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拖泥帯水(たでいたいすい)

 「拖泥帯水」は苦しみにまみれている人を、慈悲の心を持って共に生活することで救済すること。今年のタイトルは漱石『草枕』の難解熟語。

 今回も短歌は『昭和万葉集秀歌 【三】 四季・自然』(講談社現代新書・上田三四二編、昭和60年1月刊)から。作者名の後の数字は昭和何年の、或いは何年何月の発表かを示す。

 朝富士の紺青に澄める頂に茜及びて起伏見え初む (葛原繁・39.10)

 s-パープルスイートロード③20181017
 先ずはサツマイモの収穫状況。ご覧の通りの豊作。品種は「パープル スイートロード」。

 天城嶺(あまぎね)は 母の山かも。常仰ぎ しかも忘れてゐつつ 心底(した)恋ふ (穂積忠・30)
 
 s-パープルスイートロード20181017
 割と大きさも揃っている。柔らかい土なので、スコップを差し込んで、その柄を手前に押し下げると、ゴソッとサツマイモが浮き上がってくる。あとはツルを持って引き上げるだけ。

 おのづからまな鶴なべ鶴棲み分けて川越えし田に群るるなべ鶴 (木田節子・43.3)
 
 s-シルクスイート20181018
 こちらは「シルクスイート」。大きさが不揃いであるばかりか、長芋かゴボウのような長尺品もあり、掘り起こすのは難行苦行。こんな不揃いなのは初めてと妻が嘆く。幸いにして他の列はこれほど不揃いではない。
 もう一つの問題は売行き不振。JAの直営販売店3ヶ所、イオンのJAコーナーなど計4ヶ所で販売しているのだが、思ったほど売れない。義母がお世話になっているデイ・ケア施設や知り合いの料理店、その他に20~30kgほどを無償提供。更には畑の脇を通りかかった知人にも配布。「撒き餌」効果があるいいのだが・・・。来年は好物の芋焼酎でも作ろうかな?

 雲は地に結ばれてゐてその黒き影を錘(おもり)のごとく曳きをり (水上正直・51)

 s-ケイトウ20181017
 変わった色のケイトウ。

 散る花のうへにまた散る山茶花のさながら白き夕ぐれのとき (佐藤志満・53)

 10/23、都内で会食、6時半開始。5名で大いに盛り上がり、お店の方に「もう11時になるので閉店したいのですが・・・」と注意されるまで、そんな時間になっているとは全く気が付かなかった。茨城にいたときのお客様がお相手。以下の写真は24日春日部内牧公園で。今頃咲くの? と再三思わされた花が多かった。
 
 s-ナノハナ20181024
 ナノハナ。 

 十年(ととせ)経てふたたび来れば移りゐる雲ひとつ那智の滝のしづかさ (佐藤佐太郎・45)

 s-ユウゲショウ20181024
 ユウゲショウ。

 飛火野(とぶひの)に小雨ふる日は鹿の群ひとかたまりとなりて濡れゐつ (市橋りえ・44.11)
 *「飛火野」=奈良市外の東方を占め、興福寺・東大寺・春日大社・国立博物館と一体となり、さらに若草山から春日山原始林までを取り込んで広大な公園となっている。

 s-白い花20181024
 ハナイバナ。 S先輩からご教示有り。青字は以下同様。

 何に触るる音としもあらず揉みあひて谷のぼりゆく夜の風音 (中山礼治・46.6)

 s-ホトケノザ20181024
 ホトケノザ。

 竹は内部に純白の闇育て来ていま鳴れりその一つ一つの闇が (佐佐木幸綱・51)
 
 s-白い花②20181024
 タネツケバナかな。

 庭土の白く乾きて八つ手咲くこの宵頃は星冴えて見ゆ (淵浩一・5)

 s-黄色の花20181024
 ハキダメギク。

 墓捨てし吾を責むると外(と)に立てば氷雨は過ぐる相模野の丘 (前田透・47.3)

 s-紫の花20181024
 ノアサガオ。

 避難小屋の石置く屋根のあらはれて信濃側より霧はれむとす (亀村佳代子)

 s-田植え済みかな20181024
 水を入れれば田植え後の姿の田んぼ。

 山深く音にたちくる秋の雨つるうめもどきのくれなゐ寒し (渡辺直吉・14.9)

 s-白い花③20181024
 ヒメジオンかな。

 夕日かげかげりし原によごれたる山羊ひとつ居て風に吹かるる (堀内通孝・16)

 s-不明20181024

 夕陽さす黄葉(もみぢ)の谷に鳴きかへる猿(ましら)の声は山にひびきぬ (丸田嘉雄・6.4)

 s-白い花④20181024

 ゆく秋のわが身切なく儚(はかな)くて樹に登りゆさゆさ紅葉(こうえふ)を散らす (前川佐美雄・15)

 s-ヘクソカズラ20181024
 ヘクソカズラ。

 よりそへば壁も柱もわが影もひえびえしめる秋の夜の雨 (九條武子・3.2)

 s-ノコンギクかな20181024
 ノコンギクかな?
 
 雷鳥の立ちし岨路(そばぢ)に杖とめて見放(みさ)くる尾根を雲ながれゆく (鈴木将剛)
 
s-クズの葉20181024
 クズの葉。
 
侘しきとき侘しさ誘ふ檻の中に孔雀はよごれし羽根をひろげぬ (桜井鬼怒夫・28)
 
 s-クコ20181024
 クコ。 

よひよひの露ひえまさるこの原に病雁(やむかり)おちてしばしだに居よ (斎藤茂吉・25)

 s-キバナコスモス2018124
 キバナコスモス。

 山空をひとすぢに行く大鷲の翼の張りの澄みも澄みたる (川田順・15)

 s-お茶の花20181024
 お茶の花。

 柵あり牧舎あり烏なきて声はこだまに帰ることなし (土屋文明・10)

 s-イヌタデ20181024
 イヌタデ。
 
葉脈の硬き薊(あざみ)を食(は)み終えし兎はしずかにあかき眼ひらく (小松北溟・49.11)
 
 s-アザミかな20181024
 アザミかな? ノゲシ(別名ハルノノゲシ)。

 ひと房の葡萄を持てばきみが手に流るるごとく秋の紫 (福田栄一・23.9)

 s-テリハノイバラとクズの葉20181024
 テリハノイバラとクズの葉。

 今日(10/27)は8時前後にやや強い雨があり、畑が濡れてしまったのでサツマイモ掘りはお休み。昨夜も会食がありややお疲れモードの還太郎には、「干天の慈雨」。全部掘り尽すには、あと5日ほどかかるかな。足腰が鍛えられる。
 皆さまもお元気にお過ごし願います。

寸縑(すんけん)

 「寸縑」。「縑」は目をこまかく固く織った絹布。訓読みでは「かとり」。固織りの約。わずかな幅の画布ということかな。『草枕』の中では、前号で紹介した「尺素」と合わせて「尺素を染めず、寸縑を塗るらざるも、われは第一流の大画工である。」と使われている。(今年のタイトルは漱石『草枕』の難解熟語。)

 今回も『昭和万葉集秀歌 【三】 四季・自然』(講談社現代新書・上田三四二編、昭和60年1月刊)から。作者名の後の数字は昭和何年の、或いは何年何月の発表かを示す。

 秋ながらうちつけに日の照らすなか山の蜻蛉(あきつ)は人を怖れず (田谷鋭・53)
 *「うちつけに」=突然に。

 s-サフラン20181002
 イヌサフラン?

 うちけぶる銀河の位置は移りたり大地傾きてゆくけはひあり (服部忠志・22)

 s-発芽したタマネギ20181007 (1)
 発芽したタマネギ。縫い針ほどの背丈。約3,000粒を蒔いた。

 塩田のむかうに見えぬ海ありてマストの赤き旗ひるがへる (坂本孫一・36.8)

 s-柿20181007
 渋柿。
 
 思ひ切り枝はらわれしせんだんの幹黒くして秋の雨ふる (森島康与・50.11)

 s-ピーマン20181007
 ピーマン。

 雁一列(ひとつら)真上の空に近づけり荒くして徹る声きこえつつ (川田順・10)

 s-トウガラシ20181007
 トウガラシ。

 首垂れて草食み移る緬羊の日のあたる方にいつか群れゆく (島田幸造・33.11)

 s-シュンギク20181007
 シュンギク。稚苗を定植するのだが、活着率は非常に高く、虫もつかない。

 桑の木の踝(くるぶし)は祈りの列に似てわが行く赭(あか)き道に続けり (金井秋彦・53)
 
 s-シソ20181007
 シソの実。

 根源のごとく謐(しづ)けき月の出に太樹(ふとき)の黐(もち)はくらくかがやく (加藤知多雄・48.8)

 *「黐」=モチノキ科モチノキ属の常緑高木。葉がクチクラ層と呼ばれるワックス層に覆われていることから塩害に強い。暖かい地方の海辺に自生する。
 
 s-コスモス20181007
 コスモスとサツマイモの葉。

 静かなる雲の流れと思へるに木の間を下る霧は速しも (岡井弘・8.7)

 s-オクラ20181007
 オクラ。

 信濃川の川原にみれば弥彦山は孤(ひと)つ山かも天そそり立つ (小泉苳三・8)
 *「弥彦山」=越後平野の日本海沿いに連なり、弥彦山塊と呼ばれる山並みの主峰。標高634m(スカイツリーと同じ高さ ! )。標高はあまり高くないが、北に位置する多宝山との双耳峰で秀麗な山容で知られる。

 s-カボチャ ダークホース20181007
 カボチャ(品種名はダークホース、味噌汁に入れてもおいしい)。カボチャの下敷きになっている白いプラスチックの成型品は「座布団」、「台座」、「フルーツ枕」とか言われる。太陽光を下部から反射させカボチャの底部着色不良を防止。また、土・水からの病害防止効果もあるとか。

 しぬ竹の庭べに座り日のうつり冬めくとのみ我はおもはむ (室生犀星・3.2)

 s-生垣20181007
 アオキの生け垣の剪定。電動バリカンが活躍。右手奥は生垣ではなくブロック塀。手前の赤い植物はシソ。あとは全てサツマイモ(4種)。

 月明き河を渡りてみちのくのあがたにさびし行く雁の声 (山田四郎・11.1)
 s-メマツヨイグサかな20181009
 ここから5葉は海岸近くで。メマツヨイグサ。(7時26分に撮ったのだが、待宵草?) コマツヨイグサ。S先輩から御教示あり。青字は同様。

 遠空に山かさなれるあたりまで静かさつづく峠くだりをり (村田利明・50)

 s-なにかな20181009
 クコ。 

 突風は中天に最も烈しきか雁の列の乱れなかなか復(かへ)らず (田中譲・43.11)
 
 s-ダンドボロギクかな20181009
 アレチノギクかな。アキノノゲシ。

 (はり)のごとく光は水に透りゆく渓ふかく秋もをはらむとして (岩上とわ子・31)

 s-セイタカアワダチソウ20181009
 セイタカアワダチソウ。

 乾反(ひぞ)りたる柿の落葉のあるものは陶器のごとき光沢をもつ (杜沢光一郎・51)

 s-紫の花20181009
 調査中。タイカンマツバギク。

 ほのかなる 硫黄のかをり 吹きかよへ 芳が平の 秋風のうち (三好達治・9) 

 s-怖い訪問者20181008
 怖い来訪者。

 まさびしき空間をくだりぎんなんの鬱金(うこん)の落葉地に吸はれゆく (伊藤麟・46)

 s-怖い訪問者②20181009
 続・怖い来訪者

 松風のおと聞くときはいにしへの聖(ひじり)のごとく我は寂しむ (斎藤茂吉・25)  

 s-ショウガ 龍馬20181009
 ショウガ。品種名は「龍馬」。中央下部が種芋で、これで一株分。

 満月を阻(はば)む地球の冥(くら)き影巨(おお)いなるかも宙に泛(うか)びて (児玉和子・47)

 s-パープルスイートロード20181009
 サツマイモ。品種名は「パープル スイート ロード」。水洗い直後はこんなに鮮やかな色。まだ本格的な収穫は始めていないが、まずまずの出来のようで一安心。

 道の辺の高萱に鳴く馬追は昨日(きぞ)の夕べも此処に鳴きゐし (上田三四二・42)

 s-コスモス20181009
 もう一度コスモス。

 畑仕事や庭木の剪定、裏ヤブの伐採で日々暮らしているが、大げさに言えば地球の自転に合わせた生活であり、季節の移り変わりを肌身で感じる。心地よい。
 昨日は好天。急を要する農作業もないので、母畑温泉・八幡屋の昼食・温泉付きコース。片道70km程度のドライブ。日帰りコースのお客さんはは3、4組のようで、屋内・露天風呂、麦飯石サウナはほぼ専有状態。平日に使うお金のパフォーマンスは週末の何倍かな? 往復ともなるべく高速道路は使わないようにして、田畑の見学。稲刈りが例年より遅くなっているような気がする。だが、夕陽に輝く稻田もよかった。
 それで終わればいいおじさんなのだが、帰宅して18時から旧知の「おじさんたち」と飲み会。まあ、十分盛り上がったけど20時半帰宅。自分も含めて「おじさん」達は『2時間飲んだら帰って寝たい症候群』では?
 
 皆さま、この季節をお楽しみ願います。  
プロフィール

kantarou + 6

Author:kantarou + 6
畑や庭での作業を楽しんで、晩酌・早寝・早起きの毎日です。読書やドライブも好きです。

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