めたり
 s-バラ⑥20171119

 夜となりぬわれまたおもふ武蔵野の木の間の家に燈ともす母
 s-バラ⑦20171119

 このわれや寂しかれども天地の笑みかたまくる春はうれしき
 s-バラ⑧20171119

 わが生くるこのうつくし世を吹く風にけふも一日(いちじつ)ふかれつつ居る
 s-バラ⑨20171119

 うつし世を夢幻とおもへども百合あかあかと咲きにけるかも
 s-バラ⑩20171119

 うつらうつらわが夢むらく遠方(おちかた)の水晶山に散るさくらばな
 s-紅葉20171119

  まさびしき畑のさまかな帚木はははきとなりて刈り去られけり
 s-紅葉②2017119

 よべよりの心のなやみに沁むものか今朝降りしきる雪のしらたへ
 s-紅葉③20171119

 おろかなるわれとおもふに夜の燈のひとつさへ持つありがたきかも
 s-紅葉④20171119

 岡本かな子は、50歳まであと10日という時に没。死因は3度目の脳溢血。自分のことを「私は三つの瘤を持つ駱駝だ。一つは短歌、一つは仏教、一つは小説」と言っていた。仏号を「雪華」という大乗哲学者としても知られ、没年に発表した小説「老妓抄」は文壇を挙げての絶賛を受けている。
 一方で、岡本一平の居る自宅で自分の年若い愛人とも同居し、さらにかの子の妹も同居し、かの子は神経を痛めて精神病院に入院するなど、地獄のような苦難もなめた凄まじき人生。

 今日は11月下旬とはいえ、温かい陽射しの中を散策でき、いい一日でした。残念なのは、俄か茨城県人として応援している高安も稀勢里も敗れたこと。ガンバレ~!! 皆さま、お健やかにお過ごし願います。

 


 
 
 

地始凍(ちはじめてこおる)

 「地始凍」は24節気「立冬」の次候(11/12~16)。大地が初めて凍てつき、冬の訪れを実感させる頃の意。

 昨日(11/11)は福島市、今日はいわき市で、16時頃土浦市のアパートに帰る。本日の写真はいわきの農家の庭先の花など。花々はきれいに咲いているが、冬の訪れを控え、いずれも静かな佇まい。  
 
 今日は北原白秋。

 大きなる手があらはれて昼深し上から卵をつかみけるかも
 s-キク20171112

 下り尽す一夜の霜やこの暁をほろんちよちよちよと澄む鳥のこゑ
 s-キク②20171112

 寂しさに海を覗けばあはれあはれ章魚逃げてゆく真昼の光
 s-キク③20171112

 驟雨の後日の照り来る草野原におびただしく笑ふ光を感ず
 s-キク⑤20171112

 どぐだみの花のにほひを思ふとき青みて迫る君がまなざし
 s-サザンカ③20171112

 ニコライ堂この夜揺りかへる鳴る鐘の大きあり小さきあり小さきあり大きあり
 s-サザンカ②20171112

 春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草に日の入る夕
 s-ユズ20171112
 
 不尽の山れいろうとしてひさかたの天の一方に立てりけるかも
 s-バラ②20171112

 物の葉やあそぶ蜆蝶はすずしくてみなあはれなり風に逸れゆく
 s-バラ20171112

 闇の夜に猫のうぶごゑ聴くものは金環ほそきついたちの月
 s-枯葉20171112

 行く水の目にとどまらぬ青水沫鶺鴒の尾は触れにたりけり
 s-紫の実20171112
 
 まなかひに落ち来る濤の後濤の立ちきほひたる峯のゆゆしさ
 s-秋の日20171114

 今回の短歌は「わが愛する歌人・第一集」(有斐閣新書・1978年8月刊)から。

 カズオ・イシグロの「遠い山なみの光」を読んだ。感想を一言でいえば『胸塞(ふた)ぐ思い』。途中で何度も投げ出したくなった。英国文学協会賞受賞作。

 皆さま、お健やかにお過ごし願います。

楓蔦黄(もみじつたきばむ)

 「楓蔦黄」は24節気「霜降」の末候(11/2~6)。紅葉の盛り。色鮮やかな葉は冬枯れ前の一瞬の輝き。

 11/3、朝のうちは小雨・曇り、やがて日がさしてきた。近隣の里山を一巡り。Tシャツと長袖のポロシャツだったが、汗ばむ陽気になった。

 徳利のむこうは夜霧、大いなる闇よしとして秋の酒酌む(佐々木幸綱)
 s-紅葉⑥20171103
 
 ゆく秋の夜を澄むほどに酒のめば生(よ)にかぎりあることも遥けし(佐々木幸綱)
 s-紅葉⑤20171103

 ほくほくとぬくもり透る美酒(うまざけ)に酔ふや今宵のおぼろの月は(中根三枝子)
 s-紅葉④20171103

 くちひびく塩辛鰯いのちあり霜夜ひとりの酒深くなる(坪野哲久)
 s-紅葉③20171103

 「酔ってるの?あたしが誰かわかってる?」「ブーフーウーじゃないかな?」(穂村弘)
 s-紅葉②20171103

 みな酔うておもしろければ海老が出て虎魚(おこぜ)引っ込み鮟鱇が惚け(池田はるみ)
 s-紅葉20171103

 酔ひといふはつまづくように来るらしい 石蕗のはな闇深くする(黒木三千代)
 s-赤い実20171103

 酔っていることのみ告げて切れしかば夜の受話器はとろりと重い(永田和弘)
 s-紫陽花20171103

 生きてゆく気力失せくるたそがれは盃ほさむ先づ二つ三つ(筏井嘉一)
 s-ススキ20171103

 なんとなくこの連休を休肝日にと思い立ち22時半いまだノンアル(還太郎)

 今日は、お酒は短歌だけにしました。皆さま、お健やかにお過ごし願います。
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kantarou + 6

Author:kantarou + 6
畑や庭での作業を楽しんで、晩酌・早寝・早起きの毎日です。読書やドライブも好きです。

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