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梅を望んで渇きを止む

 梅を望んで渇きを止む(うめをのぞんでかわきをとどむ)

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店)から。喉の渇きを一時こらえること。魏の曹操(武帝)がある戦いで、水を汲みに行く途中、道に迷い、部下がのどの渇きを訴えたときに、「前方に大きな梅林があり、実が多くなっていてすっぱそうだ、それを心に思えば自然につばがたまるので、それでこらえられる」と言った故事に基づく。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 昏れ残る障子明かりの花のいろ馬酔木のかたに春は来てゐし (稲葉京子・75)

 s-アセビ20200221
 2/21、@勿来の関。アセビ。

 山雀(やまがら)が去りたるのちも卓上に開かれしままのポケット図鑑 (大森益雄・03)

 s-ヤマガラ20200221
 ヤマガラ。いまにも何かに飛び掛からんばかりの迫力。実はヤマガラの左下に男性が座っていて、手の平にエサを載せている。数羽のヤマガラが順に男性の手の平からエサを咥えては枝に飛び移って食事することを繰り返している。
 数年前、上野の不忍池のほとりで、手の平の上でスズメにエサを食べさせている方を二人お見掛けして以来の(◎_◎;)。

 顔を刺すひかりを感じて目覚むれば枕元の梅みなひらきたり (窪田空穂・68)

 s-思いのまま20200223
 「思いのまま」という品種。一本の木に紅梅と白梅が咲く。@還太植物園。今回の末尾の写真は、「思いのまま」の5日後の姿。

 さて、還太郎は25日から植木屋さんでバイトを始めた。花樹・果樹の剪定をちゃんと覚えたいと思い、去年からお世話になっている植木屋さん(「庭園管理植吉」の社長さん)に、無給でいいので仕事を手伝わせて欲しいと依頼。「剪定の仕事ばかりではないので無給では困る」とのことで、時給(金額は㊙)を頂くことになった次第。

 人手が欲しい時に連絡を頂くのだが、今回は25~27日の3日間、新築住宅の庭造り。ボランティア活動で身体を鍛えたつもりだったが、とんでもない。慣れないことをするのは大変。結構疲れた。最初の案件が3日で終わってホッとしているのが正直なところ。でも、次のお呼びが掛かるのを心待ちにしているのも正直なところ。

 傾きて土より立てる梅の幹影ひくほどの薄日さし来つ (葛原繁・80) 
 
 s-100年梅20200228
 今年の梅の花は例年以上にきれいに思える。暖冬のせいか、花が大きく数も多いのではないか。そんなことで、2/28は91歳のお袋と近郊梅花巡りの2時間弱のドライブ。こちらの梅は、樹齢100年超(大きな方)とのこと。 
 
 鶴と思へば鶴に見えきつ梅ひと木遠回りつつ飽かぬひとりを (春日真木子・95)

 s-百年梅20200228
 別の角度からもう一枚。

 花喰いの鳥のごとくに飢うる身にうそうそとひとり梅園をゆく (玉井清弘・93)

 s-梅⑩20200228

あやまちて針に刺したる指先に膨るる血のたま梅の蕾は (渋谷みづほ・07)

s-梅⑧20200228

 ひらきたる梅花がひとつひとつ持つうす緑の萼(うてな)かなしさ (野村清・73)

 s-梅⑦20200228

 この山もあの山も眠り給ふかな佛みし目に梅しろく咲く (辺見じゅん・96) 

 s-梅⑥20200228

 谷深く散りゆく梅の花びらのいま抽象に近き一片 (井谷まさみち・87)

 s-梅⑤20200228

紅梅の芯あかるくて曇日の寒き光はそこに集まる (遠山光映・56)

 s-梅④20200228

 膨らみし花を宙空に飛び咲かせ寒風に梅は毅然と立ちぬ (大滝貞一・01)

 s-梅③20200228

 老木に冬日を凛と梅咲けり人のひと生(よ)のいかなるときか (井田金次郎・04)

 s-梅20200228

 ひなぐもりやさしき色に咲き出でて紅梅白梅古寺の屋根 (久泉迪雄・99)

 s-おもいのまま②20200228
 「思いのまま」。

 2月9日の活動を以って、いわきのボランティアセンターは活動終了。それから20日間、今の時期は畑の雑草退治もなく、時間を持て余している。そんなこともあり、植木屋さんの手伝いを始めた次第。そもそも還太郎は美的感覚に乏しい。剪定作業もやはりセンスが欠かせないのは分かっているが、自己流で剪定するのは実家の庭や畑なので、他人様に迷惑は掛からないと居直っている。

 コロナウイルスがとどまる処を知らない勢いです。皆さま、くれぐれもご注意願います。還太郎も、母校野球部の甲子園大会応援は止めることにしました。

 s-img055 (3)
 そんなことを友人の「N村村民」さんにメールしたら、上の本を紹介され、早速Amazonで購入。著者は1988年スウェーデン生まれ。19歳で日本に移住、23歳で造園業に飛び込み、26歳で日本国籍取得。日本名「村雨辰剛(むらさめたつまさ)。「N村村民」さんが何故この本を紹介してくれたのかは分からないが、まあ私の若い頃に似てないこともないか・・・。(ブーイング多数)

 

新豊の折肘翁(しんぽうのせつびおう)

 「新豊の折肘翁」は、辺功(へんこう・国境付近でたてた手柄。国境の異民族を征伐した手柄)を戒めたもの。「新豊」は県名で、陝西省臨潼県(せんせいしょうりんとうけん)の東北。漢の高祖が豊の民を移して作った町。徴兵を忌避して自分の肘を折り、自ら不具者となった翁を主題として、白楽天が当時の政策に対し、徒に外征を企て武功を立てても人民を苦しめるだけだと諷刺した。 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』から。

 今回も短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で発表年を示す。

 海峡の彼方の島の陽だまりに幸ある如く人家寄り添う (吉田みのる・06)
 
 s-冬陽20200211
 ここから6葉は@勿来の関。

 よるべなき沈黙(しじま)といへど濃密に苔咲く上を光移ろふ (小中英之・81) 

 s-冬陽②2200211
 陽だまりの中、コケも元気。

 徐行する列車の窓に川底の泥に陽のさす処見えたり (高安国世・78)

 s-冬陽③20200211
 実葛蔓(サネカズラ)かな。独特の紅葉。

 こんなにも赤いものかと昇る日を両手に受けて嗅いでみた (山崎方代・80)

 s-八重の梅20200211
 梅。

 その光響ける如く寒の日の夜空に満ちて星の輝く (戸田佳子・85)
 
 s-八重の梅②4720200211
 アップにすると・・・。

 たんぽぽのぽぽのあたりをそっと撫で入り日は小さきひかりを収(しま) (河野裕子・95)

 s-桜の蕾20200212
 もうすぐ咲きそうな桜。 

 窓ゆ入る春の陽射しを掌(て)に受けて冬を堪へ来し魂あらふ (浜守・06)
 
 s-黄色の花20200211
 ここからは@還太植物園。姫立金花(ヒメリュウキンカ)。

 日だまりの芝生に背を干す老女いて仏のような顔に居眠る (上川原紀人・08)

 s-ヒメリュウキンカ20200212
 翌日観たら満開。

日だまりの笹生にまろび仰ぐ蒼(あお)歓喜おそひ來山のうへの空 (窪田章一郎・73)
 
 s-木蓮20200211
 木蓮。

 まだ一年もう一年と数えいる光の粒か時間というは (山田震太郎・91)

 s-梅20200211
 梅。

 戸を引けばすなはち待ちしもののごとく辷(すべ)り入り来(き)ぬ光といふは (宮柊二・74)

 s-なにかな20200212
 1月から元気に咲いている。名前は調査中。

 鳥のために樹は立つことを選びしと野はわれに告ぐ風のまにまに (大塚寅彦・03)

 s-頭高20200113
 2/13、2018年6月までいたかすみがうら市へ。友人の見舞い出掛けたのだが、夜は5人で飲み会。写真は@霞ヶ浦総合公園。頭高。

 貧しかることばを尽くして詠はむに木末(こぬれ)の鳥に「虚虚」(きょきょ)と鳴かれるる (羽生田俊子・99)
 
 s-頭高②20200213

 今年子の目白とびかふ花のあひだ乾ける空気動くことあり (吉田正俊・81)
 
 s-鶯20200213
 目白。

 目白来て鵯(ひよ)が来て人も寄る樹齢百年の白梅勢えば (大下一真・04)

 s-鶯②20200213
 
 ひらひらと日毎舞ひくるひよどりの庭に呼び合ふ声は桃色 (藤岡武雄・92)
 
 s-鵯20200213
 鵯(ヒヨドリ)。

 さて、いま2/14の17時過ぎ。ボランティアセンターからの連絡はなく、1月から土日だけになっていた活動も、明日・明後日はない見込み。明日は、還太植物園のツツジと山茶花にお礼肥えを施そうかな。

 皆さま、昨日今日は気温も10数℃になりました。春の到来ですね。お元気にお過ごし願います。

 

乾を施らし坤を転ず

乾を施らし坤を転ず(けんをめぐらしこんをてんず)。

 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(角川書店・1985年4月刊)から。「乾」は、易(えき)の卦(か)の一つで、上にあって強い・治める・始めの意。転じて、男・天・君主などの意に用いる。「坤」は、同じく易の卦の一つで、下にあり従順の意。転じて、陰・女・大地、臣下などの意に用いる。ここでは、天と地で文武を振興し、六、七十年の旧弊を一変して改革することが、天地を施転するようであること。
 因みに「乾坤一擲」(けんこんいってき)は、運命をかけて、のるかそるかの大勝負をすること。
 
 今回の短歌は『現代短歌集成』(角川学芸出版・2009年11月刊)から。作者名のあとの数字は西暦の下2桁で、発表年を示す。

 空を背に蝋梅咲けり目に見えぬ標(しめ)あるごとき花の空間 (尾崎左永子・96)

 s-ロウバイ20200124
 1/24、ビッキさんの「山学校」校庭にて。蝋梅。雫が光る。

 蝋梅の南無南無南無(なむなむなむ)と花増えて今日あたたかききさらぎの雨 (小島ゆかり・02)

 s-ロウバイ20200130
 1/30、勿来関の近くにて。蝋梅が満開。

 菜の花はあざやかにして卑しからず歩みゆるめて勤めに向ふ (常磐井猷麿・06)
 
 s-菜の花20200131
 1/31、農道散歩での一枚。

 Youtubeで約40種の野鳥を確認と紹介されていたので、2/4、群馬県館林市の県立多々良沼公園に出掛けた。片道190kmのドライブ。北関東道の茨城・栃木県境のトンネルを抜けると、遠くに薄っすらと雪を被った男体山が目に飛び込んできた。(以下の写真は全て多々良沼にて撮影。)

 雪山に登りしことなし知らぬこと生きて多かる一つに過ぎねど (窪田章一郎・83)
 
 s-男体山20200204

 朝のポストに手紙を入れる少女いて雪あたらしき今朝の連嶺 (三枝浩樹・00)

 s-谷川方面20200204
 地元の方に伺うと、「谷川方面だけど山の名前は分からない」と。

 雪山は寒さきびしく凍傷の鴉がときに落ちるとぞ聞け (塚本瑠子・05) 

 s-浅間山頂20200204
 こちらは真っ白な浅間山頂。

 多々良沼の周囲は一周5.7kmの散策路が整備されている。日当たりがよく、風もないのでジャンバーを脱いで歩き出した。

 渡り来てはぐくむ鴨よ戦はぬ誇りあやふき国の水辺に (竹村紀年子・02)

 s-鴨②20200204
 地元の方によると、「今年は異常な暖冬で、いつもなら山から下りてくる野鳥も少ない。白鳥や鴨などの渡り鳥は例年通り来ているけど」とのこと。確かに鴨類は多い。

 人恋ふる危ふさ隠しもつ妻ら冬の堤の鴨の首筋 (佐田公子・92)

 s-オナガガモ20200204
 尾長鴨。

 蒼鷺は今日三羽ゐて三方に別れゆきたり小さきみづうみ (石川不二子・96)

 s-アオサギ20200204
 アオサギ、2葉。

 水銀を含みにけりなしろとりの中なる鷺もつとも異(あや) (葛原妙子・77)

 s-アオサギ②20200204

 くくられてもぐりて獲りて喝采をあびる鵜われらといかほど異(ちが) (大塚陽子・82)
 
 s-川鵜20200204
 川鵜が沖合の浅瀬で日光浴中。羽というより鱗のような模様で若干不気味。

 定かには見えねど空の道ありてたましいのような白鳥がくる (楠田智佐美・98)

 s-小白鳥20200204
 小白鳥。

 かつて国敗れし冬も白鳥は来てゐしか数千羽湖おほひたり (大塚陽子・82)
 
 s-コブハクチョウ20200204
 瘤白鳥の若鳥かな。

 蜜欲りてけはしき快癒あかつきの夢の甍を鶺鴒ありく (塚本邦雄・79)

 s-セグロセキレイ20200204
 セグロセキレイ。

 さくらばな見てきたる眼をうすずみの死より甦(かへ)りしごとくみひらく (雨宮雅子・80)

 s-十月桜20200204
 十月桜。

 2/1のボランティア活動。キャビネット(幅90cm×高さ180cm)12個を倉庫に戻してほしいとの依頼。現地にて作業をしつつ、依頼者さんにキャビネットの使途を伺うと、何と約26,000に及ぶ植物標本とのこと。そのうち5,000ほどが水に浸かってしまったが、全国の8大学が修復作業を分担し、もうすぐ先ず福島大学に戻ってくる由。植物学を御専攻ですかと伺うと、独学との御返事。農業を営みつつ、日本植物分類学会会員・環境省希少野生動植物保存推進員・いわき市文化財保護審議会委員の由。
 奥様は、「標本よりも家の復旧を優先してほしいのですが、長年一生懸命にやってきたことですから、しょうがないですね」と。すごい人が地元にいるものだと感嘆した次第。

 2/2は大きな倉庫からの災害ゴミの搬出。前の週にも約20名で庭先に持ち出したのだが、お爺さんが大工さん、お父さんが電気工事屋さんだったとのことで、電動工具、大工道具や大量の部品に加えて昔の農機具等々もあり、14人で2回目の作業となった。顔なじみのメンバーが多く、特に分担を決めないで作業を開始しても齟齬をきたすこともなく、着々と進行して昼には終了。80歳になったとおっしゃるおばあさんが、なんと吉牛の牛丼を手配して下さった。事前にお話があれば当然お断りするのだが、「もう買ってきてしまったのだから食べてくれないと困る」とおしかりを受け、やむなく頂く。こんなことは初めて。

 先週半ばにも大雨があり、2,3の河川で氾濫に備えて避難指示が出た地域もあった。特に高齢独居の被災者がまた被災したらどういうことになるかと危惧したが、幸いにも氾濫はなく安堵。
 
 今回はここまで。海外でコロナウイルスが猖獗を極め、国内でも罹患者が出ているからでしょうか、近所のスーパーでもマスクはほぼ売り切れ状態。皆さまもお気をつけ願います。

 追伸。年末から前回までの拙ブログに関し、S先輩から植物名のアドバイスをいただきました。青字で訂正いたしましたので、ご確認していただければ幸いです。 
プロフィール

還太郎+7

Author:還太郎+7
畑や庭での作業を楽しんで、晩酌・早寝・早起きの毎日です。読書やドライブも好きです。

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