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氤氳たる瞑氛(いんうんたるめいふん)

 「氤氳」は天地の気が盛んなさま。「瞑氛」は気配。(今年のタイトルは漱石の「草枕」の難解熟語から。)
 s-カワセミ20180120
 アパートの近くの水辺で。水中から飛び出してきたカワセミ。ピントとシャッタースピードがあっていれば・・・。こういうタイミングで撮れたのは初めて。

 s-カワセミ②20180120
 あっち向いてホイ。カワセミ君の勝ち。

 s-カワセミ③20180120
 あっち向いてホイ。今度はカワセミ君の負け。

 s-カワセミ④20180120
 あっち向いてホイ。今度もカワセミ君の負け。
 
 s-カワセミ⑤20180120
 「負け越してしまった・・・。いっそここから飛び込んでしまおうか・・・。」

 この週末はちょっと忙しく、短歌は休み。明日は関東も大雪かもしれないとのこと。皆さま、お気をつけて !!

栄辱得喪(えいじょくとくそう)


「栄辱得喪」は名誉と恥辱、利益と損失などの世俗的な関心事。(今年のタイトルは漱石の「草枕」の難解熟語から。)

 今回は窪田空穂。テキストは「わが愛する歌人 第二集」(有斐閣新書・昭和53年12月刊)。解説は武川忠一。

 雪ついばみ低くも歌ふ鳥とこそ雪深き野に生れぬる身の

 窪田空穂は明治10年生まれ、昭和42年没。明治37年に東京専門学校(現早大)を卒業後、独歩社、電報新聞社等を経て、大正9年から昭和23年まで早大文学部で教鞭をとる。信州の松本郊外和田村の生まれ。空穂は文学の世界に憧れて、親に無断で家を出て、東京専門学校に入学するが1年で文学の世界に失望して去り、大阪で実業を志した。しかしながら母の危篤の報で帰郷。その後に養子に行かされるが、養家も去るという曲折を経たのち東京専門学校に復学。上掲の歌は空穂の第一歌集「まひる野」から。若い頃の鬱屈が表現されているようだ。
  
 s-めじろ20180113

 雲よむかし初めてここの野に立ちて草刈りし人にもかくも照りしか
 s-目白②20180113

 寒つばき深紅に咲ける小(ち)さき花冬木の庭の瞳のごとき 
 s-落花20180113

 鉦ならし信濃の国を行き行かばありしながらの母見るらむか
 s-アオサギ20180113

 御嶽颪(みたけおろし)荒さがうちに亡き父のと息まじりてわれに聞こゆる
 s-枯葉2018113

 蒸れくさる蚕糞(こじり)のにほひ、ものうげの馬の嘶き、村は夜に入る
 s-枯葉②20180113

 濁りたるベースの音よりつと生まれ、澄みて鳴りゆくクラリオネット。
 s-枯葉③20180113

 野に遠き葦の小笛よこの宵を聴きて覚め来む魂もあるべし 
 s-笹②20180113

 黄の蕊(しべ)を真白につゝむ水仙のふとあらはれて闇に消えぬる 
 s-冬陽20180113

 げにわれは我執の国の小さき王胸おびゆるに肩そびやかす
 s-凍結20180113

 月出でぬひと片(ひら)寒きゆふ雲の白く照りては消えなむとする 
 s-老木20180113

 かかる日に生まれし我か空白く青葉けぶりて揺ぐともせぬ
 s-何の木20180113

 以下2首は空穂の妻、林圭子の作。

 ここはしも槿(むくげ)の花の褥(しとね)かもうす紫にむらがり匂ふ
 s-起き上がり小法師20180113
 福島県の民芸品。起き上がり小法師。

 わが夫の形見の梅の花咲きて冴々と白し鉢の老木(おいぎ)に
 s-福島の民芸品20180113
 こちらも。

 本日の日経俳壇のトップはいわき市の坂本玄々さんの「生きていることが生甲斐老の冬」。還太郎も先日65歳を迎えたが、坂本さんの境地にはまだまだ・・・。
 「身体髪膚これを父母に受くあえて毀傷せざるは孝の始めなり」(孝経)と申します。皆さま、くれぐれもご自愛願います。

 

俗累の覊絏(ぞくるいのきせつ)

 「俗累の覊絏」。「俗累」は日常のこと、世間の煩わしいこと。「覊絏」はたづな、転じてつなぎとめること。漱石は「草枕」に曰く、「「俗累の覊絏牢として断ちがたきがゆえに・・・」。つまり、世俗の煩わしいことからはなかなか脱し難いと。 

 さて、今回は前田夕暮(明治16年7月27日~昭和26年4月20日。神奈川県出身)。テキストは「わが愛する歌人 第一集」(有斐閣新書・昭和53年8月刊)。解説は石本隆一。

 自然がずんずん体のなかを通過する---山、山、山
 s-日光連山20180107
 1/7、春日部日帰り。利根川に架かる芽吹大橋(茨城県坂東市と千葉県野田市を結ぶ)付近から、日光連山を望む。
 冒頭の短歌は、夕暮がはじめて旅客機に乗り、丹沢山塊の上空を飛んだ時の印象を詠んだもの。

 木に花咲き君わが妻とならむ日の四月のなかなか遠くもあるかな
 s-緑の葉20180107
 (以下の写真は全て春日部・内牧公園にて)

 朝風に吹きあふらるる青樫のざわめくみれば既に春なり
 s-蓮20180107
 夕暮はその生涯に、いく度かの断念と再生を繰り返している。その最大のものは創刊して8年、会員700名近くを擁する「詩歌」を何の予告もなく「われとわが家に火を放つ」ように廃刊してしまったことであろう。
 
 
 朝はまだ冷たき山の五月なり朴の丸太のうす青みたる
 s-百舌20180107

 前田夕暮は、大正12年の元旦から1ヶ月ばかりの間に突如600余首を歌いだした。夕暮れは、それまで4年間ほどにわたって、率いる結社を廃し、歌壇とも離れ、逼塞するように山林経営に従っていたのだが、ふたたび堰を切ったように作歌者への意欲が湧出したのである。
 夕暮の歌には、青い色がきわめて多く詠み込まれている。それも緑を仮称する青ではなく、研ぎすまされたような青色が映しだされている。むしろ、光線そのもののもつ蒼白に近い色調かもしれない。夕暮は糖尿病と診断され、病に原因する白内障から、ものがみな青く見える青視症であったという。

 赤く錆びし小ひさき鍵を袂にし妻とあかるき夜の町に行く
 s-冬陽⑫20180107

 うす青くレーンコートを濡らして、芽吹きかけた雑木林を行く、雨上がり !
 s-冬陽⑪20180107

 こゝろよき飢えをそそりて新しき牡蠣ぞにほへる初秋のあさ
 s-冬陽⑩20180107

 五月の青樫の若葉が、ひときはこの村をあかるくする、朝風
 s-冬陽⑨20180107

 空にむかって、一せいに大きく口をあいている岩燕の朱い咽喉をみた
 s-冬陽⑧20180107

 山崩(なぎ)あとの一面あかき日の光雉子(きぎす)尾をひきいでて遊べる
 s-冬陽⑦20180107

 向日葵は金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ
 s-冬陽⑥20180107

 路の辺の蕗のをさな葉つみとりて匂ひかぎをり若き日のごと
 s-冬陽④20180107

 麦の穂枝が白く光る季節となり、野はあかるく廻転窓をひらく
 s-冬陽③20180107

 山の秀にのこる日かげをみたりけり妻にもみよとわがいひしかも
 s-冬陽20180107②

 林間のうす青みたる朴の木の幹に歯をあて噛める馬あり
 s-冬陽20180107

 第二次大戦の戦中から戦後にかけて、老いた夕暮は疎開地の秩父山中で石塊だらけの荒土を開墾し、健康を大いに損ねている。そのときでさえ、その生活を決して虚勢ではなく、すなおに受け入れ、実際に楽しんでいる。
 
 老妻の待つらむ家に帰らなむふるさとに似しこの坂道を
 s-切株20180107

 摘みとればはやくろぐろと枯れそめぬ冬磯山の名も知らぬ草 
 s-ススキ20180107

 日の下の夢みる如き眼をあげて青き小いさき蛇われをみる 
 s-光の先に20180107

 山川の早瀬にのぞむ崖上の終の栖(ついのすみか)に夕日さしそふ

 「夕暮」の雅号は、新古今集にある西行の歌からとったとのこと。

 心なき身にもあはれはしられけり鴫たつ沢の秋の夕暮

 土浦市は現在(12:58)8℃。 陽がさしているが、15時以降は降水確率50%、17時以降80%、20時以降100%。 皆さま、お健やかにお過ごし願います。

空花乱墜(くうからんつい)


 「空花乱墜」の意は、現実の姿が明確に見えないこと。また、実体のないものを実体があるものとして見誤ること。(漱石・「草枕」から)

 1/2、妻と春日部の自宅に戻る。留守宅に風を通すこと、年賀状等の郵便物の確認などなど。
 春日部イオンの屋上から望む富士山。
s-富士山20180102

 「匠大塚」店内。撮影OKとのこと。これは500万円のペルシャ絨毯。
s-500万円②20180102

 こちらも高価とは思うが、価格は見なかった。
s-ペルシャ絨毯③20180102

 家具屋さんというより美術館?(1階は)
s-お皿2018012

    s-猫②20180102   s-侍かな20180102

s-猫③20180102

 昨年12月4日に続いて、2日未明もスーパームーン。これは2日の晩に撮影。 
s-満月③20180102
 
 次回からは短歌の紹介を中心とした、いつものバージョンに戻ります。
 皆さま、お健やかにお過ごしください。

澆季溷濁(ぎょうきこんだく)

 今年のタイトルは、漱石の「草枕」に散りばめられている難解四文字熟語。「澆季溷濁」は、思いやりなどの人らしい感情が薄くなり、善悪や正邪の基準がおかしくなって世の中が乱れること。

 明けましておめでとうございます。年末のお酒と今日の雑煮で体が重いので15時過ぎに散歩に。
 カーブミラーに反射した夕日が、路上に光の輪を描いていた。
 s-光の輪②20180101

 こちらは鶴沼にて。ピンクの水玉が入ってる。何これ?
 s-お正月の夕日20180101

今日はこれだけ。今年もよろしくお願いします。
プロフィール

kantarou + 6

Author:kantarou + 6
畑や庭での作業を楽しんで、晩酌・早寝・早起きの毎日です。読書やドライブも好きです。

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