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春者毛要 夏者緑丹 紅之 綵色尓所見 秋山可聞 (詠み人知らず)

 今年のタイトルは万葉集。「春は萌え、夏は緑に、紅のまだらに見える秋の山かも」。

 今回の短歌は『現代の短歌』(篠弘編著・東京堂出版)から、小島ゆかりの作品。小島は昭和31年、名古屋市生まれ。日常をモチーフとし、詩的に展開される家族詠。

 おほぞらに鋏を入れし者ありやこよひ半弧の月鮮しき

 s-ヨシキリ20190619
 ヨシキリ。
 
 春、ことに無用の物らなつかしきたとへば耳付花瓶の耳など

 s-黄色の花20190619
 黄色の花はクサノオウ(ケシ科)。万葉集にも「夏は緑に」とうたわれているように、濃淡色々な「緑」の宴。
 
 一本の木を見てゐしが目薬を差せばひそかにその木溺れつ

 s-モズ20190619
 モズ。

 新しきインクをおろす風の朝 青桔梗あをききやうと声す

 s-ピンクの花20190619

 アメリカで聴くジョン・レノン海のごとし民族はさびしい船である

 s-チョウ20190619
 
 死を囲むやうにランプの火を囲みヘブライ暦は秋にはじまる

 s-ヨシキリ20190622
 毎朝恒例のヨシキリ観察。

 月ひと夜ふた夜満ちつつ厨房にむりッむりッとたまねぎ芽吹く

 s-農道で20190622
 ミゾカクシ(キキョウ科)。

 浅漬けの茄子しくしくと二杯目のごはんおいしき夕立のあと

 s-モズ20190622
 巣作りの材料にするのか、枯れた植物を咥えたモズ。

 寄せ鍋の泡ぶく立つた煮え立つた この世のことはごちやごちとする 

 s-キジ20190622
 キジも元気。

 なめこ汁どろりとすすり霧の夜のふかいふかあい暗愚のこころ

 s-スミレ20190622
 @還太植物園。既報の通り、スミレ満開。

 しろじろと繃帯ながれゐるごとき霧の朝なり手足より覚む

 s-シャラの蕾20190622
 シャラの蕾。

 干草のにほひするかなパトリシアが踊るアルゼンチンのポルカは

 s-シャラ20190622
 シャラの花。シャラは別名「夏椿」。朝咲いて、夕方にはポトリと落ちてしまう一日花。

 上階に深夜のわらひ ひとたびは大笑ひするイエスを見たし

 s-ウグイスかな②20190623
 以下2葉は6/23撮影。鳴き声は響くものの姿はほとんど見せてくれないウグイス。今朝は曇天なのでカメラを持たずに農道散歩に出かけようかと思ったが、何があるか分からないからと自分に言い聞かせてカメラを携行。良かった・・・。これで陽がさしていれば、ウグイスの眼にポチッと光が入ったのになあ・・・。

 希望ありかつては虹を待つ空にいまその虹消えたる空に

 s-ウグイスかな①20190623

 農家のベンツといわれている「軽トラ」(中古)を買うことにした。これで、私の車が土まみれにもならないし、草刈り機や刈り払い機、管理機などを実家より高い位置にある畑で使用するのも億劫ではなくなる。また、池のビオトープ化の一環で、流木を拾ってきたり、水草を採集したいと思っているが、4輪駆動の軽トラは少々の荒れ地・砂地・湿地でも大丈夫。楽しみ、楽しみ・・・。


 
 

夏草乃 露別衣 不著尓 我衣手乃 干時毛名寸 (よみびと知らず)

 夏草の、露別(わ)け、衣着けなくに、我が衣手(ころもで)の、干(ふ)る時もなし。「夏草の露を衣につけたわけでもないのに、私の衣の袖は乾くときがありません。恋が苦しくて、涙がかわくことがありません。」の意。今年のタイトルは万葉集から。

 今回の短歌は『現代の短歌』(篠弘編著・東京堂出版)から、土屋文明の作品。土屋は明治23年、群馬県高崎生まれ。東大卒、万葉学者。明治42年「アララギ」入会。戦後はその指導者として、批評眼をもった、逞しい生活詠を展開。平成2年、100歳で没。

 ひねもすに響く筧(かけひ)の水清(きよ)み稀なる人の飲みて帰るなり 

 (以下7首は昭和23年刊の『山下水』から。疎開した郷土の群馬県吾妻郡川戸の作品。)

 s-農道徘徊用長靴20190613
 私の「夏草の露」対策は長靴。早朝の農道散歩用。農道の草々は朝露しとど。耐水性の運動靴でもびっしょりと濡れ、やがて靴下まで沁みてくる。ということで、田植えにも使えるという長靴を購入。軽くて耐水性抜群。靴底はちょっと薄いが、農道を歩くには問題なし。この写真から12枚目のクロネコまでは、朝の農道で撮った。

 はしばみの青き角(つの)より出づる実を嚙みつつ帰る今日の山行き

 s-シラサギ20190613
 シラサギ。

 この谷や幾代(いくよ)の飢えに痩せ痩せて道に小さなる媼(おうな)行かしむ

 s-ゴイサギ♂20190613
 ゴイサギ♂。繁殖期には後頭に白い冠羽が3本伸びる。足の長い小型ペンギンみたいに見えるけど、首を伸ばせばサギ科というのも頷ける。

 少数にて常に少数にてありしかばひとつ心を保ちて来にけり

 s-ゴイサギ♀20190613
 こちらはゴイサギ♀。

 今日もかも春日(はるひ)に歩む父を見る南遠く子を戦死せしめたり

 s-アオサギ20190613
 アオサギ。

 (もも)どりの競へる中にひびきとほる斑鳩(いかるが)の声に村は静まる

 s-ヨシキリ20190613
 以下、ヨシキリ3葉。

 にんじんは明日蒔けばよし帰らむよ東一華(あずまいちげ)の花も閉ざしぬ 

 *「東一華」はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。

 s-ヨシキリ②20190613

 結局は小さなるこ国土(くにつち)と谷をゆき来の汽車の笛きこゆ

 s-ヨシキリ③20190613

 六年耕すくぬぎが下の菜畑にかれ葉のこして移り来にけり

 *以下、昭和42年刊の『青南集』から。収録された作品は、東京の青山に帰住した27年から、約10年間のもの。

 s-キジ20190613

 そこと思ふ海も海の上の島山も月の光はただほのかにて

 s-ワタゲ20190613

 月にゆく船の来たらば君等乗れ我は地上に年を数へむ

 s-夏草20190613

 栗をめでまつたけめでつつ此の夕べ老の二人の眼は涙なり

 *以下、昭和59年刊の『青南後集』から。近しい人々の死を悼んだ歌が多い。

 s-なんだよ20190613
 朝の農道徘徊の途中で、クロネコに遭遇。私の前を歩いていく。私が「ミャー」と言うと、振り返って「なんだよ」と言わんばかりに一睨みして、スタスタと歩いて行った。

 この夕べ澄みたる空に手をのばす藤の蔓には行く方もなく

 s-ヒメイワダレソウ20190613
 以下の写真は還太郎植物園の近況。ヒメイワダレソウ。これは200ポット植え付けた。

 頑の老はいづくぞ白き額(ぬか)やはらかく七十年前の手の下に似て

 *以下は昭和57年に92歳で亡くなった妻テル子を悲しむ挽歌。

 s-ユウゲショウ20190613
 ユウゲショウ。2輪だけ咲いている。

 黒髪の少しまじりて白髪のなびくが上に永久のしづまり

 s-スミレ20190613
 先日までのホトケノザに代わり、いまはスミレが全盛。ユウゲショウの写真に写っている黄色や紫はスミレ。

 さまざまの七十年すごし今は見る最もうつくしき汝を柩に
 
 s-アジサイ②20190613
 アジサイも咲き出した。

 袷には下着重ねよとうるさく言ふ者もなくなりぬ素直に着よう

 s-山桜桃目の実20190613
 山桜桃梅(ゆすらうめ)の実。いずれ赤く色づく。植木屋さんからは、「サクランボみたいになります。鳥除けの用のネットを張った方がいいですよ」とのアドバイスがあった。果樹を植えた目的は野鳥を呼び寄せるためであったのだが、「結構おいしいですよ」と言われて、Amazonでネットを買ってしまった・・・。
 6/23、いつも植物名を教えていただいているS先輩から「ユスラウメには白実種もあるよ」とのコメントを頂いた。ネットで調べたら、「6月には実は赤く色づく」と書かれており、もう少し実の色の変化を観察しようと思っていた。そうしてたら、今朝6時過ぎに植木屋の松吉さんから電話。「シロミノユスラウメでした。もう食べられます。」とのこと。さすがS先輩 \(^o^)/ 。

 今日、某所で会社の大先輩と偶然会った。先方は、「あの・・・、もしかして還太郎さんですか?」とおっしゃる。「そうです」と返事すると、「似ているとは思ったけれど、顎のあたりがシャープになって別人かと思ったよ」とのこと。その先輩と一緒に仕事をしたのは10数年前。ということは、私の顎はそのころ既にかなりふくよかだったのか・・・。 朝は農道散歩、昼は野良仕事の毎日がいいみたい。晩酌の焼酎の量は減っていないのだけれど。

 連日のヨシキリ撮影に満足している還太郎です。皆さまも、お健やかにお過ごし願います。今日はこれから飲み会で~す。


 

夏山之 木末乃繁尓 霍公鳥 鳴響奈流 聲之遥佐 (大伴家持)

 夏山の 木末(こぬれ)の茂(しげ)に 霍公鳥(ほととぎす) 鳴き響(とよ)むなる声の遥(はる)けさ

 夏山の、梢の茂みで霍公鳥があたりに響くように鳴いています。その声がはるか遠くまで聞こえています、の意。今年のタイトルは万葉集から。

 今回の短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名の次の数字は西暦の下2桁で、発表年を示す。

 川ふたつ注げるところ豊里の葦の入江によしきりの鳴く (江畑耕作・85)

 s-ヨシキリ20190604
 ヨシキリ。多分、オオヨシキリ。還太郎のアパートの西側は水田地帯。そこの休耕田の藪が、野鳥の住処。ヨシキリ、ウグイス、カモ、スズメ、ツバメ、キジ、カラス等々。結構賑やか。一度だけだが、カッコーの鳴き声を聞いたこともある。

 身に近く大葦切の一つ啼く潟の面しきり風渡るとき (溝淵英子・96)

 s-ヨシキリ②20190604
 とりわけヨシキリの鳴き声は喧しいほど。カメラを持たずに散歩しているときは近くまで寄れるのだが、カメラを持っていると早々に隠れてしまうので、なかなか撮れない。この日は、目立ちたがり屋さんなのか、撮れと言わんばかりに鳴き続けていた。

 午前二時川原葦原暗くして葦切鳴けり 神は人の影 (高野公彦・00)

 s-ヨシキリ③20190604
 ヨシキリは本当に午前2時には鳴いている。深夜に目覚めてしまったとき、思わず自分の耳を疑った。

 六月のもの思(も)うも憂き雨の日は胸のあたりに古墳が眠る (渡辺松男・97)

 s-黄色の花20190604
 キショウブ(アヤメ科)。

 ピンはずしとびたたむとする青き蝶みなづき若葉の光の大地 (木造美智子・02)
 
 s-つる性植物20190604
 クズ(葛)かな。 ボタンヅル(キンポウゲ科)。

 欠け朽ちて鰧(おこぜ)のやうになりませる飛鳥仏の顔おもひ出づ (前川佐美雄・71)

 s-四方仏②2019064
 以下は還太郎植物園にて。野鳥の水場にしようと、庭に据え付けた四方仏の蹲踞(つくばい)。四方仏は「しほうぶつ」とも「よほうぶつ」とも言うらしい。石の各側面に仏像が彫られている。

 普賢菩薩祈りてゐます合掌の中に小さき闇のありぬべき (稲葉京子・06)

 s-四方仏とエサ台20190606
 竹を二つに割った餌台も作成。楽して野鳥を撮ろうという魂胆。庭にあるトイレの窓、或いは弟の部屋の縁側から写真が撮れる位置に蹲踞と餌台を設置。

 会者定離愛別離苦とみ仏はほんとのことを告(の)らして術(すべ)なし (中原綾子・60)
 
 s-新顔20190602
 庭に一輪だけ咲いている。意図的に植えたものではない。なんだろう? 黒い実?も怪しい。6/25、追記。「クロホオズキ」らしい。ホオズキはナス科ホオズキ属。こちらはナス科オオセンナリ属。

 (よし)と言ひ葦(あし)と呼ばれて湖岸の水無月直く雨期に入りゆく (安永蕗子・03) 

 s-黄色の花20190606
 オトギリソウかな。 コボウズオトギリ(オトギリソウ科)。

 水無月のあはきゆふぐれ机(き)の上にひんやりひかるあれは爪切り (落合けい子・02)

 s-観葉植物20190607
 これは観葉植物と思っていたが、今年は見事な花を咲かせたのでビックリ。コバノギボウシ。

 父の日の父を見にきて帰りたる長子、坂東太郎を越ゆらむ (今野寿美・04)

 s-観葉植物③20190607
 
 最近の出来事。①何年振りか分からないが、体重が80kgを切った。私の顔を見て、ある人は貧相になったと言い、ある人は精悍になったと言う。②一週間ほど前、池に鯉の稚魚(10~12cm)を10匹放した。餌を食べず、餓死してしまうのではないかと危惧していた。それが、昨日から餌を食べるようになった。 ③築60年の実家の土台や柱の防腐剤塗布を開始。3日目ともなると、防腐剤を壁に垂らすことも少なくなり、なかなかの出来栄えと自画自賛。母屋はほぼ終了したが、母屋と同程度のサイズの物置はこれから。

 皆さま。梅雨入りしましたね。ピチピチチャプチャプランランランと元気に過ごしましょう。
プロフィール

kantarou + 6

Author:kantarou + 6
畑や庭での作業を楽しんで、晩酌・早寝・早起きの毎日です。読書やドライブも好きです。

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