FC2ブログ

桃源

 桃源(とうげん)。理想郷。桃の花の咲いている水源地にある村。晉(しん)の太元年間に、武陵の一漁師が桃の花咲く林に遭遇。その林の小さい穴から中に入ると、まったく時代ばなれをした世界があった。そこには、昔、秦末の混乱を避けて移ってきた人々の子孫が楽しい生活をしていた。漁師は大変に歓待されて、秦以後のこの世の変遷を語って帰ったという寓話に基づく。
 今年のタイトルは『中国故事成語辞典』(講談社)から。

 今回の短歌は、水原紫苑歌集『びあんか』【決定版】(深夜叢書社・2014刊)から。

 光線をおんがくのごと聴き分くるけものか良夜眼とぢゐる

 s-さくら20200403
 村の処々で桜が満開。遠くに仏具山を望む。

 針と針すれちがふとき幽かなるためらひありて時計のたましひ

 s-大高寺20200403
 天台宗頼長山大高寺の桜。
  
 ひえびえと四肢痛む春庭先の古井戸きよき水出だすなり 

 s-シャクナゲ20200407
 ここからは@還太植物園。ニューフェイスの石楠花。

 菜の花の黄(きい)溢れたりゆふぐれの素焼きの壺に処女の体に

 s-梨20200406
 梨、3葉続く。
 
 風葬とふ言葉いとしみ夕刻のわれ少しづつ軽(かろ)くなりゆく

 s-梨②20200407

 興福寺少年阿修羅にかなしみを与へし仏師の背広からむ
 
 s-梨20200408

 仏蘭西に<春>を抱くべき花ありやジャン・コクトーはさくらを見ざりき

 s-枝垂れ桜20200408
 枝垂れ桜。

 かぎろへば滝つ瀬やさしみづからを滝と知りつつ砕けゆくなり 

 s-水仙20200408
 水仙。

 ひかりさす御堂に濡れて長眉の吉祥天の御(おん)くちびる 

 s-花梨20200408
 花梨。
 
 春雨を厭ひて土間に眠りゐる犬のかたちに濡れて犬消ゆ  

 s-何かな20200408
 金瘡小草(キランソウ)かな。茎は直立せず、地面を這って四方に広がる。地面にふたをするように広がることからジゴクノカマノフタの別名がある。

 われらかつて魚なりし頃かたらひし藻の蔭に似るゆふぐれ来たる

 s-さつき20200408
 こちらもニューフェイスの皐月。

 還太郎の日常は、時には植木屋さんの手伝いにも行くが、普段はトップの写真のような環境で、庭や畑にいることが殆ど。ウグイス・キジ・スズメ・ムクドリ・ヒヨドリ・コジュケイなどの鳴き声を聞きながら野良仕事。盛唐の詩人孟浩然の「春眠 暁を覚えず 処々 啼鳥を聞く 夜来 風雨の声 花落つること 知んぬ多少ぞ」を思い出す。(最近のことは何でも忘れてしまうのだけれど、中学や高校で習った古文・漢文はなぜだか覚えている。)

 詩の意味は「春の暁は気候も良く、夜が明けたのも知らずに寝過ごしてしまった。ふと眼を覚ますと、あちこちから小鳥の鳴く声が聞こえる。そういえば、昨夜は風雨の音がはげしかった。あの嵐で庭の花はさぞたくさん散ったことだろう」。

 そんなことで、新型コロナウイルスとは無縁かなと期待。皆さま、ご用心願います。
  

 

 

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

還太郎+7

Author:還太郎+7
畑や庭での作業を楽しんで、晩酌・早寝・早起きの毎日です。読書やドライブも好きです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ